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第61話 第六天魔王煉獄殺

 みんな集合し、俺たちは最後の反撃に出た。

 全員の技がソルバルトを削っていく。




『グォォォァァァァ……』




 あれだけのスキル群を浴び続けたのだ、敵は身体(からだ)(ほとん)どを失いかけていた。これで、あとはトドメを刺すだけ――!



『ク、クソォ……。ナ、ナゼダ、ココマデ、カラダヲ、キョウカ、シタトイウノニ…………!!』



「そんな禍々しいクリスタルの力を借りても意味はない! そんなモノはこの世にあっちゃいけないんだ……! そして、リジェクトもこの帝国に不要だ!!」




『レイジィィィィィィィィ……!!!』




 怒り狂って向かって来るソルバルトは、触手を更に増やし攻撃してくる。全員がレベル99な上、俺もさすがに戦闘に慣れて来ていた。



 もうソルバルトは、脅威ではない。

 俺は一度、後退した。



「ルシア、フル支援を頼む!」


「レイジさん……大丈夫ですか!?」


「ああ、なんとか勝てそうだ。でも、君の支援魔法が必要だ。俺に全てをくれ」


「……はい、もちろんです。ルシアの全てをあげちゃいますっ。グロリアスブレッシングとアジリティです!! レイジさん頑張って下さい……!」



 フル支援を貰い、俺の力は増幅した。

 その間にもパルテノンが聖典を超解放していた。





『――――聖典解放・第六段階ブースト開始……フェスティーナー・レンテー』





 六つ宙に浮いている聖典から『鎖』が飛び出て、敵に巻き付いた。完全に捕縛している。すげぇぞ……!!



 みんなも続いて一気にソルバルトに攻撃を与え、ダメージを与え続けた。……ここだ、今しかない。この瞬間でヤツを仕留める。




「桜花、力を貸してくれ……!」




 果てしない怒りを巻き起こす。

 心の底から怒りを、怒りを、怒りを、怒りを……!!




「うぉぉぉおぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉ……!!!」




 宿る憤怒は、刀にも伝わり煉獄の炎を(まと)わせた。赤と青と緑の炎が渦巻いている。





『奥義……!!



 第六天魔王煉獄殺――――――ッ!!!』





 激怒を叩き落とし、ソルバルトを一刀両断した。






『ギャアアアアアアァァァァアァァァァァアアアアアァアアァァァァァアァァァアァァァアァァアア…………ッ!!!』






 大爆大炎上を起こし、ソルバルトはついに滅した……。やっとか……やっと打ち滅ぼした。リジェクトを倒したんだ。



「レイジさん……!」

「ルシア、俺やったよ」



 ルシアと抱きしめ合う。

 俺はやっと両親の仇を取れ、帝国アイギスを滅ぼそうとしていたリジェクトを止められた事に、不思議な達成感を覚えていた。



 でも、何よりも大切な人達が無事であるという事実。それが一番安心出来た。みんな死なずに生きている……これは何よりも得難い奇跡(モノ)だ。



「帰ろう」



 ◆




 ライトニング家へ帰宅後、エドウィンから褒められた。



「レイジ、君はよくやった。もう何度も言っているが、君はもう雑兵ではない。この私が認める『皇剣』で間違いないよ。そりゃあ、皇帝陛下の壁はまだまだ高い……でも、いつか君はなれる。皇帝にね」



 いつものように肩に手を置かれ、エドウィンは嬉しそうな表情をして自室へ戻って行った。俺も自室へ……いや、ルシアの部屋へ行こうと思ったのだが。



「どうもです」

「パル、どうしたの」


「素晴らしいご活躍でした。お疲れ様です。今回の件、聖典に加えさせて戴きます。もちろん、今後もですが」


「そりゃ光栄だな。パルはこれからどうするんだい?」

「なにも変わりません。あたしはこのままレイジさんを見守っていきますし、一緒に戦います。聖典(こころ)がそう望んでいるんです」



 だからと、一冊の本を差し出された。



「これは?」

「あたしの事、過去、現在、未来の事など詳細に書かれている『アカシックレコード』と呼ばれているものです。かつて、あるソウルイーターが所持していたものらしいです。数千年前の書物ですよ」



「す、数千年も前の物なの!? それが残っているって凄いなぁ……」



 どんなモノか興味もあったし、本を受け取った。満足気にするパルは、顔を赤くして去った。あんなに恥じらってなんだろう……?




 ――とにかく、今はルシアの部屋へ。

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