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第13話 傭兵になった

 ライトニング家に戻り、エドウィンに報告をした。



「――亡霊騎士か。さっそく有力な情報を手に入れてくれたな、レイジ。君は探偵の素質もあるのかもな。うん、さっそく我が家の為に動いてくれている、私の眼に狂いは無かったわけだ」



 褒められているらしい。

 なんか照れるなと、頬を()いていると――



「旦那様、この後のご予定がございます」



 青髪のメイドがエドウィンを呼び、彼は「行って来る」と短く言って、大広間から出て行った。毎回思うけど忙しそうだなぁ。そりゃ、見えざる敵に対処している時間もないよな。



 それで俺ってわけか?

 多分、そういう事なんだろうな。



「――さて、夜空いっぱいの三日月が綺麗だ。うん、今日も修行だな」



 エドウィンは多忙だけど、人柄は驚くほど良かった。とても貴族には思えない優しさを持ち、俺やルシアの面倒を見てくれていた。


 好きな部屋を使ってくれていいし、庭で鍛練を続けるもよし、不穏分子を見つけ出したり、好き勝手に冒険にも出て良いと自由を与えてくれた。不便なく動けるとはな。



「本当にこれでいいのかなぁ」



 一応、俺の位もライトニング家の『傭兵』となった。それに伴い、傭兵団・バルムンクに入団。手続きはエドウィンが手を回してくれたらしい。


 面談とか書類審査とかすっ飛ばしてくれた。これが貴族の……いや、三大騎士の権力ってヤツか。すげぇぜ。



「けど、三日後に一度は顔を出せって言われているんだよな。仕方ないけど」

「難しい表情をされてどうしたのですか?」



 扉の向こうからルシアが顔を出していた。今日は珍しく礼服ではなく、純白のワンピース姿だった。こんな可愛い服も持っていたんだ。



「ちょっと考え事をね。エドウィンは行ってしまったよ」

「そうですか。レイジさんは、また(きた)えに庭へ行かれるのですね」



「おう、いくら傭兵になったて心は雑兵のままだ。俺はまだまだ未熟。上には上がいるからな、そいつらを超えてこそ本当の騎士になれる」



 スキルばかりに頼っては、本当の強さを手に出来ない。最強になるには、まずは基礎(きそ)となる肉体を鍛え上げ、完成させねば。


 精神力もまだまだ……。



「そんなに(こん)を詰めすぎないで下さいね。レイジさんを物凄く心配する女の子がいますから……。だから、その、ご自愛下さいね」



 そんな切ない顔をされて、俺はドキッとした。



 それって……ルシア。

 あぁ――俺。



 顔が熱くなって俺は、誤魔化すように部屋を出た。



「――――」



 庭へ向かおう……。

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