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第12話 殺人鬼・ゴーストナイト

 自然に俺がルシアを引っ張る形になった。


「……」



 顔が赤くなっているのが分かる。

 こんな極上美人を連れ歩けるのも奇跡。

 俺の人生、捨てたもんじゃないな。


 情報収集の為、酒場に入ってみた。



「そこの空いている席へ」

「はい……」



 座って対面すると、ルシアの顔は赤かった。そっちもか……そう照れられると、俺も改めて照れちまう。



「お客さん二人かい。って、二人共ガキじゃないか……んぉ!? そちらの美人さんは、ルシア様じゃねーべか。おぅ、大きくなられたのう。ワシですよ、ルーカスですよ」



 どうやら店のオーナーらしい。

 というか、ルシアと知り合いか。



「……ルーカスおじ様? あら、ルーカスおじ様ではありませんか。お久しぶりです。あのぅ、失礼ですが前は鍛冶屋をやられてたのでは」



「廃業だよ。今はこの酒場さ。で、そっちのアンちゃんは?」



「俺はレイジです。この子……ルシアとは仲間同士なんです」

「そうかい。ルシア様に仲間が……ほう。てっきり彼氏か何かかと」



「「……」」 



 二人して顔を赤くした。

 ……俺もルシアも否定はしなかった。

 これは違いますと言っておくべきだったか?



「そうかい。そんな仲か。まあいい、ルシア様の関係者なら疑う必要はねぇな」


「疑う?」


「ああ、最近、殺人事件が()えなくてね。ここら一帯、殺人鬼が出没中さ。ほら、あそこ」



 壁にある張り紙に視線を向ける。




『――殺人鬼・ゴーストナイトに注意せよ』




「ゴーストナイト?」


「そうさ、亡霊騎士さ。ここらじゃ有名な話でね、そいつが夜な夜な現れ、壁をすり抜けて標的を殺すらしいんだよ。三大騎士枠(トライデント)を狙う刺客って噂もある」




三大騎士枠(トライデント)?」




「そうさ、三年に一度、三大騎士枠(トライデント)を懸けて競い合うのさ。今はライトニング家、サンダーボルト家、ムジョルニア家とまあ、昔から不動なんだがな。

 だが、最近その長期に渡って君臨し続けている御三家を引きずり降ろそうとする連中がいるようだ。それが今回のゴーストナイトに繋がっている――という、あくまで噂の範疇(はんちゅう)だ」



 ――まさか、エドウィンが言っていた『不穏分子』って、これの事か。



「レイジさん、まずは亡霊騎士を何とかしてみたら如何(いかが)でしょうか。わたしも手伝いますから」



 そうだな、その亡霊を何とかすればお世話になっているライトニング家へ貢献(こうけん)できるし、名も上げられるかもしれない。出世へ繋がる可能性も。



「おっちゃん、その亡霊の話もっと聞かせてくれ」

「わたしからもお願いします、ルーカスさん」



「あー…もう、ルシア様からお願いされちゃあ仕方ないな。小僧、ルシア様に感謝しな。彼女がいなかったら、とっくに出て行って貰っていたぞ。それと注文はしてもらうぞ。コーヒーでいいか」



 ルシアに感謝しつつ、俺はコーヒーを待った。

 今後の方針が決まりそうだな。

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