9話「夏の思いであおいちゃんその1!」
夏休み初日、土曜日
お父さんは接待ゴルフへ お母さんは旧友とどこかへ遊びに朝から
いおりは友達の家へ
ってかなにこのご都合主義?
今家には俺と蘭と千穂と瑠璃のいつもの四人だ
「あぢぃ〜」
「千穂、アンタってホントあつがりよね」
「あぢぃもんはあぢぃんだよぉ瑠璃ぃ」
「あ〜夏だけは全裸になってもいいって法律できねえかなぁ?」
「犯罪増えるんじゃね?」
「そうかぁ〜」
千穂と瑠璃がくだらない話をしているその時だ
ぴんぽーん
「はいは〜い」
ガチャ
「お〜っす!!! あおいちゃんひさしぶりぃ!」
この人は今の設定では成人して既婚者の姉だ
名前は霧島美緒、今21歳らしい。
とりあえず俺は妹っぽく振舞う
「お姉ちゃんどうしたの?」
「実はよお夫が夏なのに単身赴任でいないから遊びきちゃったんだよ!
あおい久々みたけどあんまりおっきくならなかったね」
「うるさいよぉもう!」
「ハハハッ ごめんごめん! それよりそこにいるのは友達」
「うん、 蘭と千穂と瑠璃だよ」
「よろしくおねがいします」
三人は珍しく敬語で挨拶する
「ハハハッ! そう堅苦しくならなくていいんだよ!
気軽に姉さんって口きいていいんだぜ?」
「えっ? いいんですか?」
「遠慮すんなって堅苦しいの嫌いなんだよあたし!」
流石姉さん…不良なだけある
「じゃあよろしくね!」
早速かよー千穂が早速気軽に口をきくさすが千穂だ!
12時-
俺はとりあえずそばをつくる
「あんまりおいしくないと思うけどどうぞ」
「いただきます」
ずるずる…
「あら、あおいちゃん上手」
「こりゃあうめえぞ!」
「へえ アンタ料理上手なのね」
「そりゃああたしが仕込んだからね!」
確かに俺男の時も姉さんに戦場で自活できるように飯の作り方とか
いろいろ教育された、一通りはわかる。
「そうだ! 明日はあおいの16歳の誕生日なんだ」
「えっ? あおいちゃんそうなの?」
「うんまあ一応」
「というわけでさ誕生祝もか兼ねて来週よぉ海でもいこうぜ!」
姉さん、いいけどその金はどこから? まさかかつあげ?
てゆーかなんで来週?
まあこの生活がいつまで続くかわからんしあの眼鏡女の気がかわって
また昭和20年に戻されるかもされないから思い出作りに行く事にした
翌週8月1日
メンバーは俺と姉さんと蘭と千穂と瑠璃と妹のいおりと姉さんの友達の
千代田綾さんだ
彼女は暇だからついてきたらしい
そして…
「キャー! あおいちゃん久しぶり!」
いや俺アンタと会うの始めてなんだけど
「よろしくね!」
スリスリ…
こいつ女の子になつきたいだけなんじゃね?
そんな事はどうでもよかった
そんな事より俺は姉さんの車に驚いた
「わあああ…」
最近テレビで知った、スポーツカーらしい
「ハハハッ! これが俗にいうハチロクさ!」
説明しよう:
ハチロクとは1983年にトヨタ自動車が発売したカローラとスプリンターの
スポーツモデルである4代目カローラレビン/スプリンタートレノの共通車両型式番号だ。
頭文字Dというアニメで主人公拓海の愛車でもあった
今なお自動車ファンからは人気の名車だ
っで千代田さんの車はアトレー7というダイハツの7人乗り普通乗用車
ブオオオ…
「いやぁ! ハチロクのってるとつい峠でドリフトしたくなるぜ」
「姉さんやめてよね」
もちろん俺はハチロクがなんのことなのかドリフトなんかは知らん
だが危なっかしいものだとはすぐにわかった
後ろの座席には千穂と瑠璃が座ってる。
一方-
「美緒ったら夫が車好きで自分もあーゆー性格だから
ちょっと興奮すると暴走するのよね」
「お姉ちゃん酔わなきゃいいけどね」
「そんなに運転粗いんですか? あおいちゃんのお姉さんって?」
「うん、半端じゃないよ、あの走りは豆腐屋並よ」
海へ行くためとうげを越えている途中だ
ブオオオオオオ…
いよいよダウンヒル(くだり)だその時
ブオオオオオン…
「はっ!?」
「ん? どうしたのお姉ちゃん?」
どうやら美緒に火がついたらしい
「敵は黄色いFD…ステッカーには赤城の…このやろ…」
「うおおお! いっけええあおいちゃんのお姉さん!」
千穂…アンタお姉ちゃんと仲良くなれそうだ
「程々に安全運転でねー」
瑠璃…アンタは普通だ
ブオオオオオオオオオオオ…
---千代田車---
「ほ〜ら、炎上した」
「美緒お姉ちゃんったら…あおいお姉ちゃん大丈夫かなぁ?」
「まあご冥福をお祈りしましょう
ギャアアアアアア!!!!
「いやああああ!!!!」
「うるさいよ瑠璃!」
「だってええええあたし乗り物に弱いんだもんいやああああ!!!」
「えーいこれぐらいで参ってたら零戦のれねえ!!!」
ブオン! ギャアアアアア!!!
---ギャラリー---
「すげえぜあの車何者だ!?」
「啓介のFDがあおられてる!」
「あのハチロク 只者じゃねえ!」
-----------------
ブオン…ギャアアアアアア…ブオオオオオ!!!!!!
(いくらコーナーで差をつめてもまた離される)
(仕方ない、アレをやるか)
(仕掛けるポイントは…)
(この先の五連続ヘアピンカーブ!)
---ギャラリー----
「ああ ハチロクが減速しねえ!」
「ブレーキがいかれたか!?」
------------------
ブオオオオオ!!! ガッ!!!
これぞ必殺!
溝 落 し ! !
ブオオン!!!
「抜いたぁぁぁぁぁ!!! ハチロクがFDを抜いたぞ!」
・
・
・
「こちらゴール地点! ハチロクが今通過!FDは…7秒差だ!」
---頂上---
「7秒…完敗」
---千代田---
「あ〜あ すごい速さでいっちゃったね」
「美緒お姉ちゃんいつか捕まりそうだね」
「ってか通報してもいいんじゃね?」
「ダメですよあおいちゃんたち帰れなくなっちゃいますよ」
「そうだね」
海水浴場-
かもめが泣きながら飛行する夕焼け〜
「おーい瑠璃 大丈夫か?」
「…」
俺は思わず言った
「瑠璃、玉砕っと」
♪海ゆかば♪
海行かば
水漬くかばね
山行かば
草むすかばね
大君の
辺にこそ死なめ
かえりみはせじ
「あおいお姉ちゃん大丈夫?」
「うん 私は大丈夫」
「今日はもう夕方だな…明日泳ぐか」
というわけで海の1ページが終了
今日は…瑠璃が玉砕したことと姉がいつか捕まりそうだってことがわかった。
皆様方のご感想お待ちしております。