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死刑囚427番の異世界転生物語  作者: クソラノベ量産機
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第一話 覚えの無い感情

異世界転生に挑戦しようと思い書いてみました。

 「囚人番号427番! これより、貴様の処刑を開始する!!」

処刑執行人の言葉に俺は素直に従い、電気が流れるであろう椅子へと向かわされる。


「妙な真似はするなよ…座れ427番、少しは貴様が殺してきた者達の心情が理解できたか?」


「へーいへい、にしても殺される側の人間の気持ちなんて俺には分からないんだけどねー。」


処刑執行人は俺の言葉に苛立ちを見せるが黙々と俺を電気椅子に拘束する。


「427番、最後に言い残す事は有るか?」


こんな、どうしようも無い人殺しの遺言を処刑執行人は聞くだけならするようだが何を言ったところで俺が死ぬ事に変わりは無い。


「そうだな…もし生まれ変われるのなら、もっと多くの血を流せる殺人し放題な世界にでも生まれ変わりたいねぇ!」


俺は凶悪な顔をしながら処刑執行人へと


省など欠片もしていない台詞を吐き捨てる。


「ほんの少しでも貴様に良心が有ると期待した私が馬鹿だった、サヨナラだ…両親および集落にて大量殺人を犯した犯罪者427番よ! 貴様の死後、神々は罪を裁き善良な者へと生まれ変わらせてくれるだろう!」


そう言うと処刑執行人は電気椅子の電源を入れる、その瞬間に高圧電流が俺の体中に流れ始める。


「………!!」


全身に流れる痛みに自然と体が逃れようとするが拘束具で縛られている為、小刻みにしか動く事が出来ない。


「これで、連続殺人鬼…427番も終わりか。」


俺は薄れ行く意識の中でハッキリと処刑執行人の目を見て、嗤ってみせた。


「!?」


気味の悪そうに俺を見る処刑執行人の顔を見て満足した俺は、意識が途絶た。


しばらくして、目を開けると鬱蒼とした森林にでも居るかの様な場所で空を見ていた。


(何だ? 森…か? それに体が変だ、上手く動かせねぇ。)


俺は無理矢理にでも体を動かすと何かが目の前を横切る。


(まさか、今のは!)


先程と同様に体を動かすと小さな人の手が目の前にくる。


(これ、俺の手か? つまり今の俺は赤ん坊になっているって事か!?)


あり得ない、そんな感情が脳裏を過るが認めざるを得ない状況の中で突如として地響きが鳴る。


「オギャー、オギャー!!」

(おいおい、嘘だろ!?)


助けを呼ぼうにも赤ん坊のように泣き声しか出ず、その場から離れようにも体が上手く動かせない。


俺は違和感を感じていた、処刑前には全くと言っていいほど感じなかった死への恐怖が鮮明に感じとれているのだ。


「オギャー、オギャー!?」

(誰か! 助けてくれ!! お願いだ、死にたくない!!)


その願いも虚しく、トラの様な姿をした牙の鋭い猛獣が俺を見下ろし獰猛な顔で俺に喰らいつこうとする。


猛獣が大きな口を開けたところに何やら紫色の光の弾が、猛獣の顔に当たり頭を吹き飛ばしたのである。


「やれやれ、五月蝿いと思ったら何かいるわね?」


俺は紫色の弾が飛んできた方向をみると赤く長い髪を靡かせる女性の頭には2本の角が生えており、紫色のオーラの様なモノを纏っていた。


「オギャー、オギャー!」

(くそ、喋れねえ言葉が通じるなら誰でもいいから助けてくれ!!)


女性は俺に気付くと近づいてきて、首筋を摑み持ち上げる。


「何だあ? 人間のガキか?」


「オギャー、オギャー!!」

(駄目だ、殺される!!)


得体の知れない女性を警戒するが今の姿のままでは何も出来ず為すがままにされるのは明白だった。


「はっ! まあいいさ、こんなガキでもクソ程の役ぐらいは立つだろう!!」


女性は、そう言うと俺をログハウスの様な建物に持って行く。


「さて、泣きまくって五月蝿いからなあ…言葉くらいは喋れるようにしてやるか。」


女性が手を翳すと魔法陣が現れ、俺に何かしらの魔法をかけたようだ。


「何だ、今の!? 魔法か!!」


その瞬間、赤ん坊の姿ではあるものの喋れるようになった。


「うわっ! きっしょ! 人間のガキは喋るときめえな!!」


自分でやっておいて気持ち悪がるとは、一体どういう神経をしているのだろうか。


「俺に何をする気だ?」


「何って、簡単な事さ…私が楽をするための奴隷になってもらおうと思ってね!!」


どうやら俺を奴隷として扱う為に拾ってきたようだが、こんな姿の俺に何を求めようというのか。


「なーに、今のままでは何も出来ないのは分かっている。 だから、こうするのさ!」


女性は俺の体に触れ、その瞬間に何かが体中に流れ込んでくる。


「うわっ!? お前何をした!!」


「簡単な事さ、魔力を流れ込んだだけさ。」


「魔力?」


「そうだ、今から5年の間に魔力のコントロールを覚えてもらう。」


「もし魔力を自由に扱えなかったら…」


「扱えなかったら、どうなるんだ?」


「私が直々に殺してあげるわ! 精々、頑張りなさい私の為にね。」


今の俺には死への恐怖心があり魔力を上手く扱えなかった場合は女性に殺しされてしまうらしい。


「その前に一ついいか?」


「何かな?」


「お互い、名前で呼び合わないか? 俺は未だにアンタの名前が分からない。」


「そうね、私の名はレイニー・サークレット…魔族。」


「俺の名は……スマン名前なんて未だなかった。」


「なら私が名付けてあげるわ、…タナトスと呼ぶわね。」


こうして、お互いを名前で呼び合い奇妙な生活が幕を開けるのだった。

無属性魔法使いを書き終えた後に連載を予定しています。

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