200. 閑話05 - 従者ヤノスケ
いつの間にか200話を突破していました。 (゜∇゜ノノ"ありがとうございます
これからもよろしくお願いいたします。 (o_ _)o
おお、フルフレアでござるか。
もちろん、拙者も呑んでるでござるよ。
ミモリーの戦勝とサム殿の偉業を称える席でござるからな。
好きな酒でござるか?
今飲んでるエールも好きでござるが、個人的には「キヨザケ」が一番でござるな。
む、フルフレアは見たことがないでござるか、キヨザケ。
拙者が以前いた東方大陸の国で作られている酒でござるよ。
原料は「米」という穀物で、透明度が高く芳醇な香りが美味なのでござる。
おお、皆も、どうしたでござるか、拙者など囲んで?
え?
拙者の身の上話が聞きたい?
……そう言えば、何年もPTを組んでいるのに、一度も話したことなかったでござるなぁ。
いや、聞いて面白い話でも無いからして……というか、皆、酔ってはでござらんか?
え、あ、ちょっ……のぉぉぉ! わ、分かった! 分かったでござるよ、フルフレア!
ちゃんと話すでござるから、拙者の角を掴んで左右に折ろうとするのは止めるでござる!
……まぁ、大して面白くもない話ゆえ、文句は勘弁願うでござるよ。
拙者は、南方大陸の最南端にある小さな部族国家の生まれでござった。
そう、東方大陸ではなく、南方大陸でござるよ。
両親は早くに病死し、拙者は妹と二人、農民として慎ましやかに暮らしていたでござる。
当時は拙者も別の名で呼ばれていたでござるが、その名ももう忘れ申した。
拙者が15になった年のことでござる──妹が突然、病に倒れたのは。
両親を殺した病と、同じ病でござった。
拙者は妹の病を治そうと借金に借金を重ね、薬を買い続けたでござる。
されど、結局は僅かな延命にしかならず、妹は半年もせずに息を引き取り申した。
その時の借金が原因で、拙者は借金奴隷となったのでござる。
……ははは、それは買いかぶり過ぎでござるよ、ミモリー。
幼い頃の拙者なぞ、図体がデカいだけの木偶でござったよ。
戦闘どころか、喧嘩すら碌にしたことがなかったゆえ、冒険者になって稼ぐなどとてもとても……。
まぁ、そのような次第で、拙者は肉体労働専門の借金奴隷として、奴隷商に連れて行かれたのでござる。
東方大陸では拙者の肌の色が珍しいらしく、高く売れるだろうと目論んだ奴隷商は、拙者を船に載せ、一緒に東方大陸にある小さな島国を目指し申した。
されど、入港する直前で海の魔物に襲われてしまい、船は転覆。
奴隷商は溺れ死に、他の奴隷たちも檻に閉じ込められたまま船と運命を共にしてしまったでござる。
幸いというべきか、図体がデカいからと船の雑用をやらされていた拙者だけが溺れ死を免れ、夜の海に流されもうした。
正体をなくした拙者が目を覚ますと、そこはどこかの屋敷の中だったでござる。
どうやら浜辺で倒れていたところを拾われたらしく、拙者はなんとか海難を生き延びたのでござる。
されど、起き上がった拙者は瞬く間に屋敷の者らに太い鎖で縛られ、そのまま豪華絢爛な大部屋へと連れて行かれ申した。
そこで、拙者は終生の主君と出会ったのでござる。
その名も、「織田野 信永」様。
「陽の本皇国」で小さな領地を預かる小名に過ぎなかった「織田野家」を、わずか一代で大名へと押し上げた、稀代の英傑でござる。
まぁ、そのときはまだ信永様について何も知らなかったゆえ、ただただ萎縮していただけでござったが。
なにせ、あのときの拙者は、奴隷商とはぐれた、ある意味「逃亡奴隷」でござったからなぁ。そのことを咎められると借金奴隷から犯罪奴隷へと転落してしまうゆえ、周囲の人間の気分を害さぬよう、必死に息を潜めていたでござる。
そんな戦々恐々としていた拙者に、信永様は興奮気味に仰られたのでござる。
「Aye bro! You reincarnated in this world just like me, huh?」
申していた内容は全く定かでなかったでござるが、信永様はまるで同郷の友人とでも再会したかのように、奴隷に過ぎなかった拙者の肩に親しげに触れたのでござる。
されど、拙者は何も反応できず、ただただ呆然とするしかなかったでござる。
すると、信永様はどことなく寂しそうに呟いたでござる。
「あれ? イングリッシュ通じてないデース……? ということは、こっちの人デース?」
……おお、鋭いでござるな、エッカルトは。
確かに、信永様の共通語には、独特の言い回しや癖のある抑揚が多くござった。
されど、それこそが信永様の持ち味というものでござるよ。
それはさておき。
信永様が近づいてきてくださったことで、拙者はようやく信永様のご尊顔を拝することができ申した。
淡黄色の肌に、黒い目と黒い髪。
額には一本の角が生えており、耳は少しだけ尖り気味。
中肉中背で、凛々しいお顔立ち。
方大陸でよく見かける、典型的な「黄肌の鬼人族」でござった。
拙者が信永様を見上げていると、家臣たちが騒ぎ出し申した。
「殿! 其奴は肌の色も、角の数も、我々とは完全に別物。きっと『あやかし』の類にございます!」
「然り。お近づきになられてはいけませぬ」
「ノーノー、彼はただ肌が黒だけの、黒人のブラザーで……」
「殿! ことは御身の安全に関わりまする! わけの分からぬことを仰られていないで、どうか其奴からお離れください!」
家臣たちが口々に信永様を諌める中、そばで控えていた一人が刀を抜き、その刃を拙者の首元に掛け申した。
「其処な黒き鬼よ、貴様、人の言葉は分かるか?」
「は、はい。分かります」
そう答えると、なぜか周りから「おお!」とどよめきが起きたでござる。
……え、あ、いや、拙者も生まれつきこの口調じゃないでござるよ?
この東方大陸訛りは、陽の本皇国で信永様にお仕えしていた時に染み付いたものでござる。
とにかく、その家臣は刀を片手に問い詰めてきたのでござる。
「では貴様、我らに害を成すつもり、有るや否や?」
「もちろん、ありません」
「それをどうやって証し立てる?」
「そ、それは……」
そんなこと、できるわけがござらん。
困った拙者が俯いていると、信永様が助け舟をお出しくださった。
「ヘイ皆の衆、そこまでデース!」
拙者と家臣たちの間に立ち、信永様は声を張り上げて宣言なさったのでござる。
「このブラザーは、ワタシの従者にするデース!」
「「「と、殿ぉ!?」」」
「トノサマ命令デース! イーロンもマスクも認めないデース!」
周囲の反対を押し切った信永様は、拙者に歩み寄り、肩に手を載せ申した。
「ユーは今日からワタシの従者デース。
外見の違いなど、気にする必要ないデース。誰がなんと言おうと、ユーはユー、ワタシの従者デース。レイシズム、ダメ絶対デース!」
親指を立てながらそう仰ってくださった信永様を見て、拙者は刹那にして信永様の為人を理解し申した。
この御方は高貴な身分でありながら、一奴隷にも分け隔てなく接することができる、本物の傑物なのだ、と。
「ユーの名は。」
拙者が嘗ての名を答えると、信永様は、
「うーん……なんだかサムライっぽくないデース。
……そういえば、ノブナガには変わった従者がいたとジャパニーズ・マンガで読んだことあるデース!
名前は……ええと……なんかマーベ◯コミックに出てくるヴィランみたいな名前だったデース……『ヤノス』?」
暫く唸ると、信永様は閃いたように掌を打ち申した。
「そうデース! 『ヤノスケ』デース!」
然して、拙者を指差して仰ったのでござる。
「今日から、ユーは『ヤノスケ』デース!」
その日から、拙者は信永様の従者「ヤノスケ」となったのでござる。
そうでござるよ、グラッド。
拙者は信永様のおかげで、こうして生きているのでござる。
信永様がおられねば、拙者はあの屋敷で「黒き鬼のあやかし」として殺されていたでござる。
グラッドにも信永様の偉大さを分かってもらえて嬉しいでござるよ。
お仕えするようになって、拙者は信永様の過去を知ることができたでござる。
家臣たちによると、幼少の信永様は、それはもう厳格なお方だったそうでござる。
自分にも他人にも異様に厳しく、常に何かに苛々していたそうでござる。逆らう者は忠臣でさえ情け容赦なく打首にしたらしく、謀反を起こしたとはいえ実の弟君すらも躊躇なくその手で殺めたそうでござる。
そのため、家臣たちからは「人の情に欠ける」とまで思われていたとか。
まるで荒御魂のよう、とは忠臣の一人であった木林吉成殿の言でござった。
そんな皆が恐れる信永様でござったが、ある日、落馬して3日ほど正体をなくされた事があったそうでござる。
然して、お目覚めになられた信永様は、まるで人が変わったように快活になられたそうでござった。
お目覚めになられた当初こそ「What's going on?!」「Where am I?!」などと謎の言を叫びながら混乱なされていたそうでござるが、家臣が話しかけるとすぐに「Oh! ジャパニーズ・サムライデース!」「ワタシの日本語通じるデースか?」「アニメのために日本語勉強しといて大正解デース!」と少し癖のある共通語を話されたそうでござる。
どうやら落馬した時に頭を打ったようで、暫くは混乱なされてい申したが、すぐに落ち着かれたそうでござる。
然して、その後の信永様は、さながら別人のように見るもの聞くもの全てに驚き感動したとか。
ご自分が小名家の当主であると聞かされると「Oh! ワタシ、ジャパニーズ・サムライデース!?」と驚かれ、
皇国の現状が戦の絶えぬ乱世だと知ると「Yeah! ジャパニーズ戦国ピリオド! 最高の転生デース!」と飛び上がらんばかりに喜ばれ、
奥方様であらせられる来蝶様にお会いしたときは「Oh……ジャパニーズ・ビューティー……ふ、二日物デースが、よろしくデース」とお顔を赤らめたそうでござる。
それからの信永様は、これまでの厳しい態度が嘘だったかのようにお人柄が変わり、かつてないほど陽気に振る舞われるようになったそうな。
これまでは他者を寄せ付けぬ雰囲気だったというのに、落馬後は、どのような人と会っても「Oh! ジャパニーズ・フレンド! こっち来て一緒にロースト・ミソペースト食べるデース!」と心から友好的に接するようになったそうでござる。
これまでは逸品の工芸品をガラクタのように見ていたというのに、落馬後は、どのような品を見ても「Oh! メイド・イン・ジャパン! 素晴らしいクオリティーデース!」と心から称賛したそうでござる。
それだけに留まらず、信永様は西洋文化……東方大陸以西のことを向こうでは「西洋」と呼ぶのでござるが……そういったものにも大層ご興味をお持ちで、深いご造詣があり申した。
西方大陸渡来のパンを見れば「Oh! ブレッド! ライスもいいですが、たまにはブレッドも食べたくなるデース!」と率先して口にされ、
南方大陸渡来の「黒き豆」を見れば「Oh yes! コーヒー! ちょうど恋しかったところデース!」と大喜びでお飲みになり、
北方大陸渡来のスノータイガーの毛皮から作られた羽織を見れば「Oh! ジャパニーズ鬼フンドシ! とってもハイカラなのデース!」と躊躇なくお羽織りになられたそうでござる。
独特な口調もさることながら、その奇抜な言動から、信永様は「大張の大うつけ」などと言われたそうでござるが、ご本人は「ノブナガ・ザ・ウツケ最高でーす!」と全く気にする素振りもなかったそうでござる。
落馬後の信永様は、突如として優れた統治の才覚をご発揮され、領の発展にお力を入れ始めたそうな。
これまでは煩わしげにしていた政にも御自ら着手し、「ジャパン・ヲタクの本領発揮デース!」と叫びながら領内改革を行われたそうでござる。
関税を撤廃して商いをしやすくした「薬市薬座」などはその代表でござろうな。
文化や技術にもお力を入れられていたそうで、領の産業と芸能は加速度的に発展し、信永様がお治めしていた大張の地は、凄まじい発展を遂げたそうでござる。
領民との交流も重視なされていた信永様は、「黄門ジェネラルの世直し漫遊デース!」とよく御自ら城下町をご視察なされていたでござる。
城下で揉め事あらば「ノーノーノー、喧嘩いけまセーン!」と御自ら仲裁に入り、祭り事あらば「ジャパニーズ・フェスティバル最高デース!」と身銭を切って援助したそうでござる。
民にも分け隔てなく接する信永様は民に大いに敬愛され、稀代の名君と称賛されたでござる。
よその大名が口にする「大張の大うつけ」という蔑称も、民たちの口では「我らが大うつけ殿」と愛称になっていた程でござった。
民生のみならず、信永様は家臣たちの心も次第に掴んでいったでござる。
最初こそ信永様の変化に戸惑っていた家臣たちでござるが、打ち解けていくに連れ、信永様の偉大さに惹かれていったでござる。
信永様は信賞必罰を徹底し、有能な者をどんどん重用していき申した。これまでは無関心だった家臣たちの冠婚葬祭にも御自ら出席し、平時も家臣たちの要望にできるだけ応えるようにしていたでござる。
幾月もすれば家臣たちの信永様への恐れは消え、親しみが生まれたでござる。然して「領地の飛躍的発展」という目に見える実績が加わることで親しみは尊敬へと昇華し、遂には忠誠へと変わっていき申した。
こうして、バラバラだった家臣たちを、信永様はその魅力で以てまとめ上げたのでござる。
もちろん、お変わりになられた信永様を「軟弱」と疎む輩もいたそうでござるが、こと戦を除いた信永様の功績はケチの付けようがないゆえ、謀反を企てる者は皆無だったでござる。
私生活の方でも、大きな変化があったようでござる。
これまでは、奥方様であらせられる来蝶様とのご夫婦仲は冷めきっていたらしいでござるが、信永様が変わられたことで随分と良くなられたそうな。
然れども、何故か目合いだけは、何時まで経っても無かったらしいのでござる。
奥方様付きの女中によれば、褥で待つ奥方様を見るや、何故か信永様は生娘が如くお顔を赤らめ、「ま、まだ心の準備がレディーできてないデース!」と慌てふためきながら部屋を出ていったそうでござる。
そんな信永様に、奥方様は「まぁ、殿は初でございますね」と楽しそうになされていたらしいのでござるが、それも最初の頃だけだったそうな。
あれは、拙者が信永様の従者になって一月ほどした頃のこと。
奥手な男児のような振る舞いをなさり続ける信永様を、遂に痺れを切らした奥方様が強引に寝所へと連行したのでござる。
夜番をしていた拙者は、僭越ながら、襖の外でお二人の成り行きを耳にし申した。
「さぁ、殿!」
「ちょっ、待つデース来蝶!」
「殿、今宵こそ妾と褥を共にしていただきます!」
「い、いや、先ずはガールフレンドからとあれほど──」
「さぁ、殿、お覚悟を!」
「ちょっ、wait、来蝶…………あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♡♡」
次の日の朝、信永様は登る朝日を眺めながら、「黒き豆」の茶を片手に、拙者に仰ったでござる。
「ふっ……知ってるデースか、ヤノスケ?
女性とは、素晴らしいものなのデース」
悟りを開いたお顔に、輝くような幸福と成熟した大人の余裕を浮かべておいででござった。
「マザーグースは正しかったデース。
女性は、本当にシュガーとスパイスと素敵なサムシングでできていたのデース」
含蓄のあるお言葉を呟き、信永様は溜め息とともに首を横に振り申した。
「ワタシは、何を恐れていたのデースかね?
女性をまるで未知の生き物のように考えて、勝手に恐れて、勝手に遠ざけて……本当に、臆病なナードだったデース。我ながら情けないデース」
過去の己に黄昏れ、されど今の己に喜ぶ。
自らの成長を誇る、漢の顔でござった。
「……ノー。この言い方はコレクトじゃないデースね。
全てはマイワイフ来蝶が特別にスペシャルなのデース」
一皮剥けたかの如き眼差しで遠くを見つめながら、奥方様への愛を唱える。
そんな信永様が、拙者の目には登る朝日以上に眩しく映ったでござる。
それからというもの、御二方の仲は更に睦まじくなられ、口煩かった女中たちも大変に喜んだでござる。
え?
もう拙者の身の上話じゃなくて信永様の身の上話になってるじゃないか、とな?
それは致し方ないでござるよ、フルフレア。
拙者は信永様に忠誠を捧げた従者。拙者の身の上話の中心が主君である信永様の話になるのは、至極当然なのでござるよ。
さて。
拙者が信永様の従者となって一年後のことでござる。
遂に、戦となったのでござる。
相手は、東部を統べる大名「昨日川家」。
その当主である「昨日川 義本」が、軍を率いて我らが大張に攻め込んできたのでござる。
2万を超える昨日川の大軍に対し、当時の織田野家の兵は僅か4000。
大敗が約束された戦いでござった。
家臣の多くは信永様に講和を進言し申したが、信永様は頑として首を縦に振らなかったでござる。
「全てワタシに任せるデース!」
ただそれだけを言い残し、信永様は軍議を解散させたのでござる。
多くの家臣が信永様のお考えに疑問を持ち申した。
されど、信永様の自信は揺るがず、遂に戦の日を迎えたのでござる。
その日は指の先すら見えない大雨が降っていたことを、よく覚えているでござる。
信永様は家臣たちに籠城の令を出すと、拙者と兵を50ばかり連れ、密かに出陣したのでござる。
馬頭の両側に持ち手を取り付けた愛馬に跨り、腰に刀を6本刺した信永様は、拙者たちに仰ったでござる。
「これより、昨日川のリーダーである義本を討つデース!」
小勢にも程がある拙者たちは、一様に驚き申した。
斯様なことは実現不能だと、その場に居た全員が思ったでござる。
「ボスさえ倒せば、どれだけミニオンが残っていてもヴィクトリーになるのデース!」
信永様のお言葉は深遠ゆえ、拙者たちでは理解できない単語が所々にあったでござるが、仰らんとしていることは皆、理解していたでござる。
総大将さえ討てば、どれだけの大軍であろうと即座に瓦解する。
兵数差など関係ござらん。
大将首さえ取れば、この戦は終わる。
それは、数で劣る我が織田野軍が昨日川に勝つ唯一の方法でござった。
「ユーたちは、ワタシの後を付いてくるデース!」
総大将御自ら先陣を切る。
その事実に、拙者たちは震えるほど奮い立ったでござる。
たとえ黄泉への片道進軍であろうと、悔いはござらん。信永様とならば何処までもお供いたせる。
その場に居た誰もがそう思ったでござる。
「こういうの、一度やってみたかったのデース!」
気負いなど皆無、寧ろ期待に胸を膨らませている信永様に、拙者たちは真の英雄を見たでござる。
これぞ傑物。
付いてきてよかったと、この御方にお仕えできて光栄だと、皆が心から思ったでござる。
「ではエブリバディ、雨に乗じて静かに行くデース!」
愛馬の頭部にある取っ手を掴み、信永様は号令をお下し申した。
「Here we gooooo! Let's partyyyyyy!」
その後はもう、あっという間だったでござる。
拙者たちは雨音に乗じて昨日川軍の陣地へと突入。
油断しきっていた昨日川軍は反応すらできず、拙者たちはあっさりと本陣まで入り込んだでござる。
そこに、敵軍総大将である義本は居申した。
義本の親衛隊との乱戦のなか、信永様は左右の手でそれぞれ3本の刀を指に挟むように抜き──されど、すぐに「重くて無理デース!」と刀を一本だけ残して、他の5本を全て放り出したでござる。
然して、信永様は義本との一騎打ちに入り──
地面に落とされた信永様の刀に足を取られた義本は、踏ん張りが効かずに信永様が手にしている刀に向かって倒れ込み、そのまま喉を貫かれて絶命し申した。
信永様の深謀遠慮に破れた義本は、信永様とただの一合も刀を交えること叶わず、初手から自滅に追いやられたのでござる。
まさに信永様の神算鬼謀の勝利でござった。
総大将を失った昨日川軍は、瞬く間に総崩れとなり申した。
そうして、織田野家の勝利が確定したのでござる。
たった50騎という寡兵で、2万の大軍を破る。
この「盥狭間の戦い」以降、信永様を「軟弱」と侮る者はただの一人も居なくなり申した。
今まで信永様に声なく反発していた家臣たちも、ひとり残らず改心し、信永様に生涯の忠義を捧げるに至ったのでござる。
……え、話が長いでござるか?
いや、これから信永様と織田野家の躍進が…………ああぁぁぁ分かったでござるからステーキナイフで拙者の角を削ろうとするのを止めるでござるよフルフレアァァァ!
はぁ……酷い目に遭うところだったでござる……。
不本意ながら、途中経過は省くでござるが。
「天下不武」を掲げていた信永様は、僅か20年で皇国最大の大名になったでござる。
ああ、「天下不武」とは「武力を必要としない世の中にする」という意味でござるよ、エッカルト。
信永様が提唱した、素晴らしき理想でござる。
そうでござるね、ミモリー。
鬼人族は寿命が200年程でござるから、僅か20年で天下を取る一歩手前までいった信永様は、やはり稀代の傑物にござるよ。
拙者がこちらの大陸に渡った原因、でござるか?
それは……信永様がお亡くなりになられたからでござるよ。
否。信永様は戦に破れたわけでも、病死なされたわけでもござらんよ、グラッド。
信永様は…………信頼していた家臣の一人に裏切られたのでござる。
其奴の名は──明井智 光英。
信永様に忠誠を誓い、信永様から絶大な信頼を頂戴しながら、本能神社にて信永様を討った、許されざる裏切り者でござる。
その卑劣さは、謀反の常習犯であった「竹永久英」すら優に超えるでござろう。
……今思えば、全てはあの会談がきっかけだったのやも知れぬなぁ……。
それは、椎名山焼き討ち前夜のことでござった。
人払いを済ませた信永様は自室に光英を呼び、二人きりで密談を行ったでござる。
戸の外で待機を許されたのは、信永様の従者である拙者と、近習であった「乱丸殿」だけでござった。
「ミツヒデ……ワタシは、椎名山を焼き討ちすることにしたデース」
「なっ──!? いけませぬ、お館様! 椎名山にある延暦神社は、龍神教が総本山。あの地に進軍すれば、皇国全土の龍神教信者が敵に回りまする!」
「それは分かってるデース!」
信永様のお声には、戸襖越しでも分かるほどの怒りが籠もっていたでござる。
「延暦神社に巣食う神官兵……あのマ◯ー◯ァッキン神官兵たちのせいで、ワタシたちはヨシナリを失ったのデース!」
「お館様……」
吉成殿は、信永様の寵臣だったでござる。
最古参の一人だった吉成殿は、どんな時でも信永様を背後から支えていた、紛うことなき縁の下の力持ちだったでござる。
信永様も、吉成殿のことを友と……否、兄と思って親しんでおいででござった。
そんな吉成殿を先の宇佑山城の戦いにて失った信永様は、大変悲しみ、それ以上にお怒りになっていたでござる。
快活な信永様があそこまで怒りを顕にしたのは、後にも先にもあの時だけでござった。
「政治に干渉してくる宗教は、一番碌でもないのデース」
暗く低い声で、信永様は仰られたでござる。
「椎名山延暦神社は、焼き討たねばならぬのデース!」
それは、生臭神官どもの運命が決まった瞬間でござった。
「ミツヒデ……ユーに、延暦神社焼き討ちの陣頭指揮を任せたいデース」
「な、なんとッ!?」
大任を任された光英は、大層驚いた声を上げたでござるが、すぐに「……で、ですがお館様」と踏ん切りがつかない様子で続け申した。
「彼の地には神官達が囲っている婦女や幼子が多く住んでいる、と聞き及んでござりまする」
黙して耳を傾ける信永様に、光英は難しそうな声音で続け申した。
「腐りきった神官共は、教義的に姦淫を認めていないことを知りながらも、欲の赴くままに婦女を延暦神社へと連れ込んで姦淫の限りを尽くし、あまつさえ子まで産ませている、と出入りしている行商たちが申しておりました」
「…………」
「そのような女子供が多く住む地を焼き討つというのは、些か……」
「……それでも、やらねばならぬのデース」
信永様のお声は静かでありながら、怒りと悲しみで震えていたでござる。
「確かに、民間人の付随的損害は駄目デース。
でも、奴らは『龍神の思し召し』などと農民たちを焚き付け、一揆隊を作らせて農民たちを無為な死に追いやっているのデース!
あんなのは民主主義による革命運動ではないデース! ただの狂信デース!
あの腐った地を焼き払わないと、世の全てが一緒に腐ってしまうデース!」
「お館様……」
「民を思えばこそ、奴らは焼き討つべきなのデース。たとえワタシ達が鬼に成り下がろうとも」
その怒りと悲しみの中には、確かな信念があり申した。
きっとそれは信永様が何を代償にしても成し遂げなければならないことなのでござろう。
光英も、それを感じとってか、重苦しい吐息をしていたでござる。
「たくさん、人が死ぬデース」
「……はい」
「汚名も、たくさん着ることになるデース」
「……はい」
「きっと、この戦いでワタシ達は────シュドーに落ちるデース」
「……は──えっ? しゅ、しゅどー?」
「そうデース、シュドーデース」
「しゅどー? ……はぁ!? 衆道!? 修羅道ではなく!?」
「シュラドー?
ん? シュドー……? シュラドー……?
む〜、日本語難しいデース……。
発音も似てるデースから、同じような意味じゃないのデースか?」
「た、確かに、衆道は一般には受け入れられ難く、ある意味『修羅の道』でございまするが……」
「やっぱり、同じような意味なのデースね?」
「そ、それは……」
「とにかく、ワタシはそのシュドーというのを進むことにしたデース」
「な、なんと……お館様が、衆道を……」
光英は、心底驚いたような声をしていたでござる。
「ワタシは、もう引き返さないデース。ヨシナリのためにも……」
「よ、吉成殿のため……? やはり、お館様は衆道を……道理であれほど吉成殿と親しくしておられると……」
「きっと、焼き討ちをすれば、織田野家も、家臣のみんなも、茨の道を進むことになるデース」
「た、確かに、衆道をお進みになられるのであれば、間違いなく茨の道となるでしょう。特に奥方様が……」
まだ驚きが抜けきれていない光英に、信永様は覚悟を問うたでござる。
「それでも、付いてきてくれるデースか、ミツヒデ?」
暫くの沈黙の後、「バン!」と畳に勢いよく両手を突く音がしたでござる。
「はっ! この明井智光英、何処までもお館様に付いて参る所存でございまする!」
決意と覚悟、そして歓喜と感激が伝わる、そんな声でござった。
「まさかお館様も衆道を嗜まれるとは、この光英、夢にも思いませなんだ!」
「ん? 嗜む、デースか?」
「しかし、流石はお館様! この光英が衆道を好むことを見抜かれておいでとは!」
「え? 見抜く? なんのことデース?」
「道理で、来蝶様との間にお子様がおられないわけです! 衆道を嗜まれるのでしたら、それも当然でござりましょう!」
「ちょっ、ベイビーができないのはワタシも来蝶も結構気にしていて……」
「はっ!? もしや、この二人きりの密談も、陣頭指揮の任命も、そういう意図で……!?」
「What? さっきから何を言ってるのデースか、ミツヒデ?」
戸惑う信永様に、光英はハッとなにかを悟ったかのよう声を上げると、すぐに熱の籠もった声色で信永様に迫ったでござる。
「さぁ、お館様!」
「え? え? え?」
「どのような茨道であろうと、お館様と一緒ならば、この光英は……!」
「え、ちょっ、なぜワタシの袴を脱がせようとしてるデースかミツヒデ!?」
「いざ、共に衆道の彼方へ!」
「ちょっ、wait、ミツヒデ…………アッーーーーーーーーー!!」
拙者はこの直後に乱丸殿よりその場から遠ざけられ申したゆえ、その後のことを全く知らないのでござるが……その日を境に、何故か信永様は光英を見るとビクッとするようになり、徐々に遠ざけるようになったのでござる。
結局、「衆道」とは何か、誰に聞いても微妙な顔をするだけで教えてはくれなかったでござる。
ただ、密談にて語られたことからして軍機に関わる事項である可能性が高く、故に拙者もそれ以上深く尋ねることをやめたでござる。
その後、信永様が光英を遠ざけるに連れ、光英の信永様を見つめる視線も、徐々に変わっていったでござる。
情愛と憎悪が入り混じったような、なんとも複雑な視線でござった。
そのことを乱丸殿に尋ねると、
「……ああ〜〜、それは、その……ええっと……う〜ん……あ、あれでございますよ、近頃お館様が翅柴様と遠久川様を重用しておられるゆえ、御二方に負けぬよう一刻も早く武功を立てたいのでござりましょう。
ええ、きっとそういうことでござりまするよ、ヤノスケ殿。
ゆえに明井智様のことは、そっとしておいてやりましょう。深く考えてはいけませぬ。ええ、その方がよろしいでしょう」
と、不関与を勧められたでござる。
まぁ、そもそもただの従者に過ぎぬ拙者がなにかできるはずもなく、乱丸殿の助言もあって、光英のことは気掛かりなれど、そっとしていたのでござる。
されど、それが間違いでござった。
それから凡そ10年後のことでござる。
織田野家の最大の敵だった「武志田家」が滅亡し、念願の天下統一が目前に迫った頃。
本能神社にてご滞在中だった信永様に、光英が突如として謀反を起こし、襲撃を仕掛けたのでござる。
神社には火が放たれ、四方からは兵の声が聞こえ申した。
拙者たちは、完全に囲まれたのでござる。
「お館様、謀反にござります!」
乱丸殿の切羽詰まった声に、眠りから覚めた信永様は……何故か泰然としておられた。
「とうとう来たデースか、この日──本能神社クーデターが……」
まるでこうなることを最初から分かっていたかのような信永様のお言葉には、覚悟の中に些かの諦めを含んでいたような気がしたでござる。
神社の中にいるのは、信永様と乱丸殿と拙者のたった三人。
対して、神社を囲う光英の軍は、旗の数だけでざっと数千。
絶望的な状況でござった。
「ヤノスケ、ランマル」
火の手が迫る神社の中、信永様は拙者と乱丸殿を呼んだでござる。
「ユーたちは逃げるデース」
「お館様は?」
「ワタシは、ここに残るデース」
「そんな!? では、私もお館様と共に残りまする!」
乱丸殿の言葉に、拙者も追随したでござる。
されど、信永様は首を横に振られ申した。
「ワタシのデスティニーはここまでデース。歴史的に、そう決まっているのデース」
天命を受け入れるが如く、信永様は穏やかにそう言ったでござる。
「でも、ユーたちまでワタシに付き合う必要はないデース」
「……では、ヤノスケ殿だけお逃げください」
「ユーも行くデース、ランマル」
「行きません!」
恐らく今生で初めてでござろう、乱丸殿は信永様のお言葉に背いたでござる。
「もう既に周囲は明井智の兵に囲まれておりまする。逃げ場など、とうにございませぬ」
乱丸殿は「されど」と言って、拙者を向いたでござる。
「ヤノスケ殿は違いまする。その黒き肌は、夜闇に溶け込めまする。裸身で塀を飛び越えれば、ヤノスケ殿だけは助かるやも知れませぬ」
言い終えると、乱丸殿は穏やかな顔で信永様に告げたでござる。
「私は、お館様とここに」
「ランマル……まったく、困ったボーイデース」
仕方なさそうに、信永様は乱丸殿の頭を優しく撫で申した。
「行くデース、ヤノスケ」
そう命ぜられた拙者でござるが、乱丸殿同様、拙者も信永様のご意向に抗ったでござる。
拙者は、信永様の従者でござる。
生きるときは信永様のために生き、死ぬときは信永様のために死ぬと決めてござった。
故に、ここで一人だけ逃げ延びるのは、どうしてもできなかったでござる。
されど、信永様は拙者に微笑まれ申した。
「ヤノスケ、ワタシはユーに結構救われてたのデース」
拙者に救われる?
信永様のお言葉の意味が理解できなかったでござる。
「ユーが側にいてくれたから、ワタシはホームシックにならずに済んだデース。この世界を楽しく生きることができたデース。
だから、ユーには生きていて欲しいのデース。
生きて、ワタシの生き様を──オダノノブナガというサーガとして語り継いで欲しいデース。
そして、この陽の本皇国の行く末を……この『ノブナガ』が築いたものがどうなるのかを、見届けてほしいのデース。ワタシの代わりに」
そのお一言で、拙者は気付かされたのでござる。
拙者の反抗など、結局はただのわがままに過ぎないのだ、と。
ここで信永様とともに果てるのは、拙者の本望でござる。
されど、それは最も楽な道であり、一種の逃げでもござった。
たとえ生き恥を晒そうとも、拙者だけでも生き残って、信永様の生き様を語り継ぎ、国の行く末を見届ける。
信永様に命ぜられたこの道こそ、信永様のお望みであり、拙者の存在意義──「使命」なのでござる。
拙者は涙を押し殺し、信永様と乱丸殿に別れを告げもうした。
夜闇に溶け込むために裸身となった拙者が最後に見たのは、扇子を片手に炎の中で舞い歌う信永様のお姿でござった。
Fifty years of human world〜♪
It will be short like a vain dream〜♪
If compares to the heavens〜♪
Nothing can live once but doesn't decay〜♪
忘れもせぬ。
詞は分かれねど、音が美しく、されど悲しき響きの詩でござった。
塀を乗り越えた拙者は、兵が薄いところを探し、そこから包囲を抜け出したでござる。
隠密はそれほど得意ではござらんが、真っ暗な夜ということもあり、なんとかバレずに逃げ果せることが叶ったでござる。
好奇の目しか誘わなかった拙者の肌の色が、こうして役に立つ日が来るとは思わなかったでござる。
包囲を抜ける瞬間。
夜の帳の中、煌々と燃える炎に照らされた光英の姿が見えたでござる。
まるで幽鬼のようでござった。
顔は情愛と憎悪に歪み、目頭からは血の涙が流れ出ていたでござる。
「お館様……あの日、あの夜、この光英と共に衆道に落ちようと、あのように情熱的にお誘いくださったのに……!
それなのに、貴方様はあの夜以来、某を遠ざけて……!
付いてきてくれるか、と仰ってくださったのに……!
仰ってくださったのにぃぃぃ……!!」
神社の燃え爆ぜる音に混じって、光英のそんな呟きが聞こえた申した。
胸が張り裂けそうな、怨嗟の声だったでござる。
何があの者をそうまでさせるのか拙者には分からないでござるが、恐らく家臣の中で信永様をここまで激しく憎んでいるのは、あの者を除いて他に居なかったでござろう。
本能神社が焼け落ちてゆく光景を目に焼き付け、拙者はその場を後にしたでござる。
信永様から頂戴した、最後のご命令を果たすために。
その後は、なかなかに波乱でござった。
信永様を裏切った光英は、僅か11日後に翅柴殿に討たれたでござる。
それから10年ほどは戦乱が続き申したが、最終的には遠久川殿が天下を平定し、陽の本皇国を統一したのでござる。
拙者は本能神社の変の後、「毬」という者たちの隠れ里に匿ってもらっていたでござる。
彼らはアサシンの一族で、密かに教団を作っていたでござる。
なんでも、彼らの教団本部は北方大陸にあるらしく、「テンプラー騎士団」なる組織と「神々の知識」なるものを巡って熾烈な暗闘を繰り広げているそうでござる。
が、それはまた別の話でござるよ。
結局、陽の本皇国は信永様がその礎を築き、長き戦乱を経て、最後に遠久川殿によって天下泰平へと至ったでござる。
それを見届けた拙者は、陽の本皇国に来たときのように船に乗り、陽の本皇国を去り申した。
そして十年程前に、このアルフリーゼ王国に流れ着いたのでござる。
え?
一番肝心なところを省くな、とな?
それは仕方ないでござるよ、ミモリー。
信永様亡き後の陽の本皇国など、拙者にとっては米のない握り飯でござる。
使命として天下泰平になるまでは見届けたでござるが、実際は国などどうでなっても良いと考えていたでござる。
いちばん大切なのは、信永様のお名前と偉業が後世に残ること。それだけでござる。
陽の本皇国を離れた後も、「毬」たちが所属するアサシン教団と共に「テンプラー騎士団」の幹部を暗殺したり、終末を唱える神父が収める地でその神父と対抗していた遊撃隊に加勢したり、高度に監視化された魔法国家で仲間を募って国の監視に抗ったりと、色々なことをしてき申したが、信永様にお仕えした25年と比べれば塵芥も同然でござるよ。
うむ、エッカルトは良いことを言うでござるな。
この地で皆に出会わなければ、きっと拙者は今も逆刃刀を片手に流浪の旅を続けていたでござる。
皆に出会えて、拙者は本当に果報者でござるよ。
え、あ、ちょっ……別にいい話風に終わらせようとした訳ではないでござるよフルフレア!
陽の本皇国を離れた後の出来事のほうがよほど拙者の身の上話だろうと申されても、本当に大した話は無いのでござる!
本当でござる!
だから、その杖で拙者の角を叩き折ろうとするのは止めるでござるよぉぉぉ!
飲みの席で
「最近の信長はすげぇよな。女体化したり、犬に転生したり、ドリフトした異世界で色んな歴史上の偉人とバトルしたり、もう完全にフリー素材だよな」
「もう何でもアリじゃんね」
「信長もそうだけど、確か弥助も某フリックスでアニメ化されてたよね」
「最近だと、三浦按針をモデルにしたイギリスの小説がドラマ化されてたな」
という話になり、それならばと書いたのが今回の閑話です。
一応、ヤノスケのキャラを考えた当初から温めていたネタですし、後のストーリーとも関係する内容ではありますが、9割9分がお巫山戯です。
歴史好きの皆様、大変申し訳ありませんでした。(o_ _)o武士語がめちゃくちゃなのは見逃してちょ




