表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/24

第七話 一日の終わりに〜涼華の想い〜

 時刻は夜の九時。

 平穏な一日が終わっていく。


 六花はベッドの中で読書をし、鈴はスマホでゲーム実況動画を見てゲラゲラと笑い、理沙はもう夢の中だった。


 涼華は――――。


「鈴……可愛い……」


 スマホで撮った鈴の写真を眺めながらニヤニヤしていた。

 本人を目の前にするとついキツく当たってしまうが、涼華は鈴のことが好きだった。


 きっかけは、学校で孤立していた自分に声をかけてくれたことから。


 涼華は鈴のおかげで六花や理沙という友達ができたし、そのことについて感謝を忘れた日はない。鈴のことを毎日想っているうちに、その感情は恋へと変質していった。


 それと同時に、この感情が異質であることも理解はしていたため誰にもその気持ちは打ち明けられずに、こうして夜中に一人で鈴への想いを募らせることが日課となっていたのだった。


 それはやがて妄想へと至る。


「り、鈴……ダメよ、わたしたち女の子同士なんだから……」


 涼華は鈴に迫られる妄想に浸る。


 浸り続けること三十分――――。


「ふぅ……」


 ひとしきり妄想を終えて満足するが、間も無くして何とも言えない虚無感と罪悪感に苛まれる。


(わたしがこんな子だって知ったら……鈴はわたしのこと嫌いになるわよね……)


 だから、この想いはずっと秘めたままでいなくてはならない。

 何年後か、もしもいつか鈴に彼氏ができたとしたら、冷やかしてやるのだ。そして陰で泣けばいい。


 ――――友達としてでも、ずっと一緒にいられるように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] え、つら…いつか友人関係を壊してでも鈴を独り占めにしたくなったりするのかな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ