表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

朝になれ、今すぐに

作者: 葵陽

※この作品はフィクションであり、専門用語は創作です。信じないで!


「恭子はお見合い結婚したそうです。」「さて、一番年上は何歳でしょう。」「ブーケトスもそんな感じ。」「いっしょに食事をするだけの簡単なお仕事です。」「マグロ係」「七つまでは神のうち」「店長、シフト変更してください。」「たぬきとどくだみ」「むじなとあしたば」「不思議な道具なんかより、あのあおいねこちゃんがほしいと思ったことはないか。」「職業:家政婦」「人見知りだっていいじゃない」「メンズPコート/税込13,200円」「男はどこへ消えたのか」「初乃は夢を見ない」「権助、与平、兵吾」「古井戸の底には何があり」「ギギ」の続きです。


お読みいただければ、幸いと存じます。

考え方は人それぞれだと、いうことを理解した上で言うのだが。


神とは、人智を超えた存在であるがその「神」という存在を造り出したのは、人間だ。


人間が信じている限り、神は存在出来得るし

人間が誰一人、信じなくなった時点で神は存在を否定される。


人間による信仰が、神を生かしている。

それなのに神は人間の上に立っている、それを「俺は」謎に思っている。







夢の中のコーヒーには、味がない。匂いも味も、何もない。

あたたかい「何か」を、口に含んでいる感覚だ。

喉を通る温かい何かは、本当に胃の府へ入ったのだろうか。


初乃の目の前にいる男は、とても美味しそうにカップの中身を飲んでいた。

それが少し、羨ましい。



「いま、午前二時くらいだ。」

ふいに男がそう言った、何かを指差しながら。

初乃が、指差した方を見ると大きな時計台が見える。針は二時を指していた。


「今回はゆっくり話が出来そうだな、おまえが小便で起きない限りは。」

妙齢の婦人(レディ)に向かって失礼な物言いだ。

だが今回も、初乃の声は出なかった。


ささやかな抵抗のつもりで、初乃は不服そうな顔をしてみる。



「不服そうだな。」

まあ、割と。


「ただ、声を出せないのは俺のせいじゃあない。

おまえが元来、寝言を言わない性質だからだ。」

初乃はただ黙って、それを聞く。



「で、お前は曲がりなりにも(かんなぎ)一族の長子だ。「この空間」が巫の、神託の場ではないかと疑っているのではないのか。」


それはそうだが、転生し今まで生きてきた中で巫の力が目覚めたことはなかった。目覚めなかった、というより元からそんなものはないのだと言いたい。

初乃として生まれてから、過度の期待を背負っていたのは理解していた。だが私は、その期待に応えられなかったのだ。

いつまで経っても神の声を聞くことができない、神託がない。私は「父」と違って折檻されることはなかったけれど、師匠(せんせい)の呆れたような溜息を浴びせられることになった。




「俺を神と呼び、崇める輩は多い。」

ほう、やはり。


「だが俺自身が、神である証拠はない。」

あ?


「そもそもの話になるが、神とは如何様にして自分を神と定義している。石をパンに変えるのが神か、水をワインに変えるのが神か。予言をするのが神か、神託により人間を救うのが神なのか。」


そんなことを言われても、分からない。


「神は、祟るのが基本だと言う奴もいるが。」



神のくせに難しいこと考えてんじゃねえよ。



定期更新、26作目です


お読みいただければ、幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ