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3.痛みと変身
――手首を、切る?
「い、嫌だ!」
「なんで?」
「だって痛いじゃん、しかも手首なんて……」
まるでリストカット。
「でもやらないと変身できないよ?」
曖昧な笑顔を浮かべるバニー。
やらないと事が進まない……バニーの表情を見て察した。
「とにかくやるしかない、か……」
私は意を決してカッターの刃を打ち手首にあて、
「う……っ」
切った。表面的なピリピリとした痛みが脳を襲う。
傷口からうっすら血が滲んできたが、これも魔法少女に変身するため……!
……これでいいのか不安になってバニーを見ると、ニッコリ笑って小さくガッツポーズをしたばにバニーと目が合った。
次の瞬間。
「変身!」
意思とは関係なく口が動き、私は眩しい光に包まれた。