1話 「先生、頭が痛いので保健室に行ってきます。」
お初にお目にかかります、YUKIです。
評価なんて気にしない!ことはありませんが、初の小説ですし年齢を言い訳にするわけではありませんが、まだ幼い少女(笑)ですので、あまり期待はしておりません。
どうか、暖かい目で見ていただけると嬉しいです。
恵まれない
少女は、物心ついたときからそう感じていた。
母親は、少女を出産してすぐ他界した。
その影響か、元々心臓が弱かった父親は大きな病気が再発し、母親の後を追うように逝ってしまった。
それから少女は、祖父母の家で暮らしたが、もう年老いた祖父母にできることは少なく、入園式も卒園式も入学式だって少女一人だった。
入学式が終わった後に、まだ緊張状態の幼児がママとパパに「入学おめでとう!」と言われ、やっと緊張が溶けたような、安心しきった笑顔が何処か眩しく、少女は、私には真似できないな、と深く被っていた黄色帽子をもっと深く被った。
卒園式の極度の緊張による放尿。小学生一年生からのあだ名「おしっ子ちゃん」。小学生三年生から今に至るまでの長い虐め。
虐めはまだいいが、「おしっ子ちゃん」はやめてほしい。まんまだし、自重しろ。人前でそのあだ名を呼ぶな。
そう思っていた。
「おしっ子ちゃーん!このプリントどこにやるのー?あと、ワーク見せてよー」
叫ぶなアホが!そのプリントは提出するんだよ!小一でもわかるわ!ワークは見せん!自分でやれぇ!
なんて私が言えるわけもなく。渋々、本当に渋々、「プリントは提出。ワーク、返してね」と優しく教え、ワークを手渡すおしっ子ちゃん。あ、「おしっ子ちゃん」公認だ!とか思うなよ。違うから!言いやすいだけだから!
「うぅ…っ」
馬鹿な事考えてたから、頭痛くなって来たよ…
私は、のそっと手をあげた。
「先生、頭が痛いので保健室に行ってきます。」
「いいですよ。安静にしていてくださいね。」
やったー!これで、保健室パラダイスだ!
と喜んでいる暇もなく、襲いかかる頭痛に耐えながら席を立ち、教室を出て保健室に向かった。
教室では、「おしっ子ちゃんが、頭痛でおしっこ!」とか、聞こえるけどちげぇから。もう我慢できるから。
私は、危なっかしい足取りでようやく保健室に着き、ベットまで向かってそのままダイブした。
因みに、うちのハイテク学校はエレベーターがあるので保健室にはすぐに着くのだ!
「え!阪口さん?大丈夫ですか!?どうしたの!?」
表情がコロコロ変わって、可愛いと人気の橋本先生。私のことより、職員内での虐めについて考えてはどうでしょうか。
「頭痛です」
歯を食いしばって応える私。
やめて!おしっ子ちゃんのHPは、もう0よ!
「わかった!お家の方呼びますか?」
まだ私に、喋らせるか悪魔め!
「大丈夫で…っ」
痛い。痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!ギブギブ!やめてぇ!
《対象者を確認しました。個体名:ディアバルからの収穫祭です。
痛感無効の獲得…成功しました。》
痛過ぎて幻聴が聞こえるレベル。あ、あれ?痛くなくった。もしかして、天からのお迎えが来た?早いなぁ…
あ、そういえばパソコン修理に出してた!パソ子!私のパソ子!死ぬ前に一度、あの秘蔵写真を消しとかないと!
《ユニークスキルの作成を行います。惑星:地球のパソコンの擬似スキルの作成…成功しました。
『鑑定』『解析』『検索』『処理』『詠唱無効』のスキルを導入しました。》
あぁ、意識が薄れてく……さよなら、皆…と言っても祖父母のみだけど…知り合いの少なさに涙が……
そんなことを考えているうちに意識は薄れていき---
《残りの魔力分を対象者に与え現在年齢に成長させます…成功しました。
これで収穫祭を終わります》
この後書きには、作者の今日あった出来事を載せようと思います。
恐らく、誰も興味はないと思いますが!