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魔女の愛弟子  作者: 井川林檎
第五部 いばら姫
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いばら姫 2

悪天候の村に降り立つペルとゴルデン。

いばらに覆われた城がそびえており、そこを目指す二人。

雷鳴が鳴り響く中、いばらに閉ざされた城門が立ちふさがる。

その5 いばら姫 2



 重苦しく垂れ込めた雲は濃さを増してゆき、やがて我々の頭上は暗黒に覆われる。

 遠くの方で雷鳴が聞かれていた。稲光が時折走り、薄暗くなった村が瞬間的に黄色く照らされる。

 荒れ果てた畑の向こうで草を食んでいた牛や山羊は帰り支度を始めており、遠く離れたここからでも、家畜たちを慌ただしくせかす牛飼いたちの焦りが見て取れた。湿気が増してきたせいか、家畜の糞のにおいがますます立ち込めてきたようだ――。


 ゴルデンは舌打ちして空を見上げている。

 わたしは外套の中で木のワンズを握りしめていた。「依頼」の思念が、ヒステリックに鳴り響いているのである。

 ゴルデンからもらった守りの魔法のおかげで身体に影響は出なかったが、覆われているバリアの向こう側で激しく何かを叩きつけている音と衝動が感じ取れた。

 

 ドンドンドン、ドン……。

 (カラカラカラカラ……)

 村に降り立ってから今に至るまで、騒音の中に、車輪を軽やかに回すような音も混じり始めていた。

 その音が酷く耳障りである。


 (カラカラカラカラ……カラカラカラカラ……)


 「カラカラうるさいな」

 

 ずばりとゴルデンが言い放った。背後から放たれたその言葉に、わたしは思わず振り返る。

 苦虫をかみつぶしたような顔で、ゴルデンは言った。


 「もちろん聞こえている。何を驚いているんだ」

 これは、糸車の音だ。ゴルデンは心底煩そうに頭を振った。

 軽快なくせに、ねちっこくこびりつくような糸車の音は、やはりこれも魔法のしるしなのだろう。普通の糸車ならば、これほど不快感はない。

 ドンドンと壁を叩く音と混じり、神経を逆撫でする様な調子があった。


 「この村は、以前は綿糸で潤っていた」

 荒れ果てた畑を横目で見ながらゴルデンは言った。

 わたしは頷いた。もう、手を入れられなくなって久しい畑からは、ものかなしさが漂っている。

 見捨てられた作物たち、耕されなくなった畑――。

 この村は、かつては非常に豊かな場所だったはずだ。それは、目の前にそびえるいばらの城が、驚くほど大きく、朽ち果てながらも荘厳な様子であることから分かる。あの無人駅にしても、もとは有人の駅であり、造りはしっかりして、かつては賑わっていた痕跡が見られた。

 駅は、その土地を饒舌に物語るものだ。

 壁に貼られたままで、こびりついてしまっている、非常に古い劇団のポスターや、売店の跡。日焼けしてみずぼらしくなってはいるが、待ち合いに置かれたベンチの、こじゃれた感じとか――もとはこの村も、人の往来がにぎやかで栄えていたことが分かるのだった。

 

 「……だが、ある時を境に、村の命綱であった製糸をぱったり中止してしまった」

 

 雷鳴がけだるく響いている。

 我々が向かう、いばらの城の上で稲光が走った。まるで、何者かが怒り狂っているかのように、城の上だけ、雲が特に濃い。

 

 (おかしい)

 わたしはその城に集中する。魔法の目を精一杯開いて、耳を澄まして。魔法の感覚を全開にして、閉ざされた城を探る――。


 (カラカラカラカラ……)

 ドンドン、ドン……ドン。

 「出して。ここから出して、出して……」


 わたしの目の前に、映像が浮き上がってくる。

 重々しい雰囲気に満ちた、石造りの階段。

 城の中であろう。窓が小さく、光があまり入らない構造のために常に薄暗い。

 (塔、か)

 城に塔が作られてあり、その中の映像が、わたしの前に思わせぶりに立ち上がっていた。


 いばらの城は深緑のいばらに包まれ、こんもりとそびえている。

 その立派な建物の中で、ひときわ高く空に突き立つ部分があった。円筒形のそれはびっしりといばらに覆われており、ここから見ただけでは、何なのか分からない。

 だが、わたしは確信する。

 それが、塔だ。

 「依頼主」は、その塔と深く関係している――。


 (だが、この映像は、『依頼主』が飛ばしているものではない……)

 おかしい。どうも、分からない。

 魔法が色濃く関係していることは、分かる。

 だが、「依頼主」は、魔法使いではない。

 魔法使いの側が、まるでわたしを導くかのように、映像や糸車の音を届けているのである。


 (この魔法は、闇の魔法ではないが、危うい。ぎりぎりだ)

 先を急ぐ我々の上に、雨が落ち始めた。

 ぽつぽつと零れる大粒の雨は、まもなく激しい土砂降りとなる。

 しかし雷は不思議なことに、それほど移動していなかった。件の城の上に御神輿を据え、そこだけに稲光を当てているような感がある。

 城の上に暗雲は濃く渦を巻いていた。

 

 フードを深くかぶって、わたしは前に進む。

 石ころ道は、いつのまにか、舗装の跡がある古道に移った。道の両脇には低い石垣が作られており、そこには蔓性の植物が絡みついている。昔は荷物を積んだ荷馬車が勢いよく走っていたのだろうその道は、今では舗装の割れ目から雑草が茂っている有様である。

 やはりこの村は、大昔は栄えていたのだろう。

 舗装された道は城へと続いている。


 「ゴルデン、封印を解いてほしい」

 雨がフードを伝い、前髪を濡らした。そこから落ちる滴で視界を邪魔されながら、わたしは歩き続ける。

 「……ゴルデン?」

 返事がなかった。振り向くと、さっきまでついてきていたはずのゴルデンがいない。

 わたしは激しく降り続ける雨を眺めた。

 紫水晶の気配は、確かにある。


 「ゴルデン、いるのだろう」


 雨を嫌う彼のことだ。例によって、わたしの外套の裏地に猫の刺繍姿になり身を隠しているのだと思った。

 案の定、彼の声がどこからか聞かれる。


 「……封印は、解かない」


 なんだって、とわたしは聞き返した。

 「これほど得体のしれない魔法が絡んでいるのだ。封印を解いてほしい」

 重ねて言うと、むっとしたゴルデンの声が返ってくる。

 「……だめだ」

 諦めるほか、ない。ちっとも勢いを落とさない雨の中を、それ以上喋ることなく、わたしは歩く。


 「……ほう」

 また、ゴルデンがものを喋った。

 「素直になったものだ。俺が今、どうして封印を解かないのか疑問を覚えないほど従順になったと見える」

 どうしてだ、と即座に問い返すと、一瞬の間の後、爆笑をこらえるような忍び笑いが届いた。耳の奥でくつくつと鳴る笑い方に、わたしはムラムラと怒りを覚える。

 

 「必要がないからだ、愛弟子よ」


 それきりゴルデンは言葉を閉ざした。

 聞き返したことを後悔しながら、わたしは再び沈黙に戻る。

 激しい雨音の中で、件の糸車の音がしつこく耳にこびりついている。

 城が近づくにつれ、古道には緑色の蔓が這い始め、やがて大きな城門に差し掛かると、猛威を振るういばらが姿を露にした。


 (これは)


 立ち止まり、いばらにくまなく巻き付かれた石の城門を見上げて、わたしは少し考え込む。

 いばらは城門に巻き付き、垂れ下がり、棘のカーテン様となり、わたしの前を完全にふさいでいた。いばらの棘は太く頑丈で、しかも非常に鋭い鍵状になっている。

 一本や二本の蔓ならばかいくぐってゆけそうだが、ここまで密集していると、植物とはいえ難攻不落の城壁である。どうあっても、人間が入って行ける場所ではなかった。

 しかも、このいばらは普通のものではあるまい。

 強い意思に貫かれた魔法によって、強度を増している。このいばらは、魔法のいばらだ。生半可な魔法で切り裂こうものなら、たちまち倍になって跳ね返ってくるだろう。


 ……ドンドン、ドン。

 ドンドンドン……ドンドン。


 その、いばらのカーテンの奥で、「依頼者」が悲鳴を上げている。出してくれと叫び続けている――。


 (攻撃性の魔法では……ない)


 非常に頑固な気配はあるが、この魔法からは、すすんで他者を傷めようとする意思が感じられなかった。

 ただ、絶対にここを通さない、という頑強な意思が働いている。

 わたしは木のワンズを取り出し、黒曜石の先端で、そっといばらに触れてみる。……いばらは静かに雨に打たれており、触れたからといって反撃をしてくる様子はなかった。

 

 守り、か。


 ふっとわたしは気づいた。このいばらは、何かを守っている。何重にも巻き付き、垂れ下がり、太く尖った棘により、この上なく大切な何かを守っている。

 (だが、何から守っている?そして……何を)


 バリバリ、と雷鳴が激しくとどろいた。カッと稲光が走り、一瞬、あたりは白い程明るく照らされる。雷の真下に差し掛かっているらしい。

 (この雷も、魔法のたまものか)

 ワンズを握りしめ、わたしは空を見上げる。一匹の金の竜のような稲光が現われては消え、消えては現われ――空は灰色と澱んだ紫に彩られ、酷く不吉な様相を示している。

 

 「おまえは――なにものだ」

 ワンズを胸に置き、わたしはいばらの城門を見上げて言った。

 わたしの相手は「依頼主」ではない。「依頼主」を包み隠し、奇妙な魔法により、わたしに映像や糸車の音を聞かせて導いた人物に、わたしは話しかけなくてはならぬ。

 「わたしは西の大魔女の代理、魔女の愛弟子。『依頼主』の依頼の契約成立は、おまえも願っていることなのだろう?」

 ……だから、映像を送った。糸車の音を響かせた。雷鳴をとどろかせ、ここにいると合図を送った――。


 ぽたぽたとフードから雨粒が落ちる。

 わたしは待った。……無言で。

 雨が降る音、雷鳴、いばらに雨が当たってはじかれる音。


 ふいにまた、映像が湧き上がる。

 


 (こつん、こつん、こつん……)


 木の扉の向こう側で。


 (こつん、こつん、こつん……)


 長い、長い石の階段をのぼってくる足音がする。

 ここは石の部屋。塔の上。

 ここに閉じ込められてどれくらい経つ?

 ……誰にも会ってはならないと言われた。父上と母上、それと側仕えだけが出入りを許されているこの部屋を、今、誰かが訪れようとしている。


 おかしい。何かが変だ。

 激しい違和感を覚え、わたしは自分の体を確認する。手足。それと服装。……髪の色。

 「ちがう」

 ……ちがう、これはわたしの体ではない。

 

 わたしは、誰の体に入り込んでしまっているのだ?

 この体、きゃしゃで透き通るような皮膚を持つ、茶がかかった金髪の――。


 (こつん、こつん……ギイイイイイ)


 扉が、軋みながらゆっくりと開く。廊下の寒々とした暗闇が覗く。……ここは塔の最上階(そうだ、ここは塔なのだ……)、誰も訪れることはない、訪れてはならない場所(……生まれてからずっと、幽閉されている……)。

 

 なのに今、誰かがわたしを訪ねようとしている。


 ……。


 

 がくんと体が倒れかけて、わたしは危うく立ちなおした。

 今しがた見せられた幻想は、恐らく、いばらの魔法使いからのものだ。何らかの魔法の力が作用し、わたしは「依頼主」の体に入り込んでいたのだろう。

 そうしなくては、わたしに事情を説明できない、というわけだろうか。

 (『依頼主』の意識がないということか)

 わたしは息を切らしながら、激しい雨を受けながら額を拭う。雨粒と一緒にぬるい汗が飛び散った。

 (この魔法使いは……『依頼主』を庇護している)

 


 魔法の思念は、封印された身には、やはり強烈だ。途切れかけた意識を持ち直し、呼吸を整え、わたしは再びいばらに向かう。


 「映像ではなく、言葉で答えよ。おまえはなにものか。『依頼』の成立を願うのであれば、いばらの結界をほどき、わたしを通すがいい」


 

 バリバリ、と稲妻が走り、ドオン、と凄まじい音と振動が起きた。あたりは白銀の光に包まれ、一瞬わたしは自分が光りと同化し消え去るのではと危ぶんだ。

 守りの魔法が引き起こしている雷雲は、城の真上で渦を巻いている。

 巨大な雷は、城や、城を覆い隠すいばらに落ちかかったと思われたが、目の奥から残光が消えてみると、何も焼けてはおらず、相変わらずの土砂降りと、意固地ないばらのカーテンが目の前にふさがっているのだった。

 

 「わたしに脅しは必要がないだろう。それとも、別の何者かが城に侵入しようとでもしているのか」


 わたしが問いかけると、しばしの沈黙の後、ざわざわといばらが動き始める。

 目の前の一部の蔓だけが異変を起こしており、その他の部分は何ら変わらない。

 わたしはワンズを構え、その変化を見守った。……いばらが絡み合い、やがて不自然に膨らみ始め、パンパンに緑の酸っぱい液がつまったような、風船上の水ぶくれが弦に膨れ上がる。針で突き刺すと破裂して中身が飛び散りそうだ。

 その不気味な緑の水風船に、にゅっと人間の顔が浮き出した。

 

 「魔女の愛弟子にしては、力がない」


 顔は口をぱくぱくと動かして、妙にぐにゃぐにゃした声でそう言った。

 わたしは答えた。


 「力を封印されているのでな。だが、それでも貴様を暴くこと位はできる」

 それが分からぬほどの、程度の低い貴様ではなさそうだ、とわたしが続けると、顔は閉じていた緑のまぶたを開いた。「ぺろん」という擬音がいかにも似合いそうな様子で剥きだされた、まつげのない瞳は、やはり濃い緑である。


 「……なるほど、御見それした」

 

 しばらくわたしを探ってから、顔はそう言った。

 「確かに、あなたは魔女の愛弟子らしい。ちょっと違和感があるが――」

 と、戸惑ったように顔は不気味なまなこを動かし、わたしをくまなく眺めていたが、やがて意を決したように言った。


 「それでは、お通りいただこう。魔女の愛弟子よ」


 ……。


 唐突に、空が晴れてくる。

 稲光が舞っていた暗雲は、ほうきで吐き散らされるように四方へ飛んで行き、かわりに穏やかな青空が見え始める。……ただし、城の上だけだ。

 わたしの立っているところも、土砂降りが小雨になり、やがてすっかり雨はあがり、いばらの棘からは美しく輝く水滴が零れ落ちた。

 わたしは振り向いて今しがたきた道を眺める。

 離れたところ、農村地帯のあたりは、相変わらず不安定な空模様のようだ。灰色の分厚い雲が村の上空をうねっている。

 

 「この村では、晴天が続くことなど滅多にない」

 と、顔が言った。

 「ある時を境に、日常的に悪天候が訪れる地となった。ここでは、田畑は実らない。いつでも凶暴な雨風が、実りを奪い去ってゆくからだ」

 

 わたしは目の前の顔を眺める。

 正確にいうと、顔の向こう側にある、「本体」を見透かしている。


 濃い緑のいでたちをした、頑強な人物が見える。男性だ。

 この人物は間違いなく魔女であり、それなりに強力な力を持っている。

 砂金水晶――深い緑の、強い祈りの力を持つ石だ――が、授けられている。この男は砂金水晶の魔女だ。


 わたしは更に、目を凝らす。

 砂金水晶は、わたしに「読み取り」をされていることに気づいたが、特に抵抗することなく目を閉じてうなだれた。

 

 この魔女には、闇の魔法は感じられない。

 ……そもそも、このいばらの森にも闇の力は一切感じないのだ。異様で不気味な様子を呈してはいるが、これは等価交換の法則に乗っ取った魔法である。


 問題は、なぜ「依頼主」の意識がないのか。そして、その「依頼主」を守るために、このような演出をしなくてはならなったのか、であるが――。

 

 「呪い、か」


 わたしが呟くと、目の前のグロテスクな緑の顔はくしゃっと表情をゆがめ、唐突にぱちゃんと割れた。

 深緑の不透明な液体がペンキのように散らばる。

 酸っぱいにおいが立ち込めた。わたしは鼻をふさぐ。……腐臭、である。


 ざわざわ……。

 ざわざわざわ……。


 いばらの蔓が、急激に動き始めた。生き物のようにのたうち回り、くねりながら、左右に分かれてゆく。

 びっしりと目の前をふさいでいたいばらのカーテンは、両脇に分けられた。

 今、わたしの目の前には、日を通さないために濃い緑がかった闇をこもらせた、いばらのトンネルができている。

 

 ここを通って、城に行けということらしい。


 「魔女の愛弟子よ、姫は眠りの中にいる」

 どこからか、低い声が聞かれた。

 あの奇妙な緑の顔から発せられていた、不気味な声ではない。静かな、力強い、温かみのある声である。

 これが本当の、砂金水晶の声なのであろう。


 「それが私との契約だった。だから、愛弟子よ。どうか――」


 わたしは濡れたフードを外し、雨が当たって滴を垂らしている前髪を振った。

 滴が顔に落ち、ワンズを持っていない側の手でぬぐい取る。……日が差してきたおかげで、雨上がりの青臭い香りがそこからじゅうから漂っていた。


 砂金水晶は、哀願するように言うのだった。

 「どうか、私を倒してほしい。まずはわたしと姫との契約を無効にしなければ、姫は眠りから覚めぬ」



 ドンドン、ドン。

 ドン……。

 (出して、ここから……出して、出して)



 「依頼」は、「依頼主」を魔法の眠りから救い出すこと。

 そして、そのためには、砂金水晶を滅ぼさねばならぬ――。


 「姫の代理として、『依頼主』となろう。それで、契約成立の宣言をしてほしい」

 

 わたしは目を閉じた。

 そして、その希望に沿えると判断した。砂金水晶は、「依頼主」の代理たる資格を持っている――。


 「良いだろう、貴様はどこにいるのだ」

 「私は、城の中。塔の中にいる。愛弟子よ、わたしは長い間、姫を守り続けていたのだ」


 長い――気が遠くなる程長い年月を、一人で。

 いばらが生い茂り、すっかり城を覆い尽くしても、動くことなく、ずっと。


 カラカラカラカラ。

 ……カラカラカラカラ。


 糸車の音が、また聞こえ出した。

 先ほどまでのしつこさは感じない。魔法の音は、さらさらと耳の前を流れてゆく。

 「城に着くまでの間に、語ってさしあげよう」

 なぜ、このようなことになったのか、を――。

砂金水晶=アベンチュリン


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