表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

連絡。




俺たちが紗希さんの家に行った日から、二日がたった。

しかし今だに連絡はきていない。


まさか忘れたんじゃ。


まぁ流石にそんなわけないと思いつつも、少し考えてしまう。


「まことー、連絡ってまだ?」


俺のベットの上でマンガを読んでいるアリサが、もう何回聞いたかわからない言葉を言ってきた。


「まだ」


とりあえず返事はするが、会話の内容は薄いものだ。


「そっかー」


何回も同じやりとりをしたから、二人ともいい加減になっている。


まぁすぐに来るもんだと思ってたからな。仕方ない。


魔力が回復したら連絡が来ることになっているが、その連絡もないのでまだ回復してないのだろう。

人一人を生き返らせたようなものだ、すごい量の魔力を使ったんだろう。

実際傷一つなかったからな。


そんなことを考えていると、近くに置いてあった俺の携帯が鳴り出した。

その鳴り方からして電話だな。


「もしもし」


登録してない番号だったので、少し警戒気味に電話にでると、携帯からはつい先日聞いたことのある声がしてきた。


壊れた携帯を持って行った店からで、電話をしてきたのは、その時に受付で俺に対応してくれていた女の人だった。


どうやら修理が終わったらしい。

とりあえず、他にやることがなかったので、外に出る準備をしてから、その店に向うことにした。


アリサが、少しワクワクした顔でこっちを見ていたが、紗希さんからじゃないと言うと、残念そうな顔をした。


「どこか行くの?」


俺が準備をしていると、アリサが再び話しかけてきた。


「携帯取りに行ってくる。…アリサもくるか?」


とりあえずそう答えると、暇そうだったアリサも誘ってみた。


アリサは少し考えてから、こくっとうなずくと


「いく!人間界もいろいろみてみたいし」


笑顔でそういうと、準備を終えた俺の後についてきた。


いい笑顔だ。



家から出る時、母さんに携帯とってくると言うと、スーパーで醤油を買ってきて欲しいと頼まれた。

断る理由がなかったので、とりあえず醤油の代金をもらうと、店へと向かった。

何わともあれ、まずは携帯だ。



店へと向かっている最中は、アリサがいろいろいろ質問してきたので、暇にはならなかった。

どうやら仕事以外で人間界にいるのは始めてらしいので、いろいろと驚きがあったようだ。

漫画とかもすっかり気にいってるからな。


なぜか俺も、少し嬉しかった。



そうこうしているうちに、目的の店に着いた。受付に行くと、さっき電話でも話した人が声をかけてくれた後、元の携帯を持ってきてくれた。

その間も、俺の後ろでアリサがいろいろ驚いている。

それに答えていたら、俺が不審に思われるので無視していたが、少し可愛いなとは、思った。



俺が店から預かっていた携帯を渡すと、いろいろした後で、元の携帯が戻ってきた。やっと返ってきたと思いながら、携帯に電源を入れる。

聞いた話によると、画面がつかなくなっただけで、データは飛んでいなかったらしい。

本当に良かった。


一応メールとかを確認してみると、


「嘘だろ…」


なんと、部長からのメールが数件と電話が数件きていた。

そうだ、事故やアリサのことがあったから忘れていたけど、あの日って俺、部活に行ってたんだ。

てか、一回アリサに話したのに、なんで部長に連絡し忘れてたんだよ。


今更激しく後悔した。


次あった時、部長に何を言われるか怖いが、何もしないともっと怖いのでとりあえず、あの日事故にあったことや、そのせいで携帯が壊れて連絡が取れなかったことなどを打つと、メールで送信した。


頼むから許してくれよ。


俺はそんなことを思いながら送信した。



その後、アリサに付き合って、その店をいろいろ見て回った。不審に思われないように気をつけて喋っていたので少し疲れてしまったが、結構楽しかった。


ある程度見て回った後、次は母さんに頼まれた醤油を買うために近くのスーパーに寄った。

頼まれた醤油を見ると、貰ったお金よりずいぶん安い。どうやら、小遣いとして多くくれたみたいだ。


ありがと。


心の中で母さんに感謝すると、スーパーのお菓子売り場に行って、適当にお菓子を買った。


「アリサも、なんか欲しいのあるなら買うぞ?」


「いいの!?じゃあ…これ!」


俺の後ろで、キョロキョロ周りを見ていたアリサにそう言うと、一つのお菓子をつかんで俺に渡してきた。


アリサの分も買ったら、結局貰ったお金は残らなかった。


これって、使っていいんだよね、母さん。


そう思いながらレジで買ったものを受け取ると、袋につめて家に帰った。



「ただいまー」


「おかえりなさい、お醤油買ってきてくれた?」


俺が言ったあとで靴を脱いでいると、わざわざキッチンの方から母さんが来てくれた。

俺は近くに置いてあった袋から醤油を取り出すと、それを渡した。


「ありがと、ご苦労様」


にっこりと笑ながら母さんはそう言うと、再びキッチンに戻っていった。

おつりのことは何も言われなかったので、とりあえず使っていいお金だったのだろう。良かった。


「そういえば、慎に女の人から連絡が来てたわよ。たぶん、慎とぶつかった人」


母さんがキッチンへ向かう途中で、頭だけ動かしてから俺にそう言って来た。


どうやら、ついに回復したようだ。



















バイトが忙しくて投稿が遅くなりました。

見てくれた人ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ