第九話 絶体絶命の危機
妖は二種類存在する――そのことを花子から聞いた朱音は、恐ろしい事実を知る。『呪い』――この手の種類の妖はときに人間に悪事を働くのだという。要するに――??
* * *
「って! 言ったそばから!!」
「えっ? どうしたの、花子さん?!」
話をしていた朱音と花子。突如、花子が動揺した表情を浮かべる。それもそのはず――、花子はなにやら予感していたのだ。そう――事件の香りってやつを、だ。
「私の妖センサーが反応しているっ! 近くに、『やつら』の仲間がいるぞっ!!」
「えっ?! 『やつら』って?! まさか…」
「いや、まさかだよ…」
「えっ?! えぇ――?!?!」
ツッコミどころは満載だが、この突然の展開に読者様たちも受け入れよう(笑)。大丈夫。簡潔に今起きた出来事をきっと、彼女――花子が説明してくれるはずだ。
「『やつら』がいるっ! 『呪い』がっ!! 迫っているっ!!!」
「ガチで?! ヤバすぎるでしょ!!!」
マジか――?! いや、マジだ(笑)。『呪い』――さっき説明した人間に悪事を働くという例のヤバい存在が、早くもすぐそばに接近しているのだと、花子は言う。無論、ただの人間である朱音はかなり動揺した様子だ。胸に手を当て、ビクビクしている。
対して、冷静に、そして勇敢に花子はこの状況を整理した。
「『呪い』はトイレに迫っている! 恐らく、狙いは『私たち』、だな」
「って?! なんでよ?! まさか…花子さん! 貴方を狙っているってコト?!」
「いや…分からない! でも、私たちのとこへ接近しているってのは確かだ!」
「いやそれ…完全に狙われてるってコトじゃん!!」
ますます動揺する朱音。無理もない。なにせ、彼女にとって、妖はおろか、『呪い』などと出くわすのは今回が初めてだ。それに『呪い』ってやつは人間を襲うのだぞ?! なんと恐ろしいことかっ!!
と、思いきや――天才・朱音ちゃんの脳裏に考えが浮かぶ。朱音と花子――二人は依然としてトイレの個室に籠っている。もしかして、このままなら――??
「個室だから助かる…??」
「いやっ。ヤツらはきっと扉をこじ開けるはずだっ!!」
「ガチかよ!! それマジで逃げれないじゃんっ!!」
って、ガーン!! といった感じだ。だが、無理もない。朱音の考えは『呪い』からしてみれば浅はかなものだったのかもしれない。なにせ、やつらの常識を人間のそれに置き換えることはできない。トイレの扉など、やつらにとって筒抜けのようなものなのだ!!
って、これはかなりマズいのでは?! 『呪い』が接近し、朱音はピンチ!! そして、やつらから隠れててもバレるし無駄。絶体絶命の中、朱音はついに弱音を漏らす。
「私…『呪い』にやられちゃうの?!」
「いや、大丈夫。私に『策』がある」
って、花子?! なんかカッコいいこと言ってるけど、本当に大丈夫?!?!




