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異世界での俺の物語  作者: モンモン
第1章 異世界召喚編
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第7話 修行

「さて、早速修行を始めるとしようかの。」

「あ、その前にちょっといい?」

「ん? どうしたんじゃ?」

「俺のユニークスキルが進化したって言っただろ? 

それで、人が入れる空間を作れるようになったみたいなんだよ。ここでやるよりそっちの方が良くない?」

「おお! それは便利じゃな。

なら、そこでまずはステータスの確認をしていこうかの。」



そうして、天夜とギルバードは"異次元"で作り出した空間に入っていった。

中に入ると、そこには何もない真っ白な空間が広がっていた。



「…おぉ、少し眩しいのう。」

「こんな感じになってるのか。時間とか色々いじれるみたい。」

「これまたすごい能力じゃ。だがな、テンヤ。

1つ、気を付けねばならんことがある。」

「気を付けること?」

「うむ。よいか、強力なスキルや技には必ずメリットとデメリットがある。

ユニークスキルは確かに強力じゃが、万能ではない。技を使ったらその身を滅ぼすようなものもあるんじゃ。

今やろうとしていることも、更にいじるとなると何かあるのではないか?」

「…本当だ。細かく設定した分だけ、このスキルがしばらく使えなくなるみたい。」

「やはりのう、先程も言ったがユニークスキルは万能ではない。この先、スキルが通じない場面も必ずある。

その時頼りになるのは、己の肉体じゃ。だからまず、肉体そして精神を鍛える。」

「精神? それってどうするんだ?」

「これといった正確な鍛え方はないのう。

ある出来事で急に変わることもあるし、段々と鍛えられていくこともある。

お主ら異世界人は戦いとは無縁の世界からやってきたのじゃろ? まずは、そういったことに慣れることも大事じゃ。…後は殺すこともじゃ。」


その時、俺はダンジョンで起きたことを思い出す。



「どうしたんじゃ?」

「俺、ここに来る前にゴブリンと戦ったんだよ。

他の人は、怖くて動けない人が大半だったのに、俺はそういうのはあまりなかったんだ。」

「ふむ…そうか、それも含めて鍛えていくとするかのう。厳しくいくから覚悟するんじゃぞ。」

「おう!」





こうして、天夜とギルバードの修行が始まった。





"異次元"の空間は話し合った結果、時間だけいじることにした。

デメリットのことを考えて、この中での1年は現実の1日になるように設定する。

その後、1日は"異次元"が封印される。その間をダンジョンを攻略していくことになった。




「まずはステータスからじゃ。これを知っておるかの?」

「あ、それ魔道具か?」

「うむ。最初はワシのから見せようかのう。」



ギルバードが魔道具に触れると、クラスの中でも1番魔力量が多かった俺の何倍も光り出し、ステータスが映し出された。




─────

名前:ギルバード

年齢:87

種族:人族

スキル:魔法耐性・物理耐性・状態異常耐性

レアスキル:魔力支配・魔纏・魔眼・隠密・索敵・剛腕・剛脚・獄炎魔法・氷獄魔法・暴風魔法・雷轟魔法・覇気・思考加速・並列思考・無詠唱・アイテムボックス・二刀流

皇帝(エンペラー)スキル:武帝(ぶてい)

─────




「おぉ、めちゃくちゃ光ったなぁ。レアスキルも多いし、皇帝(エンペラー)スキルまであるのか。

これって、どういうスキルなんだ?」

「"武術"の最上位に位置するスキルじゃよ。

誰でも取れる可能性はあるが、その道は極めて険しい。世界で最も取るのが難しいスキルと言われておるの。

ワシ以外に持っているヤツは、昔は何人かおったが今は見当たらんのう。

本来は"武術"と"武芸の才"が合わさって"武帝(ぶてい)"になるんじゃが、ワシは"武芸の才"を持っておらん。…これを取るのはものすごく苦労したのう。」

「なんか、とんでもない事を言ってる気がする…。」

「ホッホ、いずれおぬしにも取らせるが、果たして何十年後になるのかのう。ワシがこれに進化したのは60ぐらいの時だったからのう。」

「そんなにかかるのか…。でも、そんなスキルを持ってたらめちゃくちゃかっこいいよなぁ。」

「その意気じゃ。よし、では次はテンヤじゃ。」

「おう。」





天夜が魔道具に触れると、光り出しステータスが映し出される。




─────

名前:竜美 天夜(たつみ てんや)

年齢:15

種族:人族

スキル:魔力操作・魔力感知・魔力視・気配感知・体術・格闘術・剣術・短剣術・大剣術・刀術・槍術・弓術・斧術・鎌術・棒術・槌術・棍術・盾術

レアスキル:魔纏・怪力・瞬足・武芸の才

ユニークスキル:加速

皇帝(エンペラー)スキル:異次元

─────





「あ、やっぱりユニークスキルが進化してる。名前も変わるのか。」

「変わるやつも変わらんやつもあるのじゃ。

…それにしても、この世界に来たばかりでこれは流石に異常じゃのう。スキルも魔力量も大したもんじゃ。」

「やっぱりそうなのか? ガイルさんもそんなような事言ってたな。」

「異世界人は成長が早いと聞くし個人差もあるんじゃが、こんな成長速度は初めて見るのう。

…よし、やる事は決まったぞ。基本はワシと同じように育てていき、その中でユニークスキルも組み合わせて鍛えていくんじゃ。」

「おし! じゃあ、よろしくお願いします!」






それからは、異空間での修行の日々が続いた。

修行とダンジョン攻略を交互に繰り返し、確実に力をつけていった。






「普通の魔法スキルもレアスキルに進化するのか。

火が獄炎(ごくえん)で水が氷獄(ひょうごく)か。風が暴風で土が大地、光が神聖、闇が暗黒、雷が雷轟(らいごう)、回復が治癒、召喚魔法なんてものもあるのか。」

「そうじゃ。その中から火と水、風と雷の魔法スキルを取っていくんじゃ。

他は、ある程度の適性がないと取るのが難しいからのう。」

「魔法の上位スキルを取る意味ってなんだ? 俺はあんまり魔法は得意じゃないよ?」

「魔纏で纏うんじゃよ。そうすれば炎や氷を纏う攻撃が出せたり、雷轟魔法を纏えばスピードも上がる。

そしてなんといっても、魔法を斬ったり逸らしたりすることが出来るんじゃ。」

「普通に魔力を纏っても、斬れないのか?」

「出来るには出来るんじゃが、勢いのある魔法じゃと斬ってもそのまま魔法が当たってしまうことがある。そこで魔法の通り道を作るのじゃ。」

「通り道?」

「例えば、相手が炎の玉を撃って来た時、普通に斬っても勢いは消えずに当たってしまう。

しかし、獄炎魔法を纏って斬った後に、左右の斜め後ろに魔力で通り道を作ると、魔法は当たらずに逸れるということじゃ。」

「同じ魔法なら出来るってこと?」

「そうじゃ。かなり精密な魔力操作が必要じゃが、これが出来ればかなり魔力の込められた魔法でも少ない魔力で対応出来るんじゃ。」

「おぉ、すげぇ!」







「ギル爺! "異次元"で違う使い方を考えたんだけどさ・・・」

「ほう、それはかなり強力じゃのう。それも纏うことが出来るのではないかの?」

「確かに! これを纏えたらめちゃくちゃすごい事になるんじゃ…。」





「ギル爺、この蛇みたいな魔物ってなんて言うんだ?」

「此奴はおそらくキングポイズンスネークかのう。

だが、あらゆるところが異常発達しておる…。このダンジョンの影響か、もしくはユニークモンスターなのかもしれんの。」

「え、毒!? 触っちゃったよ!」

「ホッホ、毒の耐性を付けるいい機会じゃ。」

「えぇ…。」





「なんで"加速"もあって、雷轟魔法纏ってるのにギル爺に1発も入れられないんだ…。」

「まだまだじゃ。ほれ、次いくぞ。」

「うぅ、全身痛い…。」




「ギル爺はどうやってそんなに強くなったの?」

「それはじゃのう・・・」





「ギル爺!・・・」





───────




2ヶ月後




「ギル爺、ここが90階層のボスの部屋かな?」

「そうじゃの。しかしここら辺は魔物が強くて多いのう。

このダンジョンが制覇されてない理由が分かったわい。テンヤがいなかったら、ワシも危なかったのう。」

「そうかなぁ、ギル爺だけでもいける気がするけど。」

「何年かかるか分からんわい。魔物は確かに強いが知性がないものばかりじゃったからのう。

テンヤはそういった相手には、めっぽう強いから随分楽になったのう。ダンジョンに最適なスキルで、正直ここまで速く攻略できていることにビックリしてるわい。

ただ、だからといって油断はするんじゃないぞ。」

「おう。…よし、行こう。」

「さて、どんなバケモノが来るかのう。」




天夜とギルバードは目の前にある巨大な扉に手をかざすと、扉が勝手に開く。

その奥に進むと、まるで神殿のような空間が広がっていた。




「広いな。…奥の壁まで200mくらいあるかな。」

「昔は何かの宗教で使われていた場所かもしれんのう。」



天夜とギルバードが空間を見渡していると、突然、地面が激しく揺れ始めた。

壁や天井が軋むような音を立て、次々に崩れ落ちてくる。



「うわっ! なんだこれ!?」

「上からの瓦礫に気をつけるじゃ!」



崩れ落ちる天井の瓦礫を、2人は必死にかわし続けた。しかし、あまりの量に飲み込まれるように巻き込まれてしまう。







「ふぅ、びっくりしたわい。テンヤ、無事かの?」

「あぁ、今までの修行と比べたら全然だったよ。」

「ホッホ、魔纏の扱いもだいぶ良くなってきたの。しかし、少し煙たいのう。」



冗談を交わしながらも、2人は瓦礫の山を掻き分けて出てくる。


やがて、煙が晴れると彼らの前には、圧倒的な存在感を放つ何かが現れた。



「何…だこれ!? 50mはあるぞ!?」

「これは…少しまずいのう。……もしかして幻獣種のヒュドラか?」

「幻獣種って上位種とか皇帝種もなくて、滅多に見れないめちゃくちゃ強いやつだよな…。

でも、違くないか? ヒュドラって普通、首は9本のイメージなんだけど?」

「そのはずなんじゃが…。しかし、他の特徴は当てはまっているしのう……。」

「首20本くらいあるよ? 絶対おかしいって!」

「ここの魔物は、普通とは違う異常個体ばかりだからのう。…それにしてもこれは異常過ぎる──」


「グオオオォォォォォォ!!!!!!」



突如、ヒュドラと思われる魔物が咆哮(ほうこう)を上げ、凄まじい魔力を解き放つ。

吹き荒れる魔力の奔流に、立っていられなくなる程、地面が激しく揺れる。




「っ……! 魔力も異常過ぎるだろ!? 取り敢えずやるしかないか、首を斬ればいいのか?」

「ヒュドラはそれぞれの頭から異なる魔法を出すと言われておる! 正直、20本となると想像も付かんが、なんとか隙を狙って斬るのじゃ!」

「了解っ!」




「グアアアァァァァァァ!!!!」

「おわっ!?」


シュウゥゥゥゥ…


ヒュドラの1本の頭が、天夜に向かって魔法を放つ。

天夜がギリギリで避けた場所は、ドロドロと溶けて地面ごと消滅していた。



「あの首は毒か! これは耐性があっても即死するな…。」




それから、ヒュドラの20本の首が暴れ出す。

獄炎魔法、氷獄魔法、暴風魔法、大地魔法、神聖魔法、暗黒魔法、雷轟魔法といった上位魔法が空間を蹂躙する。さらに毒や斬撃、光線などといったものまで吐き出して暴れ回る。



「無茶苦茶かこいつ!?」

「これはちとしんどいのう…。」







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