WOOD TO BE MUD
やがて、土に還るのです。
樹々が天をめざしてのびるのに
太陽の慈愛も 雨の恵みも 大地の支えも
無料でちからを貸してくれるわけじゃない
いずれ樹々が朽ち果てて泥となり
かつてそびえていた場所を覆うとき
這う蟲どもに
しめり気をあたえてやってくれと
新たに蒔かれた種に
根を張らせてやってくれと
そんないつかに この貸しを返してもらうため
太陽は慈愛を 雨は恵みを 大地は支えを
樹々にくれてやってるのだ
そいつが高くついたなんて
あとからぼやくのはよそうぜ
だれからも ちからを借りずに
ひとりきりで天へとそびえることなんて
できやしないんだから そうだろう?
だったら 精が尽きるまで 高くそびえようと
天をめざすだけ めざしてさ
悔いのひとつも残らないわけじゃないが
それでも まぁやりきったって
笑って朽ちようや
そしたら そのあとは
かつてそびえていた場所を覆う泥になり果てよう
這う蟲どもに しめり気を与えて
新たに蒔かれた種に 根を張らせてやろう
これで貸し借りなしだぜ 気がすんだかいって
太陽と 雨と 大地に 毒づいてやればいい
そのとき
あいつらはどんな顔をしてやがるんだろう?
満足そうなつらしてたんなら
それも悪くない あぁ 悪くない
気の長いはなしかも。