第五章
二人は部屋のあちこちを探索していた。健太は書棚の奥に目をやると、ひとつの壁に不自然なくぼみを見つけた。
「梨香、こっちだ。何かが隠されているみたいだ。」
二人は協力して、壁のくぼみを探り始めた。健太の手がボタンのようなものに触れると、壁がゆっくりと開いていった。すると、暗闇の中に、もう一つの部屋が現れた。
梨香と健太は驚きの声をあげながら、新たな部屋に進んだ。その部屋には、父の研究の更なる手がかりが待っているようだった。
梨香と健太は新たな部屋に入り、部屋の中を探索し始めた。壁にはさらに多くの本棚があり、奥には大きな机とコンピューターが置かれていた。机の上には膨大な量のファイルとノートが散乱しており、この部屋が父親の研究の中心地であることがわかった。
「こんなにたくさんの資料があるなんて、父さんは一体何を研究していたんだろう?」梨香は呆然とした表情でつぶやいた。
健太は一冊のファイルを手に取り、ページをめくりながら言った。「これを見てごらん。記憶の操作に関する詳細な実験報告がある。父さんは本当に凄い研究をしていたんだね。」
「でも、なぜこんなにも手の込んだ隠し方をしているの?私に知られたくないことがあったのかな…」梨香は不安そうに健太を見つめた。
「それはわからない。でも、これだけの情報があれば、父さんの死の謎を解けるかもしれない。」健太は決意を込めて言った。
彼らは一つ一つのファイルやノートを丹念に調べながら、父親の研究の全容を理解しようと努めた。その中で、彼らは意識の操作や記憶の操作に関する実験の詳細を発見し、父親が熱心に研究に取り組んでいたことを理解した。
しかし、その中には未解決の謎や不思議な実験報告も多く含まれていた。特に、ある実験に関するメモに、奇妙な現象や予測不能な結果が記されていた。それはラットの突然死についての記録であり、原因は不明のようだった。
梨香はそのとき父の死を思い出した。父の死因は突然死だった。死の前日まで元気だったのに、突然、原因不明の死が訪れたのだ。その後、母親はひどく落ち込み、祖母の住むここから遠く離れた地方へ療養のために移住することになった。
「健太、このラットの突然死の記録…これって、父さんの死となにか関係があるんじゃないかしら?」梨香は震える声で言った。
健太は慎重に資料を読みながら答えた。「そうかもしれない。父さんが何か重要な発見をして、その代償として命を失った可能性がある。でも、もっと詳しい情報が必要だ。そうすれば、もっと真相に近づけるはずだ。」
「うん、私たちが明らかにしよう。父さんの本当の死因を。そして、この研究がどれだけ危険なものだったのかを。」梨香は決意を込めて言った。
二人は引き続き資料を調べ、父親の死の真相に迫るため、さらなる情報を求めた。時間が経つにつれ、彼らは父親の研究が単なる科学的な探求ではなく、非常に危険で複雑なものであったことを理解していった。