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異世界チーレム転生できたけど、ヒロインが全員ギャグ漫画の世界の登場人物なんだが?  作者: 亦塗☆さくらんぼ
第二章 伝説の聖剣と守護者の亡霊
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01 噂を確かめに




 クーゲルは10歳になった。

 実力も認められたので、特別に魔物の討伐依頼もこなして良いことになり、冒険者として立派に活動し、お金を稼ぐ日々が続いていた。


 そんなある日のこと。


「クーゲル! やべーことになっちまったぞ!!!」


 あわわわ、と慌てながらルーデが駆け寄ってくる。


「なんだよ? やべーことって」

「とんでもねー事実をアタシは知っちまったんだ……闇の九十九機関に消されちまうかもしんねぇ……」

「まずねーんだよその機関が。で、やべーことって何だって聞いてるだろ? 早く言えよ」

「……心して聞けよ」


 ゴクリ、とつばを飲むルーデ。


「実はな……うちの村の裏にある山には、伝説の聖剣『ハリスカリバー』が封印されてる洞窟があるらしーんだ!!!」

「な、なんだって~~~!!」


 ババン! と言って見せるルーデに、クーゲルも驚いて見せる。


「……で、その聖剣ハリスカリバーって何なの?」

「知らね。酒屋のじじーが言ってたぞ?」


 どうやら大した話では無さそうだ。


「つーわけで、聖剣探しに山いこーぜクーゲル!」

「結局それかよ」


 山に入って良いのは、戦える大人とクーゲル。そしてその同行者のみと決まっている。

 なので10歳になり成長したルーデはそのルールが守れるようになっているのだ。


 えらいね。


「まあ、ギルドにも特に依頼は無かったし。常設討伐のついでに付き合ってやるよ」

「やたー!! さっすがクーゲル! 男前! 話が分かる! 虫のいいやつ!!」

「最後は褒め言葉じゃねえな?」


 ともかく、二人はこうして伝説の聖剣を探しに山へと入ることになったのである。





「だるいー、うざいー、くさいー! もう帰りたいんじゃ~~!」

「お前さぁ……心折れるの早すぎんだろ」


 聖剣を探すともあれば、あまり人が入らない鬱蒼とした藪の中を探索することになる。

 当然めんどくさいし、草や虫が鬱陶しいし、森の匂いも濃いのだ。


「もうさ、聖剣とかいいからマシンごっこしよーぜ? アタシコーヒーマシンな」

「何なの? 自分勝手だし意味わかんないごっこ遊びだし」

「おいおい、文句あんのか? じゃあコーヒーマシンはお前に譲ってやるよ!」

「いらねー」

「じゃあアタシはお掃除マシンな! 猫とか乗るやつ!」

「はいはい」

「ウィ~~~~~ン」


 ルーデは言い出すときかない。お掃除マシンっぽく、背の低い円柱にどうにか身体を縮めて真似しながら地面を這いずり周り始める。

 しかも口で枯れ葉や枯れ枝などを吸い込みながらである。本格的が過ぎる。


「きたねーからやめろよルーデ」

「むぁ? ふぇもふぇっほうひへふほ!!」

「ゴミ口に含んだまま喋るな! ペッてしろペッって!!」

「ペッ!」


 ルーデは言われたとおり、素直にゴミを吐き出す。


「全く、ノリわりーなクーゲルは!」

「でなくてもゴミは口に含まねぇよ」

「……あれ?」


 そこでルーデは、自分が吐き出したゴミの中に妙なものが混じっていることに気付く。


「これなんだ?」


 ルーデはその妙なものをつまんで取り出す。


「古い羊皮紙だな。しかも落書きしてある!」

「いや、どう見ても地図だろ」


 クーゲルの言う通り。その羊皮紙には、なにかの在り処を示す地図が描かれていた。


「ってことは……もしかしたら、この地図の場所に行けば聖剣の隠し場所が見つかるかもしれないな」

「は? そんな都合いいわけねーだろ!!」

「なんで急にリアル志向なの?」


 クーゲルは怒るルーデに横っ面をグーパンされるが、最強なので全く問題なくツッコミを返す。


「まあ何があるかはともかく、地図の場所に行ってみよう」

「おう! そーだな!」


 というわけで、地図のとこに行く感じになった。





 到着した。


「何にもねーじゃねぇか!!」


 キレるルーデ。

 だがクーゲルは真剣な様子で眼の前の空間を睨みつける。


「いや。ここはなにかが隠されてるな……時空間が歪んでる。ここより先に行けないように、他の場所に無理やりつなげてるんだ」


 と、最強なので隠された場所をあっさり発見する。


「お~、珍しくクーゲルがすげーやつに見えたぞ!」

「普段から俺すごいだろ結構。ともかく先に進むぞー」


 クーゲルは適当に腕を振って、歪んでいた時空間を切り裂き無理やり元通りに戻した。最強なので。


 あっさりと障害を排除した先には、やはり洞窟らしい場所が見えていた。


「うお~~~~!!! 絶対聖剣あるやつじゃん!!! 醤油もってこなきゃ!!」

「醤油は要らんだろ。何に使うんだよ」

「刺し身に……」

「何の刺し身だよ」


 等と、普段どおりくだらないやり取りをしながら洞窟に侵入する二人であった。

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