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異世界チーレム転生できたけど、ヒロインが全員ギャグ漫画の世界の登場人物なんだが?  作者: 亦塗☆さくらんぼ
第七章 寿司職人になろう!
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07 決着! 寿司女王決定!




 なんやかんやで真地女が漬けサーモンの寿司を準備している間に、先に完成したシリーの寿司をいただくことになる。


「さて、採点マシーンミスランよ! 吾輩の寿司は何点であるか?」

『星、無しです!』

「あ、星評価なのであるなこのマシーン。……って、そうではなく!」


 ノリツッコミをしてからシリーは抗議する。


「いくらなんでも吾輩の寿司が星無しとはひどいのである!」

「やかましいのじゃ! せっかく良い鯉を使った寿司を作っておるのに、シャリがゴミすぎて台無しのじゃ!」

「うーん、たしかにこの寿司はひどいな……赤酢が強すぎて鯉の味がなんもわからん」


 クーゲルもシリーの寿司をもっちゃり味見してしっかり酷評する。


 一方、真地女は漬けサーモンの寿司を完成させており、見た目にもシリーとは段違いのものが皿に乗っていた。


「対してこっちは普通にうまそうだな」

「のじゃ……ちゃんとサーモンも漬かっておるのじゃ」

「ウチの生活魔法レベルEXを応用して短時間でちょちょいとな」

「……ん? 生活魔法を生活に使うのは応用なのか?」


 生活魔法は通常、戦闘に使うもの。料理に使うことを応用と呼ぶのは当然のことと言えよう。


「さて、ミスランよ! バイトの寿司を評価するのじゃ!」

『星、三っっっつです!』

「なんか聞き覚えのある言い方のような気がするが……」


 中坊ぐらいの年齢の方が言っていたのだろう。


「しかしまあ、実際食べてみると天と地ほどの差だな」

「技術の無い人間が最高の食材で調理しても、技術のある人間が安物で調理した料理には勝てないのじゃな……」

「いや、寿司職人の修行しとってシャリ握ったことないのが論外なだけやろ」

「ぐっ、悔しいが正論なのである!」


 真地女の正論がバカメイドに突き刺さる!


「これに懲りたら、ちゃんと修行しなおすんやな」

「わかったのである、皿洗いからやり直すのである……」

「まずお前皿洗いから始めたわけでもねーだろ」

「こういうのは下働きから始めて、徐々に大将から見て盗んで覚えるものなのであーる!!」

「盗んでなおこのシャリ?」

「……ゲシクテ殿は確か普通の酢で作っていた気がするのである」

「窃盗未遂じゃねーか」


 盗むにも才能がいるというわけだった。


 何はともあれ、料理対決は真地女の勝利である。


「――というわけで! 料理対決に勝利したバイトには、優勝賞品が送られるのじゃ!!」


 のじゃ~ん! という効果音と共に、床に穴が空き、地下から何かがせり上がってくる。

 それは、巨大なプレゼントボックスであった。


「店長、なんやこれ?」

「なに、手慰みに開発したつまらん発明品なのじゃ」

「効果は?」

「所有者が望んだ通りの欲しいものが中身として生成される不思議なプレゼントボックスなのじゃ」

「ミスランなんぞ開発しとる場合ちゃうやろ。こっちの開発に注力せえよ。世界征服する気あるんかお前?」

「食とは文化。食を牛耳ることが世界征服への第一歩とも言えるのじゃ……っ!」


 タイヤ会社が世界各地の料理店を評価するぐらい謎のある優先順位であった。


「しかし、欲しいもんゆうてもな。ウチ、特に今すぐ欲しいもんも無いしな」

「であれば、後で願えば良いのじゃ!」

「こんなでかいプレゼントボックスどこに置いとくんや」

「……将来的には小型化する予定なのじゃ」


 などと言って、アルアと真地女が押し問答をしているうちに、何かを思いついた様子のクーゲル。


「なあ、真地女さん」

「ん、どうしたクー坊」

「このプレゼントボックス、俺が使ってもいいかな?」

「ああ、かまへんで。さっさと処理してどかしてや」


 許可を得たクーゲルはプレゼントボックスの中から、願った通りのアイテムを取り出す!


「ん? それは……何なのじゃ?」

「なんや、ハンディーファンなんか作りおって」


 そう、クーゲルがプレゼントボックスを使って生成したのは、何の変哲もないハンディファンである。


「ほら、真地女さん、シャリを作る時にうちわで仰いでたでしょ? それの代わりになるかなと思って」


 言って、クーゲルは真地女にハンディファンを差し出す。

 これを真地女は受け取ると、ニコリと笑う。


「確かに、これがあると楽やな。――まあ、ウチはそもそも生活魔法レベルEXの応用で楽出来るんやけど」

「げっ、じゃあ要らなかったかな?」

「そんなことないわ。ありがとうな、クー坊」


 そう言って、真地女はクーゲルから貰ったハンディファンを、嬉しそうにしながら厨房の一角へと配置した。

 いつでも使える位置に置かれたハンディファンを見て、クーゲルも、そして真地女も満足げに頷き笑みを浮かべるのであった。

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