01 性欲を創作意欲に昇華しよう!
ある朝のこと。
「クーゲル殿ぉ♥ もう性欲がムラムラ溢れて村になっちゃいそうなのである♥」
ゆっさゆっさとクーゲルではなく自分の乳を揺らして起こそうとするシリー。
「ダルい表現すんなよ変態」
「あぁん♥ そんなこと言われると、人口5000人以上を有してしまいそうなのである♥」
「は? ……いや村から町になりそうって意味かよ。わかりづれぇな!」
というか村から町になりそうも意味不明ではある。
言いながらも、クーゲルはしっかり起床し身支度を整える。
「で? その溢れる性欲が何だって?」
「もはやオナニーでは収まらんレベルなのである!」
「知るかよ!」
「いいのであるか!? 吾輩がクーゲル殿以外の男にムラっと来ても!?」
「……いや、それは普通に嫌だけど」
「ちなむと吾輩も嫌である」
「だったら最初からいらんこと言うな!!」
「NTRが好きなヤツなんか脳に異常があるに決まっているのである! グッ、吾輩の心が悲鳴を上げているのである……」
「勝手に想像して勝手にダメージ受けてやがる……」
スケベすぎてNGジャンルについても想像力豊かなシリーの弱点であった。
「ともかく、吾輩にも性欲がコントロール不能なレベルで高まっているのである! それもこれもクーゲル殿が吾輩とやることやってくれないせいなのである!」
「てめーのせいだろ。性別逆で考えると相当なクズ発言だからな? ……とはいえ、対策は必要か」
めちゃくちゃを言うシリーの為に、クーゲルは考え込む。
「……そうだな、例えば性欲を昇華して創作活動をしてみるなんてどうだ?」
「創作であるか? 吾輩、スケベな本を描くぐらいしか思いつかないのであるが」
「欲情すんのと大差ねぇな……」
クーゲルが呆れていると、そこに乱入者が現れる。
「だったら寿司にぎりゃいーだろボケが!!!」
なんと、ルーデである!
「いきなり出てきて寿司だと? どういう了見だよ?」
「寿司職人って言うだろ? じゃあ寿司は芸術だろ」
「微妙に賛同してぇぐらいの詭弁だな……」
言いながらも、クーゲルは考えてみる。
「まあでも、確かに料理に打ち込むっていうのも一つの手か?」
「つーわけで、アタシとメス豚で寿司職人パワーバトルしよーぜ!」
「なんだかわからぬが、望むところである!」
こうして二人の少女が、寿司職人への道を歩み始めるのであった!