05 暗殺者襲来!
で、そんな聖剣が完成した途端、クーゲル達に迫る影!
「今こそ好機!!」
そう、クーゲルの暗殺を虎視眈々と狙っていたリンダが姿を表したのだ!
リンダはクーゲルが地面に刺したばっかりの聖剣を引き抜き、すぐさまクーゲルへと突き刺した!
「クーちゃん!?」
危機かと思って焦るアルア。
しかし、残念ながらクーゲルは最強である。
聖剣はクーゲルに耐えきれず、パリーン! と音を立てて粉々に砕けてしまう。
「クーちゃん!??!?!??」
理解不能な結果を見て余計に焦るアルア。
「ちっ、クーゲルさん自身が生み出した剣でもクーゲルさんを殺すことは出来ませんでしたか……」
「残念だったな、リンダ。そもそもこんなおもちゃで最強の俺が殺れるわけねーだろ?」
「くっ、撤退です! 受付嬢として!」
「受付嬢とはいったい……うごごご!」
暗殺に来る受付嬢というものが受け入れられず混乱するアルア。
「全く、受付のヤツにも困ったもんだぜ」
「せっかく作ったばっかの聖剣を壊されちゃったもんなぁ」
ルーデとクーゲルは特に驚きもなくリンダの存在を受け入れていた。
「まあ、時間を部分的に巻き戻して聖剣を復活させるか」
で、早速壊れたばかりの聖剣をシュイイイ~~ン! と音を立てて時間を巻き戻し修復させる。
元通りになった聖剣を見て、クーゲルはつぶやく。
「装備制限をSSSランク冒険者のステータスぐらいに設定してたけど、さすがに緩かったかな。もうちょっと格上でないと装備できないようにするか」
「SSSランク冒険者でないと装備できない聖剣を使えたあの受付嬢は何者なのじゃ……?」
「受付だっつってんだろ?」
アルアのごもっともな疑問に、ルーデが理不尽にツッコむ。
で、そんなやり取りをしている間にクーゲルが聖剣の装備制限を強化し終わり、また同じ場所に差して戻す。
「よし、これでそこいらの輩には引っこ抜かれないだろ」
「むしろ、引っこ抜けるヤツはクーちゃん以外に存在するのじゃ……?」
「多分ルーデならノリと勢いで引っこ抜けるし、真地女さんは余裕で引っこ抜けるぐらい強いと思うぞ?」
「のじゃ!? バイトってそんな強かったのじゃ!?」
葛川真地女、案外ちゃんとチート持ちの女である。
今頃はアルアに噂されたせいでくしゃみでもしているだろう。あるあるネタとして。
「よし、これで聖剣の伝説は仕込み終わったし、後は村に戻って聖剣めぐりツアーのプランを立てないとな」
「のじゃ! ここからが面白いところなのじゃ!」
「おかきのことならアタシに任せな!」
というわけで、無事大樹と聖剣を仕込み終わった三人は村へと戻ることとなった。
一方、その頃の葛川真地女。
「――くちゅんっ! ……なんや、風邪でもひいてしもたんかな?」
やはりあるあるネタを消化する羽目になっているのであった。




