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異世界チーレム転生できたけど、ヒロインが全員ギャグ漫画の世界の登場人物なんだが?  作者: 亦塗☆さくらんぼ
第三章 借金返済と伝説の聖女
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05 五分の兄弟




「これでワシとお前は五分の兄弟や」

「へ? いや、急に言われても……」

「よそよそしいやないか、兄弟」

「あの、テスタロッサさん?」

「テスタって呼んでくれや」

「……テスタ?」

「おう、兄弟!!」


 嬉しそうにニッコリ笑うテスタ。その笑顔がしっかりヒロインらしく可愛かった為、つい目をそらしてしまうクーゲル。


「えっと、兄弟ってのは何が変わるんだ?」

「大したことやない。ワシとクーゲルが五分の兄弟やからな。清光会でワシと同じだけの力があるっちゅうことや」

「なんかとんでもねー権力を押し付けられてる!?」


 クーゲルのツッコミも虚しく、テスタは五分の兄弟の契を撤回する様子は無かった。


「ちゅうわけや兄弟。今日は忙しいから退散するが、また会おうや!」


 そうして、テスタは壊滅したヤクザの事務所から立ち去って征くのであった。


 ……なお、ルーデは終始ビビり散らかしていたので、常に物陰に隠れて「あわわわぁ……」とか言ってばかりであった。




 そんなこんながあり、無事借金が無かったことになって村に帰ってきたクーゲルとルーデ。


 特に問題もなく、いつもどおりの日々を過ごしていたが……数日後。


「クーゲル殿! 村に見知らぬ聖職者が大挙して押し寄せてきたのである!」

「あぁ……ついに来ちまったか……」


 シリーの報告により、平穏の崩れる音を聞き取ったクーゲル。


 押し寄せてきた聖職者達を確認しに向かうと――案の定、テスタとその配下たち、つまり『清光会』の面々であった。


「久しぶりやな、兄弟!!」

「あー、テスタ? これはどういうことなんだ?」

「組の頭だけ遠くに住んどるなんて不便やろ。せやから、清光会の本拠地を兄弟の村に移動しに来たんや」

「やっぱりそういう展開になったかぁ……」


 テスタがヒロインだとわかった時点で、予測できた展開であった。


「清光会、というのはどういう組織であるか?」


 シンプルな疑問を尋ねるシリー。これにテスタが答える。


「大層なもんやない。世間様に迷惑かけるようなヤンチャ者を集めて躾けるための、教会から派生した組織の一つや」

「まんまヤクザじゃないですかやだ~~~~~!!!」


 思わずツッコむクーゲル。


「安心せえ兄弟。ウチはヤクはやらん。カタギ相手には殺しも暴力も禁止や。全うな昔ながらのシノギだけで回っとる組や。ショバ代は貰うが、他所のヤンチャな輩から守ったるで」

「典型的なヤクザ漫画の主人公が所属してる組のやつじゃん!!!」


 つまり清光会とは、神さまを信仰している組織公認のヤクザというわけだった。


「ふーん、つまり傭兵団のようなものであるか?」

「そう思うてくれてええで」

「……ん? そう考えると意外とアリなのか……? いやいや、でも……」


 ズレた解釈をするシリーと、それを肯定するテスタ。これによって、クーゲルも混乱しだす。


「ちゅうわけや兄弟。これからよろしく頼むで」

「「「よろしくお願いしやす!!!」」」


 テスタに続き、配下の強面のオッサン達が一斉に頭を下げる。

 これはもう、追い返せるような段階に無いとクーゲルも悟る。


「……わかったよ。これから宜しくな、テスタ」


 クーゲルは右手を差し出し、テスタを握手を交わす。


 こうしてなんやかんやありつつも、クーゲルの村に新しく清光会の会員という住人が増えたのであった。

テスタロッサ……なにものなんだ……?


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