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異世界チーレム転生できたけど、ヒロインが全員ギャグ漫画の世界の登場人物なんだが?  作者: 亦塗☆さくらんぼ
第三章 借金返済と伝説の聖女
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01 16歳のクーゲル




 なんやかんやありながらも、クーゲルは無事16歳となった。


 使用人となったシリーと共に生活することにも、ずいぶんと馴染んできた。

 の、だが。


「さあ~~~起きるのであるクーゲル殿っ♥ もうおっきしてる部分はあるのであるが、そこはむしろ吾輩がよしよししておやすみさせて差し上げるのであるっ♥」

「ああああ~~~~朝からうぜええええ!!!!」


 シリーのセクハラを受けたくはない為、ガバッとベッドから起きるクーゲル。

 こういったシリーの下品な言動には未だに慣れないクーゲルであった。


 ちなみに、シリーのセクハラは両親公認である。

 クーゲルを好きな気持ちの現れとか言って、お嫁さん候補その2として受け入れているのだ。

 何かと器が大きすぎる両親も考えものだな、とクーゲルは思うのであった。


 そんなことを考えながらベッドから起き上がったクーゲルに、シリーが抱きつく。


「ん~~クーゲル殿♥ しゅきしゅきであるっ♥」


 元よりオナニーにドハマリするほど依存気質の強いシリーは、今やクーゲルにすっかりドハマリしていた。

 お下品故に友達も居なかったシリーに、真面目にツッコミを入れて構ってあげているのだから、仕方のない話だろう。


「あーはいはい、分かったから離れろ、服が脱げん」

「えっ!? あ、朝からしちゃうのであるか……♥」

「ちげーよ! 着替えるんだよ!!!」


 シリーを引っ剥がし、さっさと服を寝間着から着替える。


「で、今日はなんか予定あったっけ?」


 クーゲルが問うと、シリーはしっかりと答える。


「先日クーゲル殿が16歳の誕生日を迎えたので、今日は冒険者ギルドで本登録をする予定であるな!」

「ああ、そういえばそんなのもあったなぁ」


 ずっと見習い登録だったのだが、既に本登録した冒険者と変わらない仕事をしているクーゲルは忘れがちな話であった。


「ついでにシリーも登録しとくか?」

「いいのであるか?」

「登録料ぐらい払うよ。それに、これからも俺と一緒に行動するつもりだろ? だったら同じ冒険者になっておいたほうが何かと都合が良さそうだし」

「あ、ありがとうである、クーゲル殿ぉ♥」


 ガバッ、とクーゲルに感極まり抱きつくシリー。


「あー離れろ鬱陶しい!」

「ふふ、当ててんのよ♥ であるっ♥」

「まず当たってんのは気にしてねーんだよ!! 今さらお前相手にそんなことで照れるかよ!! 邪魔だっつってんの!!!」

「あうっ!」


 抱きつくシリーを引き剥がすクーゲルであった。





 その後、朝食も済ませたクーゲルはシリーと連れ立って冒険者ギルドへと向かう。


「そういえば、最近ルーデの姿を見ないな?」


 ふと、クーゲルは気になった事をつぶやく。


「クーゲル殿の誕生日プレゼントを用意すると言って、どこかに行ったっきりであるな」

「あーそうだっけか」


 既に誕生日も過ぎて数日経っている。

 どこで何を用意しているのやら。


 どうせ面倒事を持ち帰ってくるだろう、と考えたクーゲルは、ひとまず今のうちに平穏を味わっておくことにして考えるのをやめた。


 そうして冒険者ギルドに到着した二人。


「あらおはよう、クーゲル君にシリーさん」


 受付のおばちゃんが出迎えてくれる。


「おばちゃん、本登録に来たよ」

「ええ、待ってたわ。今書類を用意するからねぇ」

「ああ、それとシリーも冒険者に登録してほしいんだ」

「それなら、書類は二人分必要ね」

「お願いするよ」


 ガサゴソと書類を用意するおばちゃん。


 二人は書類を受け取ると、スラスラと必要事項を記入していく。


 そうして記入が終わった書類をおばさんに返すと。


「さあ。書類提出も終わったから、次は鑑定機を使ってステータスの測定をしましょうか」

「おお! 楽しみだ!」

「うむ、クーゲル殿がどれほど強いのか気になるのである!」


 鑑定機とは、対象とした人物のステータスを鑑定し、表示してくれる魔道具である。

 冒険者は、この鑑定機の情報からおおよその実力をギルド側に把握してもらうことで、より適切な依頼の斡旋などが可能となる。


 まあ、そんなシステム的なものはともかく、タダで鑑定してもらえるというので、楽しみにしていたクーゲルであった。


 何しろ、クーゲル自身の鑑定スキルでは基準が自分自身となるため、世間一般からズレている。

 なので自分が強いことは分かるが、それが世間から見てどんな程度の強さなのかまでは知らないのだ。


「さあ、この魔道具を手にとってちょうだいな。魔力を少しずつ流していくのよ」

「分かった!」


 おばさんに言われた通り、クーゲルは水晶玉のような魔道具を受け取って魔力を流した。

 すると、見事にクーゲルのステータスが表示された!


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


HP:Overflow/Overflow

MP:Overflow/Overflow


攻撃:Overflow

耐久:Overflow

敏捷:Overflow

器用:Overflow

魔力:Overflow


固有スキル:天下無双(笑) 限定魅了(笑)

      最速成長 適応生存 全適正 無敵


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


「……ん?」


 見覚えの無いスキルに、クーゲルは首を傾げる。

 特に『天下無双(笑)』である。天下夢想はどこいった?


「鑑定して確かめるか……」


 クーゲルは見覚えの無いスキルに鑑定をかける。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


天下無双(笑):最速成長の効果と限定魅了(笑)の影響により、天下夢想が成長した。笑えるシーンであれば無双する機会が訪れるようになった。


最速成長:世界中の誰よりも早く成長する。天下夢想の効果により習得した。


適応生存:あらゆる環境に適応する。天下夢想の効果により習得した。


全適性:あらゆる適正を持つ。天下夢想の効果により習得した。


無敵:敵からのあらゆる影響を受けない。天下夢想の効果により習得した。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


「えぇ……笑いに囚われてんじゃん俺……」


 自分のスキルにドン引きするクーゲルであった。

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