骨騎士、誕生
ああ........。
私は、死ぬのか......。
主君を守りきれずに..........。
たかが骸骨数万匹と魔王の手によって、私が仕える王国が.........。
このまま死んでなるものか!
何としても、主君を................。
ふと、声が聞こえた。
死にゆく私には、もう感覚が残っていないのに....。
その声だけが、聞こえた。
ーー死してなお、主君を守りたいか?ーー
ーー全テを守る、チカラがホシイか?ーー
ーーモウイチド、ヤリナオシタイカ?ーー
ああ。
やり直せるのならば、もう一度.......
願わくば、今度こそ主君をお守り出来る力が欲しい。
たとえ私が死んでも、主君だけは守りたい。
そう、強く願った。
だが、それは叶わない願い。
............その、はずだった。
ーーショうチしターー
ーー力ヲ授けヨウーー
そして、私は意識を失った。
ーーーーーーーーーーー
雨が降る音がする。
音?
私は死んだはずなのに?
ああ、寒い。
身体が冷える。
そこで、ふと自分の身体がどうなっているか気づいた。
骨。
一言で現すと、「骨」
どうやら私はアンデットになった様だ。
『キャアアアアア』
遠くで悲鳴が聞こえる。
私は即座に駆けつける。
そこでは、5人の山賊が、1人の女性を狙っていた。
装備は、片手剣と盾、ハンマー、斧、弓、両手剣。
守らねば......
山賊すら倒せぬ様では、魔王の討伐など夢のまた夢。
「マテ.....私ガ相手ダ」
私が声を発すると、山賊がこちらに気づいた。
「何だ、骸骨?」
山賊は、少し考えた後、構える。
こちらも、剣を抜き、構える。
身体は骨でも、騎士として15年間仕えた剣は忘れていない。
片手剣の山賊が剣を振り下ろす。
それを防ぐ。
しかし、相手は5人。
弓の男が放った矢が直撃し、私はまたしても死んだ。
ーー何度でもやり直してみよーー
また声が聞こえた。
しかし、先ほどの場所では無い。
真っ白な場所。
『引き継ぎ完了!』
『特典を選択して下さい!』
目の前には青色の画面が。
『特典1:刺突耐性(30%)』
『特典2:力+3』
『引き継ぎ後の能力:Lv1(20)力1 耐久1 速度1 魔力1 耐性1 ポイント1』
私が欲しいのは勝利では無い。
守る力。
ポイントを耐久に割り振り、刺突耐性を得る。
『Lv1(20) 力1 耐久2 速度1 魔力1 耐性1 スキル:刺突耐性Lv1(30%)』
ーーデハ、行ッテクルガ良イーー
山賊が現れる前に戻ってきた。
今度は声を出さず、確実に1人ずつ倒す。
片手剣の男の後ろに立つ。
静かに、剣を振り下ろす。
「グアアアアア」
『レベルアップしました。』
『Lv1→Lv5』
『ポイントを5入手しました。』
その直後、私はハンマーの男に殺された。
ーー何度でも、やり直してみよーー
もう一度、その声を聞きながら...........。
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