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気づいちゃいました!?

「うう...」


黒曜石の床のひんやりとした感触が勇者のほおを伝う。勇者は体の節々が固定されてるように感じた。そして唐突に最後に見た光景がフラッシュバックする。

剣を投げた自分。その投げた剣が突き刺さったまま自分をなぎ倒した魔王。いったい自分はどうなってしまったのだろうか。


なぜ生きているのだろうか。あのまま魔王が帰った?ありえないだろう。なぜなら相手は魔王、世界の敵なのだ。勇者をそのまま放置するはずがない。

では捕虜だろうか?その可能性もないだろう。勇者は魔王の天敵であるし、何より勇者を捕虜にして生かしても意味がない。


そんなことを考えているうちに勇者は体の感覚を取り戻すがどうもおかしい。


なにかがある主に胸と頭に。


(うん?)


それは紛れもない角と、放漫な胸であった。


勇者にとって女性の胸を近くで見ることなど初めてであり、もちろんそんなことに耐え切れるはずもなく...。

鼻から赤い液体を噴出して倒れた。









いったい何が起こったのだ。

なぜこんなことに。


そんな言葉が()魔王の頭をよぎる。


勇者にとどめを刺したところまでは覚えていた。

しかしながらその後のことが記憶にない。

そして眼が覚めると、体が縮んでいた。

正確に言うならば、

()()()()()()()()


(なにが、なにが起こっているんだ!?)


魔王は台座近くに倒れている自分の体に目を移す。

見れば見るほどに自分自身の体である。


朝が額を伝って黒曜石の床に落ちる。

まだ残る汗を手で拭おうとした時、魔王はあることに気がついた。


(うん?体の傷がない?)


勇者の体からは魔王が突き刺した剣の傷や、それまでにおっていた数々の傷が綺麗さっぱりと消えていた。


(どういうことなのだ?一体なにが起こったんだ?)


すっ、と立ち上がり自らの体であったものの前に行く。


(ん?)


自分の体は何やら鼻血を流しているようだった。

これもこの現象の影響なのか。


(ともかくこの現状をどうにかしなければ)


そう考えると魔王は自分の体を揺らす。


「おい、勇者や!我の考えが正しければ我の中にいるのだろう?目を覚ませ!」


「ん...」


元の体が目を覚ます。


「問おう、汝は我の宿敵の勇者か?」


「え、これ夢じゃなかったのか...。てかその体...俺!?」


「そうだ!やはり我の中身は勇者であったか、どうやら入れ替わってしまったようだな...」



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