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時空(とき)を超えて   作者: 紅坂彩音
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前奏曲

ご覧いただきありがとうございます。


人生初小説でございます。(途中から小説と言うには「」が多めになりますが…)ド素人の趣味の域の文章でございますが、お仕事の合間にちまちまと書きました。


私の拙い文章で少しでもキュンキュンしていただけたら嬉しいです。


この作品は大きく前編、後編に分かれておりまして、前編はヒロインの家族のお話になり、昭和の時代、携帯電話がまだ普及していなかった頃のお話でございます。


後編はヒロイン自身のお話で現代の話になります。


お楽しみいただけましたら幸いでございます。m(__)m




~私の大好きな家族のお話~


私の名前は篠山歌恋しのやまかれん

名前の通り、とにかく歌うことが大好きな関東芸術大学附属高校の3年生。

もちろん声楽専攻です。


副教科の単位がギリギリでメッチャ焦ったけど、春から、晴れて芸大生になります。


私の家族、パパはピアニストでママは声楽家。

二人共、1年の半分位はお仕事でお家に居ません。

会えないのは寂しいけど、小学生の頃からだから慣れちゃったかな…


ウザいくらいに連絡くるし(笑)


なので、私はおじいちゃんおばあちゃん子なんです。


でも、今はおじいちゃんと住みこみのメイドさんの晴海ちゃんと私の3人暮らしです。


おじいちゃんは関東芸術大学の元教授で声楽家。

まっすぐで凄く懐が広くて温かい人。


人としても声楽家としても尊敬してます。


おばあちゃんも声楽家だった…


メッチャ優しくてキレイでお料理もと~っても上手で、大和撫子を絵に描いたような人だったけど、10年前に急性骨髄性白血病で…


おばあちゃん、今でも大好きだよ…


そして、あの天使のような歌声は今でも耳から離れない…


おじいちゃんは、おばあちゃんの写真のとなりに毎朝新しい花を一輪飾って、声は聞こえないんだけど何かを語りかけている。


今でもおばあちゃんのこと愛してるんだろうな…


そして実は何と‼️ おばあちゃんは、おじいちゃんの元生徒。


つまり、先生と教え子の恋…

禁断の恋っていうのかな?


時代が時代だったから本当に大変だったみたい。


おじいちゃん、まっすぐな人だから、


【愛に歳の差なんて関係ない。別に隠す必要はない。】


って堂々としてたらすぐに学校や生徒の親に広まって問題になっちゃって、教授を辞めさせらる事になって、おばあちゃんも自主退学って流れになったみたいだけど、声楽科の生徒全員が退学届を持って理事長に、


「教授が辞めるならこの学校に居る意味はありません、泉さんは私達の大切な仲間ですし、目標でもあります‼️

第一、二人とも大人なのですから恋愛は自由ではありませんか‼️

もし、教授と泉さんがこの学校を去るなら私達も辞めさせていただきます‼️ 」


って直談判したらしい。


学校側も、声楽科の生徒が全員居なくなるのは困るということで、結局、おじいちゃんが教授を辞め、非常勤講師に、おばあちゃんはそのまま学校に残れる事になり、声楽科の生徒達も渋々納得したんだって。


後から考えたら、非常勤講師になれば大学職員じゃなくなるわけで、つまり表向きは外部の人になる。そうすれば、

異を唱える人が少しは減るだろうって、理事長なりの計らいだったのかな~っておじいちゃんは言ってた。


でもね、おじいちゃんが非常勤講師になって、毎日は大学に行かなくなっても、うちには毎日たくさんの学生達が訪ねてきて、いつも賑やかだったんだって。


講師を引退した今でも、おじいちゃんに教えを乞いに来る生徒は多いの。



おじいちゃんとの事で実家から勘当されてしまったおばあちゃんは、お料理も大好きだったから、独学で調理師免許をとって、大学のとなりの洋食屋さんの厨房で働きながら通学して、在学中からこの家におじいちゃんと一緒に住んでたけど、結婚はせずに、大学を卒業後、大学院も卒業して、関東芸大の准教授になったの。


あんなに歌が上手かったのに、表舞台にはほとんど出ないで後進の指導に力を注いでたのは、その方が性に合ってるからって言ってたみたい。


実際、生徒達からも凄く慕われてたけど、本当のところは声楽家として世界を飛び回るのは、おじいちゃんと一緒に居られなくなるからイヤだったんじゃないかな…って私は思う。


そして、おばあちゃんが准教授から教授に昇進したその日におじいちゃんに逆プロポーズしたんだって‼️


「ずいぶん長い事お待たせしましたね、これでもう異を唱える人は居ないでしょう。私と一緒に生きてくださいますか?」


だって~‼️


おばあちゃん男前でしょ?(笑)


そしたら、おじいちゃん、


「ボクはもうキミと一緒に生きてるつもりだが、婚姻届という名の紙切れを役所に出したかどうかの事を言ってるのかい?

それなら今から役所に行こう。

ボクはキミと出逢った時から今、この時も変わらずキミを愛してる。

これからも共に生きよう。」


…だって~‼️


おじいちゃん、流石だよ‼️



そうして、ずいぶん時間はかかったけど、晴れてみんなに祝福されておじいちゃんとおばあちゃんは夫婦になったんだって。


大恋愛だよね~‼️

素敵過ぎる~‼️


ちなみに、学生達からの希望も多かった事もあって、おじいちゃんも教授に返り咲き‼️


お家でも一緒。職場でも一緒。


まったく、おじいちゃんとおばあちゃん、どんだけラブラブなんだか…(笑)


だから、おばあちゃんにはもっと長生きして欲しかった……



おじいちゃんとおばあちゃんが結婚して3年経った頃、二人の間に新しい命が芽生えたの。


私のパパ。


パパが赤ちゃんの時の写真をみたら、おばあちゃんとそっくり‼️


色白で目がクリッとしてて、名前も「ゆう」で女の子みたいだから、よく


「かわいい女の子ですね~」


って言われてたみたい。(笑)


年齢的にオジサンになった今でも少女マンガから出てきたみたいな顔してるからね…(笑)



ちなみに、パパの音楽好きは生まれつき。

喋りだす前からおもちゃのピアノでず~っと遊んでたんだって。


3歳になる頃には本物のピアノがパパのおもちゃ。


うちにある大量のレコードをひっぱり出してきて聴いてはお気に入りの曲をピアノで弾いて遊んでたんだって。


だから、おじいちゃんとおばあちゃんは


【この子は音楽の道に進む】


って確信してたみたいだけど、本人から言い出すまでは見守ろうということで、結局、高校までは普通校に。


それでも、お昼休みには毎日音楽室に行ってピアノを弾いてたし、学校の合唱祭や合唱部の伴奏者を頼まれたりと、ピアノ三昧な日々を過ごしてたんだ~


そんなある日、合唱部の伴奏者として参加したコンクールの関東大会でパパはある人と奇跡的な出逢いをすることになるの…



~第一楽章へ続く~


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