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冤罪

加奈の母と会ってから二週間が過ぎた

相変わらず裕也は仕事に打ち込んでいた

ある日

「前山ちょっといいか?」

「なんすか?」

所長に会議室に呼ばれた

深刻な顔をした所長が重い口を開く

「前山..お前やってくれたな..」

「え..何がっすか?」

「お前が電車で痴漢したと!匿名の連絡が入ったんだ!」

一瞬何のことかわからなかった

「はぁ!何言ってんすか!やってませんよ!」

「とぼけるな!お前、二、三週間前車じゃなくて電車だったよな?」

「えぇ..そうですけど..」

「その時お前が隣の高校生に痴漢してたと話が来たんだ!」

「!?ちょっと待ってください誤解です!」

「誤解もくそもあるか!お前は処分を決めるまで謹慎だ!」

「そんな...」

なんと裕也は痴漢の冤罪を掛けられたのだ

「冗談じゃねーぞ一体どこの高校..まさか..」

心当たりがあった

それはおそらく加奈のことだった

裕也は会議室から出ると全社員からの視線が痛かった

(なんで俺が...ひとまずあいつに...)


会社を出て車を走らせ近くのコンビニに止めて

急いで加奈に電話を掛ける

「はい..裕也さんどうしたんですか?」

「どうしたもクソもねーよ」

「君を痴漢したと会社には連絡が来てこっちは大変なんだぞ!」

しばしの沈黙後

「..きっと父です」

「前山さんS社にお父さんがいますよね?」

「!どうして君が..」

「母があの日の出来事を父に話したんです」

「そしたら私の誠意を踏みにじって..とか」

(おいおいなんだよそりゃ意味わかんね)

「とにかく君からも行ってくれ俺は冤罪だと」

「..無理です父は偏見や自己判断が強いんです」

「なんだよそれ..」

「ごめんなさいいったん切りますね」

電話が切れた

(一体どうしたら..)


考えていたら父からの着信があった

「何の用だ」

「お前G会社の人事部長の娘に手を出したそうだな」

「あんたがやったのか?それとも青井か!」

「お前には関係ない、ただG社はうちの重要取引先でな」

「お前に一つ提案をしてやる、会社を辞めて私のところに来い」

「今なら私たちの間違いで、もみ消すことも容易だ」

「ふざけんじゃねぇ!」

と電話を切る


だがすぐ冷静になり

‘痴漢は冤罪でも罪になる確率は高い....‘

‘そうなると…あぁくそ…‘


しばらく考え再度父に連絡した

「なんだ」

「あんたの言いうとおりにする、だからもみ消してくれ」

「そうか..お前にしては賢明な判断だな」

「だが条件がある」

「俺があんたの条件を飲むんだ、絶対消してくれ」

「いいだろう約束しよう」

父との電話を切り

今度は自分の会社に連絡した

「前山です、突然ですが会社辞めます」

と言って電話を切った



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