一人の女子高生
夕日が覗き込むアパートの一室
「ん..もうこの時間か...そろそろ行くか」
男は起き上がり、急ぎ足で支度をし駅に向かい電車に乗った
男の名は前山裕也
駆け出しの長距離のトラックドライバーだ
「なーんで俺が変わりなんだよ」
とポツリとつぶやく
いつもは車だが修理に出しているため今日は電車に乗っている
「さすがに学生が多いなぁ...」
平日の夕方は学生が電車を占める
裕也は座れなかったので立っていた
(やばいなぁ..JKがたくさんいるよ)
裕也は怯えた、痴漢を疑われるのが嫌だからだ
すると一人のJKが裕也の隣に来た
(嘘だろおい...まぁ後3駅我慢するか)
と我慢してしばらくして最寄りのひとつ前の駅に着いた
(あと少しだな)
すると電車が発車してすぐ隣にいたJKが裕也に向かって倒れてきた
「おっおい君大丈夫か?」
問いかけると
「ごめんなさい...急に気分が悪くなって...」
と答えた
「最寄りはどこ?」
「次です...」
(俺といっしょかよ)
「俺も降りるから我慢できる?」
「はい...」
弱弱しく答えた
駅に着きJKと共に降りた
「えーとベンチは...あったあった」
JKをベンチまで介抱し座らせた
「ちょっと待ってて」
自販機で水とスポドリを買った
ベンチに戻り
「飲めるかい?」
「すいません..ありがとうございます」
女子高生はスポドリを口にした
「ここが最寄らしいけど家まで帰れるかい?」
「帰れます...」
すると男女の駅員が声をかけて来た
「どうかされましたか?」
「あぁ..彼女が気分が悪いと」
「そうでしたか医務室まで案内します」
「お願いします」
「あなたは関係ある人?」
「ただ居合わせた会社員ですそれじゃ」
場を後にし会社に向かう
時間がないのでタクシーで会社に向かった
「おはようございまーす」
「おはよう、早速だが残念な知らせだ」
「はい?」
「2時間ほど遅れるからよろしく」
「はいわかりました」
アルコールチェックを済ませ待機室に入る
「おう来たか」
「おはようございます木村さん」
木村は裕也の上司でこの道20年のベテランだ
「今日、樫山と俺とお前の三台場所一緒だからよろしく」
「あっまた変わったんですね」
「なんだ別だったのか?」
「場所は変わんないんですけど3連は今聞きました」
「あの配車係適当だな笑笑」
「しょうがないっすよ俺が一番下っ端ですもん」
などとたわいもない会話をし
その後二台で倉庫に向かった
倉庫には裕也の4年先輩の樫山がいた
「あっ樫山さんおはようございます」
「おうおはようさん現場聞いて先に来て荷物整理してたぜ」
「わざわざありがとうございます」
三人はそれぞれのトラックに荷物を積んで運航を始めた
その後、三台連なって高速に乗った
この仕事は人と話ことが少なく人間不信の裕也にはうってつけだった
しばらくしてPAに入った
「30分休憩だ来なかったら置いてくからな」
と木村に言われ休憩した
裕也は飲み物と食べ物を買い先にトラックに戻った
「あーあまさか三連かよ..かったり」
とぼやいた三連だと好きに運転できないからだ
「まぁ今日までの辛抱だからいいや」
すると無線が入り
「そろそろ出発だ先は長いぞ~」
「了解です」
と返しPAを後にした
そのときふと
「そういやあのJKどうなったのかな?」
とふと気になった
あの後帰れたのだろうか
と少し不安になってしまった。すると
「どうした前山ーふらついてるぞ」
と真ん中を走る樫山から無線が来た
「あぁすいません慣れない大型なもんで」
「事故だけは勘弁しろよ」
と無線が切れた。