正式な謝罪
裕也は奥浜の家に向かっていた
インターホンを鳴らすと普段とは違う
奥浜が出て来た
「入って」
と言われ中に入ると
加奈がいた
「裕也さん..」
「やぁ..元気かい?」
「はい..」
「前山ひとまず座って」
席に着く目の前は加奈だ
「改めて...」
「裕..否前山さんごめんなさい!」
「母と父が私の事で迷惑かけて本当にごめんなさい...」
暫し黙って聞いていたが
「もう...いいよ...」
「え...」
「許すもクソもないよちゃんと考えてたんだから」
「もう責めないで」
「ありがとうございます...」
二人は和解した
「さて..前山?飯食べた?」
「いや...この時間だとまだかな..」
「じゃあさ加奈の料理食べていきなよ」
「は..何言ってんの?」
「いいから!ほら!」
立ち上がろうとした裕也をやや強引に押さえつける
加奈がキッチンに立ち料理を作り始めた
「ずいぶん手馴れてるなぁ...」
「そうねぇ...」
「普段会社でカップ麺やコンビニ飯しか食ってない誰かとは偉い違いだ」
「あんたねぇ!」
「ハイハイ二人とも出来たよ」
「茉希ねぇちゃん悪いけど運ぶの手伝って!」
奥浜がキッチンに向かう
「はいお待たせしました!」
そこにはボロネーゼがあった
「へぇ..すごいの作ったねぇ」
「さあさあ食べよ!」
『いただきます!』
三人は食事に着いた
「前山!タバスコ使う?」
「あぁ..もらっていい?」
「私が持ってくる」
裕也のパスタを持ち奥浜がキッチンに消えたが
すぐ戻って来た
「はいおまたせ~」
不思議に思いながら口にすると
「!!ばっっ辛ぃぃぃ!!」
「あははは!私を馬鹿にした罰だ!」
「この...野郎..」
「もう怒る気にもなれんわ...」
その横で二人のやり取りを見ながら
加奈は大笑いしていた
恥ずかしかったのかすぐ口を閉じたが
「笑った顔かわいいじゃん!」
と裕也が言うと照れた
「もう...裕也さんたら...」
その横では
「まーえーやーまー!手を出すなよ!」
「出しません...さすがに法律は重視します..」
食事をとり加奈と談笑した
「そう言えばさ進路どうするか決めた?」
「..全然です...」
「そうか...」
すると裕也は
「俺もさ加奈みたいに昔は親に進路決められてたんだ」
「え...」
「高校の時だったかな..大学進めって言われてたんだけど」
「もう親言うこと聞きたくないから今の加奈みたいに悩んでたんだ」
「それでどうしたんですか?」
「なんとなくで会社の倉庫の社員で入ったんだ」
「まぁその後で上司に中型、大型取らされてドライバーになったんだ」
「人生、考えてどこかで妥協が必要なんだよな」
これまで言わなかった過去を初めて人に話した
「気になる仕事はあります..」
「どんな?」
「看護師です、昔、病弱だったからなんとなく憧れがあって...」
「でも行くにしても、親を頼れないから悩んでるんです」
「茉希ねぇちゃんには頼りたくないんです」
初めて考えを聞いた奥浜は深刻な顔をしていた
すると裕也は何かを思い出した
「そういえば隣のA市に県立の看護学校があったな」
「え...」
「学費が私立より安かったんだよな..」
「そんな学校あるんですか!」
「確かな...奥浜悪いけどパソコン借りていい?」
「いいけど...」
奥浜のパソコンを借り
看護学校のことを調べた
「確か...おっ..これだ」
加奈にホームページを見せた
「うそ...こんな安いんですか?」
「でも県立だから設備は多少古いよ」
「これならバイトしながら通えます!」
「教えてくれてありがとうございます!」
加奈はパソコンの前にくぎ付けになった
「ふぅ~そろそろ帰るか時間も時間だし」
「あら泊まっていかないの?」
「いかないよ..あんたと一緒だと怖いし」
「おい!」
着替える裕也の横で
「でもありがとう進路のアドバイスして」
「んぁ..あぁ..なんか悪かったかな?」
「ううん..決めたみたいだから安心だわ、もう普通の女の子みたい!」
「そうだねぇ..」
「無粋だけど、その学校は奨学金は使えないみたいだぜ..」
「一括で三年間分の学費を振り込むか月で分割みたいだそうだ」
「そう...」
「出すの学費?」
「そのつもりだけど..だめかな..」
「だめ云々よりそこはちゃんと話せよ二人で」
「分かったそうする」
「そんじゃ!来週から俺は通常営業だからよろしく」
「了解!」
裕也は車に乗り込み帰路に着いた。