加奈と奥浜
「彼女があんたに介抱されたときも私も聞いた」
と言われ言葉が出なかった
「それから叔母さんに謝礼もらっても断ったこと」
「あんたが叔父さんに冤罪掛けられたってことも」
「加奈からあなたの携帯がつながらないことも」
「全部加奈から聞いたし社長にも言ったの」
「嘘だろ...じゃぁ知ってて..」
「ごめんなさい...」
すると奥浜はこんなことを話した
加奈と奥浜は仲は良いが兄弟間は不仲に近いと
加奈の父親はエリート志向
奥浜の母は普通に生きていけばそれでいいと
兄弟間で何度か衝突があったのだ
「もう3年かな...加奈とは会ってないの」
「...そうだったのか」
思わぬ事実を聞いた
世間は狭いというがまさかここまでとは...
「それと加奈は来週結婚のお見合いがあるの」
「そっか..」
「彼女は高校卒業したらおじさんが決めた相手と...」
「もういい分かった...」
「今までのモヤモヤが分かったよ」
「奥浜協力してくれないか」
「え...」
裕也はあることを告げた
そして加奈の見合いの日
二人は料亭の一室にいた
「あんたここ...」
「さぁて本当になったるか」
と料亭の手洗いに向かった
すると奥浜が手洗いから出て来た加奈と会った
「加奈!」
「茉希ねぇちゃん!どうして!」
「いいから話を聞いて」
「あなたは結婚する気あるの?ないの?」
「あるわけないじゃん相手29だよ」
「よしじゃあこれおじさんに渡してきて」
と一枚の用紙を渡した
「渡したらすぐここにきて」
「うん」
加奈は父に渡した
すぐ部屋を出た
「待ちなさいなんだこれは」
用紙には
あなたから離れますこの婚約も破棄します
と書かれていた
「加奈!待ちなさい!」
と声をあげたが加奈はもう料亭の中にはいなかった
加奈は奥浜と共に車に乗り込んだ
「加奈大丈夫?」
「大丈夫だよ茉希ねぇちゃん」
「二人とも行くぞ」
運転席には裕也がいた
「裕也さん!」
「勘違いするな君を助けたわけじゃない」
「え..」
「これは君のお父さんと俺の親父への仕返しだ」
といい車を走らせる
着いたのは奥浜のマンション
「加奈ちゃんあなたは今日からここに住みなさい」
「え...」
「大丈夫荷物はあらかじめ送ってもらったでしょ」
「そうだけど学校は...」
「学校は気にしないで私から話しとくから」
「もうお父さんに縛られないのよ」
加奈の顔には涙が溜まっていた
「..うん..二人とも...ありがとう...」
「まぁ学校は本人の意思がなきゃ退学はできないから安心しな」
「裕也さんもありがとう」
「感謝される覚えはない」
「さっきもいったがこれは二人に対しての仕返しだ」
「でも裕也さん...」
「俺は親と縁を切るつもりでやったから気にすんな」
すると加奈の携帯が鳴った
スピーカにして
「加奈!お前はなんてことを!」
「もうお父さんの言いなりにはならない」
「いい加減しろお前は私の言うことさえ聞いてればいいんだ」
すると裕也が隣から口を出した
「お父さんお分かりですか?前山です~」
「きっ貴様!」
「ご無礼をお許しください」
「それといいこと教えますよ」
「黙れ!金ならやるだから娘を!」
「悪いけど今回は加奈さんの合意のもとやったから誘拐にはなんないよ」
「それと人を馬鹿にするのは今回で辞めな」
「貴様!私にかかればお父さんの会社が飛ぶんだぞ!」
「悪いけど親父とは縁を切った身だから関係ないんで」
「それじゃ」
といい通話を終わらせた
「加奈君は自由だ」
「ありがとう!」
と言い二人に感謝した