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4話 神の企み

 赤い石の雨が降った翌日。夜明けとともに龍生殿に急使が来た。


 巫女王(ふのひめみこ)選出ノ儀の、本日の開催はまかりならん。

 日延べし、あらためて日を指定せよ――


 それはすめらの中枢、内裏(だいり)からの勅使だった。

 本来ならば、本日はこの上ない吉日。なにをするにも最高の()の日。しかし今上陛下は、赤いきらめきが山に落ちたのを不吉なしるしと感じたという。

 灰色衣の墓守たちは、ホッと緊張をゆるめた。

 聖なる舞台の祭壇がくれないの龍によって破壊されたので、彼らは大慌て。復旧のため儀式延期を申し入れるべきかと、夜通し相談していた。猫の首にだれが鈴をつけにいくか、という答えの出ない問題を。


 儀式の期日はタケリ様が決めた。陛下や元老院が指定してくる前に、この日にせよと強引に言い張った。さもなくば山を揺らす――そんな言外の意味を含めて。

 タケリ様が鍵による制御を受けていないのを鑑みてか、陛下はその日でよいと譲歩してくださった。

 それなのにこちらの都合で日を延ばすとは、心苦しいどころの話ではない。

 陛下からの思し召しは、実にありがたい――墓守たちはそう思ったのに。


「儀式ができぬ? 星霊祝祝、最高の日和だというに。祭壇などなくても、どうにかなるだろうが!」


 滝の奥から顕現したタケリ様は、急使が来たと知るとたちまち怒り顔。ごうごう吠えて、黒髪様の巫女たちを呼びつけた。


「墓守どもに、三日後に儀式を行うよう命じた。そなたらは我が巫女王(ふのひめみこ)のために、支度の箱を今一度そろえよ」 


 鈴鉢をいくら鳴らしても出てこないのに、自分の都合のときにはこれでもかと光を放ち、神様然として現れる。無敵の力を持つゆえの余裕と驕慢、ここに極まれり。

 巫女たちは内心憤るも、怒りを押し隠し。深く深く平伏し。果敢にも願いたてまつった。


「おそれながらタケリ様。どうか我が家のしろがねをお返しくださりませ。我ら黒髪様の巫女団、我が君の消息を占いたく思っております」

「しろがねはんは我が家の一員にして舞い手。神意を探るには、あの娘が必要です」

「どうかお願い致します」

「どうかお願い致します」


 残念ながらとりつく島などまったくなく。輝くものは勘気の息を吐き出した。


「ふん。なんだかんだ適当に理由をつけおって。そなたらも、あの龍蝶は清らでないから、女王ひめみこにしてはならぬと思っておるな?」

 

 とはいえお怒りの咆哮はだいぶ手加減されたものだったらしい。巫女たちを守ろうとした三十あまりの鬼火が、舞台周りの湖にどぷんとぷん。ただ、吹き飛ばされただけであったから。

 しかし――


「我はあの娘以外の巫女王(ふのひめみこ)は認めぬ。よいな、披露目のときまで固く口を閉ざし、我があの娘を娶ることを口外するでないぞ。我は帝に、その場で決めさせる(・・・・・・・・・)。制御など怖くはないわ!」


 タケリ様の声はすさまじく、聖なる舞台はぐらぐら揺れた。巫女たちが立つことかなわず、地につっぷし続けたほどに。


「あの腐れ龍」「困ったのう」


 閉口した巫女たちが、命じられたことを渋々こなす一方で――。

 龍生殿の墓守たちは一日かけて、お山を探索した。えらく降り注いだ赤い塊の正体はなんであろうかと、灰色の衣をひるがえして山中を歩いた。

 そうして彼らは見つけたのだった。

 天つく巨大な杉が林立する森のただなかで。真っ赤な龍がだららと杉の木から垂れているのを。



「くふふふ。あははは。ほほほほ! あはははは!」



「ふ……花龍(ファーロン)さま!!」

 墓守たちはおののいた。紅の龍は無残にも、尻尾から喉元まで鋭い杉に串刺しにされていた。しかしそんなおぞましい様でいるのに毛ほども苦しがっていなくて、声高らかに(わら)っていた。


「ふふふふ! あははは!」


 くれないの龍は勝ち誇った様子で恐れるものたちに命じた。


「灰色の導師どもよ。わらわの巫女を呼べ! 太陽の巫女王(ふのひめみこ)を!」


 かん高い嗤い声は不気味に山にこだましていた。いつまでも。いつまでも。





「おのれ人間ども……愚かなり!」


 タケリ様の吠え声とともに、クナのまぶたが開いた。身を起こすと、熱い波動に包まれていたあたりが一気に冷える。タケリ様が勘気をすっと引っ込めたらしい。

 夢でいま一度、黒髪様の美声を聴きたい――

 そんなクナの望みは叶わなかった。光が与える魔法の眠りでは、夢を聴くことはできないようだ。

 

(黒髪さまは、「死んだ」……)

 

 残酷な言葉を聞いたとき。涙があふれて止まらなかった。光は宥めるようにりんりん優しく歌ってくれたが、なんの慰めにもならなかった。

 

(糸巻きに願いをこめたのに。あたしの祈りの力じゃだめだったの? 加護の力なんて、ぜんぜん出なかった?)


 たかが一(ろう)の巫女の祈願力など、ないも同然だったのか。だから黒髪様は生死不明になったのか。女神のあの子だったら、黒髪様を守れたかも……

 そう思うと、クナの心はぐちゃりと押しつぶされて。またもやじわじわ涙がにじんできた。  


「ああ、泣くな。霊撰(れいせん)をお食べ。薬草を編み、焼き上げてある。滋養豊かだ」


 光が、薄くて大きな円盤をクナの手に乗せてくる。

 お腹がひどく鳴っていたから、なんとか口に入れたけれど。それはとても甘くてさくさくでおいしかったけれど。まぶたを腫らすクナは半分も食べられなかった。

 寝床はあたたかい。食べ物はおいしい。光は優しい。なのに涙は、止まらない……。

  

「わが龍蝶よ、迷信深い者どもが愚かなことを言ってきたぞ」


 暖かい光はくつくつ笑い、なだめるようにクナの頬を撫でた。


「使いが来て、我らの結婚を日延べしろとほざきおった。花龍(ファーロン)が赤いウロコをそこらじゅうに撒き散らしたのを、人間どもは凶兆とみなしたらしい。バカで愚かなものどもよ。赤いものがチラチラ降っただけで震え上がるとは」

 

 内殿から衣が届くまでまとっていろと、タケリ様はひなたの匂いのする熱の渦をクナにまとわせた。重さがなく、ただぬくもりだけ感じるものだ。花龍(ファーロン)に脱がされた鉄錦(たたらにしき)は、残念ながら炎の息吹で溶けていたという。


花龍(ファーロン)は龍蝶を目の敵にしている。一番はじめの主人であった龍蝶があれを……いや、おぞましい話はいらぬな。あれの主人だった者とそなたは違う。あれもいずれそう理解するだろう」


 そなたがまとっているのはましろに輝く我が光だと、タケリ様はうっとり囁いた。


「美しい。ずっとこのままで良いかもしれぬ」


 おいで、と光が背を押してくる。クナはふわりと寝床から降ろされた。

 そのままふわりふわり。宙に浮きながら、クナは光に運ばれた。

 

「聴こえるか?」


 滝の音がしなくなったところで聞かれた。

 

「この音が聴こえるか?」


 耳をすませば、すうすうこぽこぽ。何かがまどろんでいるような寝息が、あたりからいくつもあがっている。


「ここは龍の子のねぐらだ。我の子どもたちがまどろんでいる。災厄から都を守って癒えない傷を受けたゆえ、永い眠りについているのだ」


 光の声がこだまする。天井高い洞窟らしく、ずいぶん湿って生暖かい。たちまちじっとり肌が汗ばんでくる。


 すうすうこぽこぽ。きゅるるる。


 聴こえてくる音はどこか可愛らしい。もっとあえかな寝息や、ずうずううるさいいびきらしいものも聴こえる。子供の龍はそなたぐらいの大きさだと、タケリ様はひときわ愛くるしい呼吸音の前にクナを運んだ。


「猫のように丸まって寝ているぞ」


 触れてみよと言われたので、手をおそるおそる伸ばしてつけてみると。固い皮膚からじんじん心地よい熱が伝わってきた。つややかで、ほのかに柔らかい。

 子はかわいいと龍の父は自慢したけれど。光の声は突然フッと陰りをおびた。


「我は半有機体。体が金属の部分もあるが、花龍(ファーロン)とその子らは生身だ。遺憾ながら、みな宝玉に支配されている」

「ほうぎょく?」

「人間が龍を制御するために、遺伝子を改造してつけた器官だ。ここの龍はみな、額に宝玉がついた状態で生まれてくる。宝玉には、すめらの帝に服従し、その宮処(みやこ)を壊してならぬという本能が組み込まれているのだ」

「それは……龍は、けっしてすめらの陛下にさからえない、ということですか?」

「その通りだ。太陽の巫女王(ふのひめみこ)は帝の勅命に生贄を添えて、花龍(ファーロン)に龍の子を授けてくれるよう乞うた。勅命であるならば、我ら龍は拒めぬ。何か見返りを要求しながらも、従うしかない」


 宝玉に組み込まれた本能は、とても強力らしい。勅令ゆえに、将軍たちに与えられた龍は大人しく主人に仕えているという。

 タケリ様はクナに子龍の額を触らせた。

 

「つるつるで……熱い」

「血のように真っ赤な玉だ。脳髄に直結しているゆえ、取り出すと死んでしまう」


 いまいましい――タケリ様はぐるぐる唸りをあげた。


「災厄で我らの子はほとんど死んでしまった。何百という数を誇ったのに、生き残ったのはほんの数十頭ほどだ。帝がすめらを守れと命じた結果こうなったというのに……花龍(ファーロン)は帝に対しては少しも恨みを抱けぬ。宝玉に組み込まれた本能のせいでな」

「もしかして、タケリさまの額にも宝玉が?」 

「ついているが、我のは生まれながらにして形成された器官ではない。人の手でじかに埋め込まれたものゆえ、はなはだ気持ちが悪いのだ」


 タケリ様の宝玉は後付け。しかも本人の力が強大すぎるゆえ、支配力が薄い。そのため帝は、御所にある「制御の御堂」から、強力な命令波動を発してくるそうだ。

 巫女王(ふのひめみこ)がもつ大鍵は、その波動を中継してタケリ様に浴びせるためのものだという。

 

「実にいまいましい。帝など非力な人間にすぎぬというのに、我はそやつに従わねばならぬ。だから我は一日も早く、そなたに大鍵をもたせたいのだ」

「陛下のご命令を伝えるものを、あたしに?」

 

 かっと熱い光がクナの鼻先ではねる。顔を近づけられたのだろうか。


「大鍵は、帝と巫女王(ふのひめみこ)が直接通信しあうためのものでもある。帝は選別ノ儀においてじかに、巫女王となる者にその鍵を手渡す。他のものは立ち入れぬ聖なる場所でな。つまりそなたは帝と二人きりになる機会を得る。そのときしてほしいことがあるのだ」


 じりじり。クナの顔が大いなる熱でほのかに焼けた。


「なにを、すればいいんですか?」

「帝に、そなたの甘露を飲ませてくれ」

「え?! 甘露……を?!」

「龍蝶の甘露で帝を我ら(・・)のしもべにするのだ。そうすれば我らは大鍵でもって、逆に帝を操れる。そなたの甘露の力はそれほど強力なのだ。だれもがそなたの虜になるぐらいの力を持っている」

「そ……それは! ま、待ってください! そんなこと、だめですっ!」


 だめなものか。我らがすめらを統べるのだ。

 囁く光が熱を帯びる。カッと火がついたように熱くなる。光はみるみるあたりの空気を乾かした。


「我はこれ以上、我の家族を失いたくはない。愛するそなたと共に、我の家族を守りたい。人間どものために、我が子が犠牲になるなど。もう耐えられぬ」


 きゅるるる。きゅるるる。

 あどけない寝息が聴こえる。目の前で眠っているものは、健やかな夢を見ているのだろうか。


「家族を守る……」

「龍蝶よ。どうか我らを人間どもの支配から救ってくれ」

「で、でも陛下を操るなんて、そんなことだめです! できませんっ」


 全身粟立ち震えながらも、クナは答えた。

 すめらを統べる? この熱い光とともに? 

 そんなだいそれたこと、できようはずがない。帝を操れたら、龍は自由になったも同然。強大な神の力が野放しになる。

 子を失って人を恨んでいるタケリ様は、すめらの帝にどんな無理を言うだろう? 

 

「我が龍蝶よ。そなたとて、人間どもに虐げられる身。我らと同じではないか」

「たしかに辛いと思うときはあります。でも、だからといって誰かにひどいことをするなんて……で、できませんっ」

「ぬう……」


 光がくるくるクナの周りを取り巻く。かっかと弾ける音を立て、いらついているのを抑えているように。本当は力づくで言うことを聞かせたいのを、こらえているように。

 

「くそ、触れられぬ。抱いて骨抜きにしてやりたいのに」


 タケリ様の呻きに、クナはびくりとおののいた。鉄壁の刻印の加護。それがなくば、タケリ様はクナの体を犯し、心をとろかすのも辞さぬというのか。つまり無理やり言うことをきかせたいというのか。


「龍蝶よ、頼む。我は我の家族を守りたいのだ」

「家族……」


 うろたえて後ずさるクナの耳の奥で、「家族」の声が聴こえた。

 巫女たちの歌声。鬼火の燐光の燃焼音。そして――


『君を護る』


 水晶を打ち鳴らしたような、美しい声。

 とたんに、さびしさと恐怖がクナを捉えた。独りここに連れてこられて。ひどい目にあって。恐ろしい提案をされて、もう限界だった。いますぐ帰りたくてたまらなかった。「家族」のもとへ。


「あたしも……守りたいです。あたしの家族を守りたいです。いますぐみんなに会いたい……みんなの声を聞いて、無事を確かめたい。奥様たち……アオビさん……黒髪さま……」

「あの男は死んだ」

「し、死んでないです!」

 

 頼りたい人がそばにいない心細さに耐えるため、クナはすがった。

 自分にとって一番大事なもの――自分の信念(こころ)に。


「龍蝶の魔人は不死身だって聞きました。だから、死んでないです!」

「我の言葉を信じぬのか」

 

 クナの目からぼろっと涙が落ちた。恐ろしくて。どうして良いか分からなくて。どっとしゃがみこんで。クナは叫んだ。切に願っていることを。


「黒髪さまは、きっと、生きてます……!」

 




 縁側から巫女部屋に、ほのかな夜風がしのび入る。

 昨日よりさらに寒さがやわらいで肌にぬるい。春がもう来ているようだ。

 几帳を背に座る九十九(つくも)の方は、ひたひた自身の腕に軟膏を塗りながら狐目をひそめた。


「まったく。ていのいい使い走りや」

 

 赤い龍からくらった炎の跡がいまいましい。今朝方いけしゃあしゃあと出てきたタケリ様はもっといまいましい。そう言いたげである。

 予定が変わったので、本日も日がな一日、巫女たちは内殿の参拝客をさばき、供え物を記録し。掃除洗濯にいそしんだ。タケリ様のご命令である箱の支度も、いちおう進めた。物をそろえるには、三日はぎりぎりの日数だ。

 しかしアオビがさらに増えたおかげで、仕事はずいぶん楽になっている。


「あの腐れ龍、甘露で頭が溶けてるとしか思えまへん」


 これ、口を慎めと狐目の人に手を振り振り、百(ろう)の方は蓋をあけた軟膏瓶の臭さに顔をしかめた。


「純朴なしろがねのことを本当に好いておるのかもしれぬぞ。しかしまあ、儀式の場であの子を認めろと、陛下に凄むつもりであったのは間違いなかろう」

「陛下を脅す? 龍たちは服従の呪いをかけられてるそうやないですか。そんなことができますのんか? まあ……あの若造ならば、龍の豪気に怯むかもしれまへんけど」 


 やけどした頬にべったり軟膏を塗った百(ろう)の方が、ため息混じりに脇息(きょうそく)にしなだれかかる。九十九(つくも)の方はその冷めた顔から、きっと同じことを考えていると確信してにやとした。


「いずれにせよ、内裏が儀式を延期させたは、何か理由がありますのやろ。ただ()を気にしただけとは思えまへん」

――「奥様方、失礼致します」

 

 声をひそめて九十九の方が囁いたとき。アオビその壱が部屋に入ってきて、几帳の向こうに控えた。


「タケリ様がまた顕現されました。みなさまを舞台にお呼びです」

「また呼び出しか」

「今度はなんや?」

「今から舞台で卜占をせよと。し、しろがね様を連れてきておられます!」

 

 転瞬。黒髪様の巫女たちは神楽の楽器を抱え、聖なる舞台に走った。

 まごうことなくしろがねの方は舞台にいた。滝が落ちるところできらめく黄金の塊の前で、がくがくと震えながら。


「しろがね!」「無事か!」「しろがねさまっ」「ああよかった!」


 わららと四人の巫女が、白い光をまとう娘に群がる。

 大丈夫か、大事ないかと娘はみなから抱きしめられた。しかし娘はただただ震えるばかりで、ただのひとことも言葉を発しなかった。白い肌はいつにもまして血の気がなく、顔は真っ青だ。口をパクパクさせ何か言いたげだが、声にならない。

 

「これは……」

「く……うちの子に何するんや!」


 娘の異様な気配に気づいた九十九(つくも)の方が、ぎりりと黄金の光をにらみ上げる。

 

「呪法で口を封じはるなんて、なぜや!」

「そなたらと余計な言葉をかわさせたくないのでな。奥宮に戻したら言葉を返す」


 黄金の光はこともなげに答えた。


「そなたらは、黒髪のトリの生死を占うことを望んでいたな? 寛大なりし我は、お前たちの望みも叶えてやる。いますぐ巫女の技を行使して、我が龍蝶と共に占え。そのために、この舞台を三色の神のために使うことを許そうぞ」

「ぬ……それは」

「願ってもないことやけど」


 言葉を奪われた娘が目からほろほろ涙をこぼす。

「会いたかった」と、声のでない口が動いた。そして、「たすけて」とも。

 それはどういう意味かと巫女たちが問いただそうとしたとき。


「さあ巫女どもよ、さっさと始めろ」


 黄金の光がごおうと吠えて舞台を揺らした。

 

「そしてはっきりと、我が龍蝶に示すがいい。あの男は、死んだのだと!」


 満点の星輝く宵空に星がひとすじ流れ落ちた。

 神の言葉をこぼすように。 


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