16話 閉じる世界
真っ赤な黄昏を背に受ける影が、ぐんと伸びてくる。
肩を怒らせる影法師が、くくくと笑って杖を突き出す。とたん、杖からどうっとまばゆい光がほとばしった。
「く……!」
光弾は、とっさにかわした九十九の方の頬をかすめて、地に落ちた。
千の火花が四方に弾ける。童女となった人の悲鳴も、弾け飛んだ。びりびりと、子供のような手足に火の粉が食い込んでくる。刺すような痛みが襲い来て、焦げた匂いが鼻を突く。
「容赦はしません」
冷たい声が刺してくる。
なんやこれはと、九十九の方はおののいた。光弾が激しく衝突したはずなのに、大地はまるで無傷だった。おのれの服は焦げている。なれど、足元の草の茂みは青々としたまま。赤い木漏れ日を浴びて、悠然とそよ風に揺れている。
「あたりが焼けてへん……けったいな……!」
「ここは大陸世界とは次元が違います。生まれたばかりの、なにもない世界。大気が膨らんでいる状態で無に等しい。ゆえに、透けているのです」
だから、他の何かを傷つけてしまう心配はない。
トリオンはそう言って、ニヤリと口の端を引き上げた。
「邪魔者は追い出しましたから、私たちは二人きりです。この新世界に、たった二人」
「二人? せやけどあそこに――」
「木に背を預けて眠っている花売り殿には、すでにここから出てもらっています。しっかり見えてはいますが、こちら側にはおりません」
「では、ここにいるのは三人ではあらしまへんか? あんさんが手に持ってはるその箱に、うちの御子が入っているというのなら」
後見人が握りしめる小さな箱を、九十九の方は睨み上げた。
山と見まがうほど巨大であったものが、こんなに小さなものに収まっているなんて、どうにも信じられない。
たばかられている——そうとしか思えなかった。
「三人。なるほどたしかに、肉体は三つありますね」
「御子は……人には数えられへんと、言わはるんですか?」
押し殺した声で問えば、返事の代わりに、杖から光がほとばしってきた。
九十九の方は横へ転げて攻撃をかわした。大地はまたもや、勢い激しい玉を木っ端微塵に砕いて、千々に散らした。びしりびしりと鋭い火花が、九十九の方の白い手足を穿ってくる。
「く……!」
「あなたの子がどうなって、何をしたか、ご存じでしょう? 御子は人ではない。化け物です」
「たしかに……うちの命ひとつでは収まらへんことを、御子はしでかしました。いくつもの街が破壊され、数え切れない数のアオビが人々の魂を喰らいました。白鷹様はその惨事を予知されて、うちらを封印しようとしはりました。せやけど……」
九十九の方は手をついて這いながら、黄昏を背に受ける影にじりじり近づいた。
白鷹様が強硬な手段を取らなければ、御子は暴走しなかっただろう。もとをたどれば、パーヴェル卿が九十九の方を殺そうとしなければ、こんなことにはならなかったはずだ。
だが、いまさら愚痴ってもどうにもならぬ。御子がしでかしたことは重大にすぎる。
破壊。破壊。破壊――
はたから見れば、それ一色しかない。生きとし生けるものすべてを、敵に回してしまったのだ。
だからこそ。
味方がひとりもいない子を、実の母親が、どうして見捨てることができるだろう?
「どんなに恐ろしいものであろうが、御子はうちの子です。箱は決して開けまへん。せやからどうか、腕に抱かせてください」
何もできなかった。
圧倒的な力に翻弄され、御子をなだめることも止めることもできなかった。
今も、言葉が通じるかは分からない。でもせめて、抱きしめてやらなければ。そばにいてやらなければ……
九十九の方は、白鷹の後見人が持つ小箱に腕を伸ばした。
「どうか……!」
「いいえ。この子に慈悲は要りません。これは本当に、生まれてはならないものだったのです」
銀の杖がぶんと唸る。薙ぎ払われた九十九の方は頭を抱え、飛んできた光弾をすんでのところで避けた。ぎりっと歯を食いしばって見上げれば、白鷹の後見人の貌は、ひどく歪んでいた。蒼い瞳は昏く陰り、まるで誰かに殴りつけられたかのように、苦渋に満ちている。
もしかして後見人は、憐憫の情をわずかばかりでも抱いてくれているのだろうか。
御子はまごうことなく州公閣下の息子。まかりまちがえば世継ぎになるかもしれぬ子ゆえ、断罪するのは惜しいと思ってくれているのだろうか。
一縷の望みにすがりたくて、九十九の方は訊ねた。
「あんさんも、白鷹様と同じく予知しはったんですね? 御子が、大地を破壊する様を見たんですね? せやからユーグ州が壊されへんよう、御子が生まれへんようにしたかった……でもそれならなぜ、うちがパーヴェル卿に襲われたときに、助けてくれはったんですか? 白鷹の城が爆破されたとき、うちは絶体絶命やったのに。まさか、あんさんはうちを殺すことを、迷いはったのでは……」
どうか、憐れみの情を出してはくれまいか。そう思ったものの、九十九の方の願いは、口をゆがめた自嘲的な嗤いに砕かれた。
「あなたは本当に、幸運にまみれています。あなたをとりまくすべてのものが、あなたに味方しました。あなたを助けるつもりなど、私にはまったく、ありませんでした。ですがあのとき、しろがねの髪の竜蝶が、あなたの一団の中にいることに気づいたのです。かけがえのない私の伴侶が……」
「伴侶? しろがねはんが? う……あ?!」
「私の伴侶を救うには、あなたを滅そうとするものを排除するしかなかったのです」
後見人の杖の先端が、九十九の方のみぞおちに深く埋まった。刹那、童女は勢いよく後方へ吹き飛ばされた。万年杉の中をいくつもすり抜け、びしゃりと地に落ちる。
地に手をつき、よろめきながらなんとか立った彼女を、異様な嗤い声が追ってきた。
「やはり死にませんか。胴体を貫通したのに。神獣に組み込まれていた肉体は、想像以上に強靱になっているようですね」
鬱蒼と林立する杉の幹をすり抜けながら、杖を掲げる人が近づいてくる。
「残念です……やはりあなたは、老衰以外では死ねなくなってしまっている……」
「なん……やて……?」
「女神よ、教えてあげましょう。あなたはこれから、かぐわしい花園へ流れ着きます。あなたは、御子が入った箱と共に、そこに永らく住まうことでしょう。永い時を経たあと、あなたはようやく寿命が尽きて、やっと天河に召されます。しかしいまわのきわに、あなたは開けてしまいます。御子が入った、この箱を……」
目の前に来た人が、箱を掲げてみせる。
黄昏の光がきらりと、しろがね色のそれをきらめかせた。
「な……今つらつら話していることは、予言……ですか?」
「いいえ。これは予言ではありません。あなたにとっては、これから起こること。ですが今この時においては、すでに起こったことです」
「え……?!」
「箱から出された御子は、死にゆくあなたに打ち明けられます。おまえには、運命の人がいる。その人を探しなさいと。花を食べて成長した御子は、歩けるほどに大きくなったとき、花園の外へ出ます。
彼は、大陸中をさまよいます。迷い歩くうち、いつしか暖かな花園の記憶は消え失せて、御子は自分がどこから来たのか、母たる人は誰だったのか、すっかり忘れ去ってしまいます。でもただひとつ。母たる人に言われた言葉だけは、決して忘れませんでした」
「運命の人を、探せ……? なぜうちがそんな言葉を、うちの御子に?」
これは、おとぎ話?
白鷹の城にある蔵書には、北五州で刊行されたありとあらゆる本があったけれど。
絵本や児童書の類いはあまり、目に通さなかった。でもなんだか、どこかで聞いたことのあるような話だ……
「剣に真核を砕かれたゆえ、御子にはほとんど神獣の力は残っていません。ですが魔力は相当なものでした。それゆえに御子はついには神官に捕まり、北の果ての寺院に送られてしまいます。それでもなお、彼は伴侶を探します。そうして……ついに見つけるのです。菫色の瞳の、とある竜蝶を――」
後見人の声が途絶えた。天上からばりばりと、何かが裂けたようなすさまじい音がしたからだ。
刹那、驚いて天を見上げた九十九の方の真っ赤な目に、勢いすさまじく飛んでくるものが映った。
黒い流星が降ってくる――
「ああ、本体が来たようですね。空間を閉じたはずなのに、こじ開けてきましたか」
本体とはなんぞやと、目をすがめる童女の前で、白鷹の後見人の姿が光に埋もれた。
光り輝く矢のようなものが雨あられと、彼のもとへ降り注いできたのだった。
「これは……精霊か!」
九十九の方はたちどころに気づいて、目を見開いた。
銀の杖から放たれ広がった光の膜がばちばちと、精霊たちの猛攻を防いでいる。
「なんてたくさんの……! 降りてきはるものが放ちましたんか? あの黒いものは……」
「あなたも……よくご存じの人です」
呻きながら、後見人は片膝をついた。まばゆい雨は止む気配がない。燦々と輝きながら、後見人を襲い続けている。光の攻防を呆然と見つめる九十九の方の目の前に、黒い星が降り立った。
「やめろマクナタラ! この人から離れろ!!」
水晶を打ち鳴らしたような美しい声が、黒いその人から放たれた。
「金姫と私の杖を、返してもらおう!」
降りてきた人はいったい誰か――目を凝らした九十九の方は息を呑んだ。
まさかと驚きで全身が泡立ち、すっかり固まってしまう。
「黒髪……様!! ご無事であらしましたんか! でもなんや、お顔が白い? 肌の色が違う……!」
呆然とする九十九の方の真上で、長い黒髪がたなびいた。
黒髪様は、白鷹の後見人のもとへ走った。駆けるというより、跳躍するかのごとく、一瞬で間合いをつめた。その瞬間、後見人の体が真横に吹っ飛んだ。相当な圧力の波動でなぎ払ったらしい。
黒髪様は突き飛ばしたものを追って、びゅんと一直線に飛んだ。背中に、精霊たちが結合した、まばゆい翼が見える。地に転げた白鷹の後見人は、杖を薙いで大風を起こした。なれど、黒髪様の勢いを削ぐことは出来なかった。
「杖を放せ、マクナタラ」
「放すわけが、ないでしょう? いくら不死身だって、体に穴を開けたくはありません。それよりあなた、黒獅子に食われたんじゃなかったんですか?」
「嫌がられて、吐き出された」
「はは! たしかに、体も魂も大変まずいでしょうね」
後見人がしっかと握る銀の杖の先端が、まぶしく燃えあがる。黒髪様はするりと小首を傾げて、杖からほとばしった光を難なくかわした。
「杖を放せ。その箱は封印箱か? 中にあわれな神獣の子を入れたんだな?」
「ええ、そうです。実にあわれな子が入っています」
万年杉の幹の合間から、投げやりな嗤いがほとばしった。
「遠き時の果てに、母によって解放され、かたわれを求めてさまよう子がね」
「なんだと? かたわれを……探す?」
「あなたはいまだ思い出せないままですが、私は思い出したのです。ある秘術を試して失敗し、我が身とレクリアルを、恐ろしい爆発に巻き込んでしまったとき。あのとき、何もかもよみがえったのです。生まれたときの記憶が、すべて……」
万年杉を照らす輝きが、さらに眩さを増す。杉の幹の間から刺してくる光があまりに強くて、九十九の方は怯んだ。
どうんどうんと、大砲のような爆音が響いてくる。おかげで二人の会話がよく聞こえない。
満ち満ちた魔法の気配が、びりりと頬を打ってきた。黒髪様と後見人は、激しく魔力をぶつけ合っているようだ。
一体どんな様子なのかと、立ち上がって近づこうとするも。杉を支えにしようと思わず出してしまった手が、空を切ってすり抜けた。よろめき倒れてしまう――そう思った瞬間、九十九の方はふわりと、誰かの腕に受け止められた。
「う? 黒い……衣?」
「あーうん、白馬の王子じゃなくてごめんね?」
無精ひげを生やしたむさい人が、ヌッと顔をのぞき込んでくる。一瞬退いた童女などおかまいなしに、黒い衣の男はひょいと彼女を抱き上げた。
「俺、黒き衣のアスパシオン。大陸一かわいいウサギの師匠だよ。なんかあっちで、ひとり喧嘩始まっちゃったみたいだねえ」
「ひとり喧嘩?」
「あいつら、もともと一人だったんだけど、黒の秘術で魂を真っ二つにしたんだよね。あいつらがすったもんだやってる隙にとんずらしようぜ、お姫様」
「せやけど、うちの御子が――」
「あ、神獣の御子か。それ忘れてっちゃいけないな。えっと、御子回収する前に、オルゴオル拾わせて。トリオンにどつかれて、落っことしちゃったんだけど……」
ウサギの師は黒髪を揺らし、きょろきょろとあたりを探った。そして、ぱっと明るい貌をして、眠り呆けている花売りのもとへ駆け寄る。
「あったー、オルゴオル! この世界を押し広げてるすっごい機械! って……あれ?」
ウサギの師が伸ばした手が、花売りのそばにある小さな箱を取ろうとして、スカスカとすり抜ける。
たちまち彼は困惑して、困り果てたように周囲を見回した。
「え? もしかしてオルゴオル、大陸世界にある? じゃあ、ここの世界って、もう広がってない? ってことは……うそ、まさか縮んでる?!」
やばいと叫び、ウサギの師は血相を変え、一目散に黒髪様と後見人のもとへ走った。
「おい! この次元、閉じちゃうぞ! おまえたち、早く出ろ!」
「ああ、アスパシオン様。戻ってきたのですか?」
片膝をついて銀の杖を構える後見人が、冷たい言葉を投げてきた。語尾に力を入れると同時に、ばしりと黒髪様が放った精霊弾を打ち払う。
「すみませんが、部外者は出て行って下さい。今とても、忙しいんです」
「なんだよ、その全然余裕な顔! あ! トリオン、もしかしておまえ、わざとオルゴオル、外に放り出しただろ!」
「わざわざ指をさしてこなくて結構です。ええ、ここはじきに無になります。追い出してあげたのに戻ってくるなんて、いけませんね。その人を私に渡して、去って下さい」
「だめだ。杖と箱を渡せ、マクナタラ。その杖で、黒の導師を攻撃することは許さぬ」
ウサギの師に狙いを定めて杖を振り上げた後見人を止めようと、黒髪様が手を伸ばした。杖を掴み、強引に奪い取る。ばりばりと結界が割れる音が、九十九の方の耳をつんざいた。
「分身ごときのたわごとなど聞かぬ。何を思いだしたか知らないが、封印箱も早くこっちへ渡せ」
「いいえ。渡せません」
白鷹の後見人は箱を抱いてあとずさり、結界を張りながら叫んだ。
ぎりりと歯を食いしばるその貌の異様さに、九十九の方は驚いた。
今にも噛みついてきそうで、唸り声が聞こえてきそうな必死の形相。とりあげられまいと箱を握る手が、ぶるぶる痙攣している。
「箱の中から出された子は、この女が望んだ通りに、運命の伴侶を探して、ついに見つけ出しました。でも、幸せにはなれませんでした。伴侶は、災厄を消すために自ら死んで、去ってしまったのです。あんな絶望を味わうぐらいなら、永遠に封じられたままでいる方が、百万倍ましです……!」
「マクナタラ? 何を言っている?」
黒髪様が眉をひそめて、おのが分身に近づく。とたんにひゅんひゅんと、白鷹の後見人の周囲で風が舞った。魔力で起こされたそれは、たちまちごうごう唸りをあげ始めた。
「この女を消せば、何も起こりません。この女が封印箱を開けることも、御子が永く辛い放浪を始めることもありません。伴侶を失うあの絶望を、味わうこともありません!」
「……待て。まさかこの御子は」
黒髪様の片眉がくわりと上がる。
「箱の中の御子は――」
黒髪様の視線が、背後に流れた。ウサギの師に抱かれている童女に向かって、まっすぐに。
蒼い双眸が、金の髪の少女を穿つように見つめる。しかしすぐにそのまなざしは、うろたえるような動揺の吐息とともに伏せられた。
分身から奪い取った杖をぎりりと握りしめ、黒髪様はぼそりと呟いた。
「あの金髪の姫が、我らの……? 嘘……だ」
腕にはめている小型の伝信球が点滅したので、白いウサギは太い円筒の操作盤から視線を移した。
時計のようでそうではない伝信球は黄金の円盤で、十二種類の丸い宝石が付いている。
濃い朝露をとじこめたような蒼鋼玉がびかびかしているので、ウサギは魔法の気配を降ろして回線を開いた。
「はいこちら、ツルギ塔。ああ、モエギか。鏡姫が準備完了? ずいぶん早いな。俺の予測じゃ、あと三日はかかると思ったのに。わかった、こっちに連れてきて。スミコちゃん、今ここにいるから」
ウサギは満足げに鼻歌をかましながら、白い再生液に包まれた円筒のふもとに視線を戻した。
「よし、あとは神獣の御子の件が片付けば、ひと安心だな。赤毛くんご依頼の仕事が完了すれば、竜蝶の帝に全力で当たれる」
竜蝶の魔人は誰もが不死身だが、その能力は生前持っていた力に比例する。
竜蝶の帝は生前人間であった魔人よりもはるかに強い。もとは、人より段違いの魔力をもつ竜蝶であったからだ。
神獣から切り離したとて、そう簡単に御せる相手ではない。
欲を言えば白鷹の後見人が加勢してくれるといいのだがと、ウサギはおよそ実現しそうにないことを想像した。
「あいつ、本体とほんとに仲悪いからなあ。やっと見つけた伴侶なんだからって、レクちゃんのこと取り合って。スミコちゃんにも、しつこくしたみたいだしなあ。いやもういっそ、黒髪とひとつに戻ったら良くね? 黒き衣のトリオンが元に戻ったら、竜蝶の帝と楽に戦えそうだし。スメルニアの真の支配者も、あっというまに……」
――「おじいちゃん! 異次元の波動計測値が、すごく異常です!」
しかして、鼻歌が流れた時間は数拍もなかった。
円筒が林立する部屋に、赤毛の妖精がひとり、飛び込んでくる。ウサギに命じられて、異次元の様子を受信器で捉えていた子だ。
「いきなり縮んできて、消えてしまうと思ったんです。そうしたら急に渦を巻き始めて、ものすごい熱量が発生してます!」
「え? 渦? そんなもの、生成されるわけ……」
ウサギはみるまに怪訝な顔をして、円筒が立つ部屋から飛び出していった。
とぷりとぷり、残された円筒から奇妙な音がたつ。
とぷりとぷり。たぷりたぷり。鼓動のようなその音に合わせて、真っ白な液体の中にいる子の頭が、かすかに揺れた。時を刻む、時計のように。
眠るその子は、意識を深く落としていて、夢の中に沈んでいた。
これから起こることなのか。すでに起こったことなのか。どちらか分からない夢の中に。