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1-4

……さて馬鹿が放った火球がこちらに到達するまであと目算0・5秒ほど、どう対処しようか?

1、魔法で打ち消す……ミカン大の大きさの火球しか撃てない自分の魔力では討ち負けるであろうし互いに正面から同程度の威力の魔法をぶつけるのは難しい。さらにサッカは魔力だけは厄なことに常人より高く相殺は困難―――――却下。

2、回避……不可能ではない、しかし自分の横にはもう一人の悪友がいる。魔法学部の制服でもあるローブは少々重く嵩張るが事故防止為の耐火、耐刃、衝撃緩和機能が付属し戦闘にも使える優れものである。しかしそれでも完全に威力を削ぐことは不可能であるし当然肌の露出部には効果が無い―――――却下。

3、そのまま受ける……却下、ローブがあるとはいえ多分熱いし痛い。自分はMではない。ともすれば……

「はっ!」

グレイは瞬時に傍にある机を掴むと火球を叩き落した、この実習室にある器具はどれも丈夫に作られており簡単には燃えないし壊れない。そして返す刃、もとい机でサッカの顎を跳ね上げた。

「そおい!」

「ぶべっ!?」

1メートルほど浮き背中から床に落ちる。

「な、なにをする貴様!」

「こっちの台詞だ!危ないだろうが」 

「殴ることはないだろう!しかも机だぞ!」

「反省が足りんと見える」ガゴッ「痛っ!やめんか!」「ああ、お前が魔法使うのをな」「ごっ、机はやめてくれ!」

「『ファイア・ボール』♪」

「「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」

突如として後ろから飛んできた火球?いや、ハート型の炎の塊を慌てて飛びずさり回避する2人。床も丈夫に作られているため炎はそのまま鎮火した。

「にゃはは♪頭冷えた~?」

「肝の方がな!」「貴様!冷えるどころか燃えていたぞ!」

「にゃははは♪」

 ポニーテールで纏めた赤髪を揺らしながら少女が笑う。

「相変わらずサッカはノーコンだねー、そんなので魔術師なんて名乗れるにょーん?」

「フン!フレイこそ何だ?さっきの趣味の悪い魔法は!」

「むむ、可愛らしいハートじゃないのさ!まったくこの趣味が理解できないなんて・・・やっぱ脳筋はだめだにゃー」

 やれやれと首を振るリリアにくってかかるサッカ。

「な~に~!?だれが脳筋だと!」

にわかに騒がしくなった教室だが

「そこっ!うるさい!これだから落ちこぼれは・・・」

甲高い声を荒げ注意するこのクラスの委員長である。痩せた体と度の強い眼鏡、茸に似た髪形をもつインテリの代名詞とも思われる格好をしている。名前は確かリードといった。

クラスメイトはまたか……という風に3人を見て笑ったり呆れたりしている。

「……すいません」「ふはは!スマンスマン!」「すいませーん♪」

「フンッ」

魔力の低い自分、制御ができないサッカ、勝手に魔法に独創性溢れるアレンジを加えるフレイは落ちこぼれ3人組としてクラスから認識されている。


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