第四章 遠征 4-1
リメリア護国学校の生徒は各種生活支援の代わりに第二線の兵士として働く義務も課せられている。主な任務としては2年から3年にかけては首都近くの街道の哨戒、4年からは各地の街に配属され半年ほどその指導下で任務に当たる。
各地の街はそれぞれ農業都市や工業都市などそれぞれの役割を持って建設されており互いに必要な物資を交換し合い成り立っている。街道はその物流の要でありそれぞれの街の生命線とも言える。
定期的に正規兵が街道の安全の確認及び周辺の悪魔の駆除を行っており、さらに日時を決めて各都市間を行き交う商人と荷物の護衛を大規模に行っている。この際数多くの商人や旅人が参加するため『キャラバン』と呼ばれるようになった。
しかしながら全ての人がキャラバンの参加するわけではなく、個人商人や急ぎの用事で行き交う人も少なくは無い。そのような人々は用心棒や傭兵を雇うことも多いが悪魔の集団に出くわしたら危険である。首都周辺は交通の量も多く通じている都市の数も極めて多い為より一層の街道の安全が大事となる。そこでリメリア護国学校では学生の習熟も含めて首都周辺の街道を哨戒させ首都周囲の安全性を高めている。
哨戒任務は各班ごとに別れて行われる。1班は普通11人からなり一般兵科学部5人、騎士学部、魔法学部3人で成り立ち騎士学部の者が班長を勤める。
備品として馬車2台と偵察用の馬一匹、および各種食料、医薬品、武具等が積まれている。斥候として偵察に向かうのは主に軽装の一般兵科学部であることが多く、御者は騎士学部が務めることが多い。一般兵科学部が御者を務めることもよくあるが魔法学部は馬術については最低限のことしか習わないため馬を操ることは殆ど無い。




