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3-2

 かつて『大荒廃』以前はブレス等の魔法に似た超常現象を引き起こす魔獣と呼ばれるものはすでに存在していたがそれらは野生に存在するものであり、時に人間を傷つけることもあったが積極的に襲うこともなく広く見ればそれらは普通の獣と変わることはなかったし一部には飼い馴らされて人間に有益なものさえあった。

 人口は現在の数十倍とも言われ、平野には家が立ち並び街道の両脇には絶え間なく店が軒を連ねていたと言われる。現在でも街道の脇には朽ちた建物や建物の残骸が存在し当時の盛況振りを垣間見ることが出来る。               

 町や村というものも存在したが城壁もなく区域の境界付近にも普通に民家や店舗、畑や田があり行政的な意味合いでの市町村としての区分けが目的だったようである。

 また、交通機関も発達しており網の目のように張り巡らされた大小の道を膨大な物資と人が輸送されていたようであり深い山にさえもその網は伸びていたといわれる。活発な資源の移動は様々な経済効果と遠方の特産物や嗜好品の普及による新たな文化を生み出しており人々は飽食と享楽の日々を送っていたといわれる……しかしそれは今現在だから言えることでありその当時の人々も各々悩みを抱えて日々を精一杯生きていたのであろうことは想像に難くない。

 国間でのいざこざはあったが大抵は小競り合いであり外交的な条件を引き出そうとしたものであって戦争にまで発展することはなかった。普段は戦争などを起こすこともなく、経済的な争いは各国家間で常日頃行われていたがそれもまた経済の発展に大きく寄与することとなっていた。

 よって徴兵制度も無い国が殆どであり職業軍人からなる最低限の兵力しか有さない国が多かった。その軍事力も他国からの危機感を煽らない程度のものであった。豊かさは人間から直接的な暴力を奪うことに成功していたようである。

 だが現在は村や町は城壁や高い塀と深い堀に囲われ人々はその中で生活している。互いの市町村はそれぞれが孤立しており街道には強固に作られた休憩所や倉庫も存在するが大きな道路に限ったことであって村や町を繋ぐ道は主要なものを除き使われなくなり細い道はもはや獣道と惑う程である。

 現在街道を通る者の殆どは行商人か貨物馬車、またその護衛でありかつてあった『旅行』という風習は廃れてきている。

 これらによりある程度の物資の輸送、特産物の売買がされるとはいえかつてに比べれば雀の涙ほどの流通量であろう。

 農業や特産物に関しても安全な土地の確保が問題となっており、特産物を採取する際にも周囲を十分に警戒する必要がある。農業も村や町の外部に高い鉄柵で覆われたスペースを作りそこで作物を作っており総生産量はかつてよりも大幅に少ない。ただしスペースの有効活用を追求した結果品種選別や栽培法により単位面積当たりの生産量はかつてを大きく上回っている。柵には一定間隔で歩哨が常に警戒に当たっており農業従事者の安全を守るようにされている。

 安全のためにかなりの数の兵士が存在しており街道の安全確保や脅威の除去、さらには警察の役目もこなしている。

 また、経済基盤も何もかもが無茶苦茶となってしまったがそれでも『大荒廃』直後に比べれば遥かに回復しており年々行商人と動く貨物の量は少しずつではあるが増加傾向にある。

 かつては王族と忠誠を誓う貴族により王政が為されていたが『大荒廃』により王族は今も眠り続ける王女であった聖女リメリアを除き絶え、貴族も領地制度が荒廃により成り立たなくなってしまった。

 しかしながら最も私兵を有していたのは貴族であり、現在でも領地という概念は失われたがかなり強い権力を保っている。現在は聖女リメリアが目覚めるまでの代理という名目で王政に代わり貴族院での会議によって政治が行われている。貴族たちは領地をもつことは無いが国の有力なポストに就いている。

 『大荒廃』、これが全てのターニングポイントとなった。


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