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08.教会

10/31:誤字修正

教会に向かう馬車から私は街並みを眺めていました。

家の造りは同じに見えるのに材質が違うためか全く違う建物に見えます。

建物を見ながらこれからいく教会の事でレオ様に聞いてみようと石板に文字を書きます。

この馬車には今はレオ様とサラとリゲと私の4人です。

ディートフリート殿下は別ルートで行くという事でこの馬車にはおりません。

別ルートと言いながらディートフリート殿下は私達を見送りながら屋敷内に戻っていきました。

あれは単に遅刻していくってことでしょうか。

そう考えながら石板に書いた文字をレオ様に見せます。


『教会は国によって違うのでしょうか?』

「教会の仕組みはどの国も同じだと思います。

 わたしも聞いたことがあるだけで、他国の教会へ行くのは今回が初めてなんですよ。

 ただ、ルーチェは光の宝玉を扱う事からか女性の方が多いらしいです」


レオ様の言葉に私は驚きました。

我が国の教会には男性の方しかいないからです。


『女性の方は他の国でもいらっしゃるのでしょうか?』

「逆に女性の神官がいないのはわが国だけだと思いますよ」


レオ様の言葉に更に驚きです。

サラとリゲルを見ると2人とも驚いた形跡はありません。

まさか私が無知なだけなんでしょうか。


「他国の教会について知っている人は少数だと思いますよ

 特に我が国の教会に良いイメージを持ってる方は少ないでしょうし」


レオ様の言葉に私は首を傾げますが、レオ様は苦笑するばかりです。


「教会が見えてきましたよ」


レオ様の言葉に外を見れば真っ白な建物が見えてきました。

我が国の教会の倍以上の大きさではないでしょうか。

入り口を見ると色々な方が出入りしているように見られます。

我が国では教会に普段行く人はほとんどいないと言っていいはずです。

国が変われば異なるという事でしょうか。

そう考えていると馬車は教会の裏手に止まります。

今回の件は内密にという事で裏口から入ると聞いていたので、裏手にいる事には疑問はないのですが、何故別ルートで行くと言った殿下が立っていらっしゃるのでしょうか。

私達のが先に出たはずなのにどういう事でしょう。

第2王子殿下は双子ではない筈なので、別人ってことはないばずです。

服装も先程と全く同じですし、こちらが遠回りのルートだったのでしょうか。


「僕は双子でもないですし、貴女方が遠回りをしたわけでもないですよ?」


考えながら馬車を降りた私に殿下はにっこり笑って言うではないですか。

殿下は心が読めるのでしょうかと考えていると殿下はくすくす笑い出したのです。


「貴女は声が出ないと聞いてますが、顔に思ったことが出るのでわかりやすいですね。

 僕がどうやってここに来たかは秘密です」


殿下の言葉に私の顔が赤くなるのがわかります。

淑女は思ったことは顔に出さない事と常に言われているのに、王子様に指摘されてしまうとは修行が足りません。

ごめんなさいお母様、私の淑女への道はまだまだ遠いようです。


「では行きましょうか。

 ルーチェ国の神官長には話は伝えてあります」


殿下に誘導されて案内された部屋に入ると恰幅のいいおじ様と妙齢な女性と私と同じくらいの少女が立っていました。


「ようこそ。お話は伺っております。

 私はこの教会の神官長を務めております、イーヴォです。

 こちらがエルマとラウラです」


妙齢の女性がエルマさんで少女がラウラさんと言うそうです。

2人とも笑顔で挨拶してくれましたが、ラウラさんを見た時に私は先ほど感じた殿下と同じ違和感を感じてしまいました。

何故でしょうか。


「では、ディートフリート様と護衛の方はこちらでお待ちいただいてよろしいでしょうか」


神官長の言葉に殿下は頷き、私は不思議な模様が描かれている真っ白な部屋に案内されました。

この部屋には神官長様3人とレオ様とサラと私の計6人です。

本来はサラも待っているはずなのですが、今回だけは特別に同行が認められました。

部屋の中央に描かれている魔法陣の上に座るように言われ座るとレオ様が今までの経緯を話しながら私の肩の具合を見ていきます。


何か4人で話していますが私には聞き取れないのと内容がわからないことが多くて戸惑いながらサラの顔を見ると表情が険しいまま話に耳を傾けていました。

なんだかあの事件の後からみんなの様子が変だなとは思うのです。

でもどう聞いていいのかわからず今現在に至るので、今夜あたりにでもサラとリゲルに思い切って聞いてみようと決意していると神官長様から質問をされました。


「この部屋に入ってから何か不調はありませんか?」


その言葉に私が首を振るとエルマ様が私の隣に座り肩に手を置きます。

ひんやりとした感じがするので宝玉が肩に触れているのでしょう。


「痛みなどありましたら私の服を掴んで下さいね」


その言葉に頷くとエルマ様は何か唱えはじめ、私の肩のあたりがほんのり光っていくのがわかります。

それでも私には何の痛みもなく、ただその様をぼんやりと眺めていました、

やがてエルマ様が立ち上がり、神官長様達とまた話し始めましたが、その顔はやはりどなたも険しいです。

しばらくしてから神官長様から”しばらく様子を見る為に通って下さい”と言われ今日は解散となりました。


屋敷に戻るときも殿下は別ルートで、またしても殿下の方が早い到着でした。


今夜こそはサラ達に聞いてみようと決意して屋敷に戻りました。


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