07.隣国
ここから隣国編となります
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馬車で3日かけてルーチェ国の首都に到着しました。
通常は5日程かかるはずなのですが、ものすごい速さです。
今回の件ではレイヴィン様と神官のレオ様、ジークリフトとサラとリゲルの計6人でルーチェ国に来ています。
レオ様は20代半ばと行ったところで、私の家にもいらしてた神官様です。
実は私かなりお世話になってるのにレオ様と話をしたことがありません。
肩の様子を見るだけで後は接点もなく会話もありません。
普段から教会の方と接点はなかったのですが、神官様は皆寡黙なのでしょうか。
神官は平民でも貴族でもなれますが、神官になる為には家を出る必要があるので神官になると同時に家名を名乗ることはできません。
身分的には下級貴族と同等といったところでしょうか。
ジークリフトは代々シュテルン家で執事を務めている家系で、今はレイヴィン様の専属執事です。
私とはほとんど接点はないのですが、兄様を挟んでお互いの事はよく知っている関係といったところでしょうか。
護衛の訓練所でレイヴィン様と兄様とジークリフトが話してるのをよく遠目から眺めていた時は優しい感じの方でしたがここに来るまでの間は常に無表情でした。
でも一度だけ笑顔がありましたね・・・。
今回の馬車旅のほとんどをわたしは景色を眺めるではなく寝て過ごしました。
熱が下がっても何故か睡魔に襲われることは多いのです。
レイヴィン様は馬車に乗った直後に話してくれた後は普段通り無口になってたので、石板をつかってまで会話することもないと思ってた私は寝てしまってたのですが、起きたら膝枕されました・・・。
驚いていると馬車の戸を開けたジークリフトから笑顔で睨まれました。
怖かったです。
そんな感じでジークリフトは未だにまともな会話はしていません。
そんな旅路でしたが、私達はルーチェ国の首都の外れにある屋敷のサロンにおります。
サロンにはレイヴィン様とレオ様とわたしの3人だけです。
教会へ行く前に挨拶しないといけないそうなのですが、誰に会うのか教えてくれません。
それ以前にこれからの予定は教会にお世話になるという事以外はほとんど私に連絡がないのですが、どういう事なのでしょうか。
1人考えていると扉が開き、2人の男性が入ってきました。
1人は銀の長髪を後ろでまとめた青年ともう一人は金髪の少年です。
金髪の少年はヴィルフリート殿下ににてらっしゃいます。
もしかしてと考えていると金髪の少年が笑顔でしゃべりかけてきました。
「レイヴィン、久しぶりだね」
「お久しぶりです。ディートフリート殿下、ルーカス様」
「お久しぶりです、レヴィ。様はいらないといつもいってるんだけどね。
で?こちらの女性が?」
「ヴィーゼ男爵令嬢のアリアです。
その隣が神官のレオ殿です」
レイヴィン様の言葉にわたしは慌てて淑女の礼をとります。
レオ様も頭を下げます。
淑女の礼をとりながら私は目の前の二人をこっそり観察します。
ディートフリート殿下と言えば第2王子殿下です。
私の記憶してる物語の主人公で、確か私より1つ年下のはずです
留学先はルーチェ国だったんですね。
レイヴィン様の件以外の物語の内容はほとんど忘れかけていたダメダメなわたしです。
カミーラ様の時と言い、主人公の留学先も忘れてた私って改めて色々駄目な子です。
ヴィルフリート殿下とディートフリート殿下は顔立ちは似ていますが、例えるなら月と太陽でしょうか。
今も笑顔でいらっしゃいますが、何か違和感を感じてしまうのは何故でしょう。
そして第2王子殿下の隣にいらっしゃるルーカス様はコミティス公爵家の嫡男で現宰相様のご子息です。
確かレイヴィン様の1つ上だったはずです。
未来の宰相様ですね。
それにしてもまさかここで会うとは思いもしませんでした。
ルーカス様とは今まであったこともありませんし、兄とも接点がなかったはずなので噂でしか聞いたことがありません。
噂と言っても私の所に来る噂は夜会でどうだったとかお茶会でどうだったとかの話がほとんどで、既に学院をそる行されているのに未だにファンの方が学院には大勢いらっしゃいます。
ですが、あまり興味なかったのでルーカス様の情報はほとんどありません。
「話は既に聞いてるけど、君達はここを拠点に行動してもらうことになるよ」
椅子に掛けるなりルーカス様がしゃべり始めました。
「教会にお世話になると聞いていたのですが、全員こちらなのですか?」
「神官殿もこちらに滞在をお願いしたいんだけど問題あるかい?」
「教会からは第2王子殿下の指示に従うようにと言われておりますので問題ありません」
「理由をお聞きしてもいいですか?」
確かに教会にお世話になる予定が急に変わったのは気になりますが、レイヴィン様の顔が厳しい気がするのです。
何か問題でもあるのでしょうか。
「ちょっとルーチェ国でも最近、物騒な事件があってね。
こちらの方が安全だと思うんだ」
ルーカス様は言葉を濁しながらの解答にレイヴィン様の顔がますます厳しくなっていってます。
「ねぇ、ルーカス。
僕、神官殿とアリア嬢を教会に案内してくるよ。
2人ともついたばっかりで疲れてるとは思うけどいいかな?」
「畏まりました」
殿下の言葉にレオ様は即座に返答し、私も頷きます。
「殿下よろしくお願いいたします」
「まかせてよ。
レイヴィン、後でゆっくり話そう」
「わかりました。ディートフリート殿下よろしくお願い致します」
レイヴィン様が殿下に頭を下げ、殿下の後にレオ様と私も続きます。
これは人には言えない話があるから関係者以外は外させるって意味と受けるとべきでしょうね。
何か不穏な動きが感じられます。
一体何が起こっているのでしょうか。