表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/28

17.魔女の再来

11/6:誤字修正

パキンッと何かが割れる音がして私は嫌な予感と共に側に会った水晶を見ると屋敷が破壊されている様子が映りました。

私達3人が住んでいた屋敷は普通の屋敷とは異なります。

それが見事に破壊されてしまうなんて、あの屋敷を破壊できるのは兄だけのはずですのに・・・。

16年前に重傷を負わせたからしばらくは出てこないと思ってましたのにが、もう邪魔しに来てしまうなんて・・・。

最近、学院でも事が計画通りに進まなかったり、闇の呪が効かなかったのは小娘のせいかと思ってましたが、まさか兄が裏で一枚かんでいたのかしら。

これはのんびりすすめていられませんわね。


「誰か!!」

「お呼びですか」

「予定を早めて明日城に襲撃します。準備を急ぎなさい」

「御意」


私の言葉に現れた執事の男は準備の為にすぐ実行に移してくれました。

長い時をかけて下僕しもべ達を育て上げ、ようやく使えるまでに育った下僕の中でもこの執事の男は別格。

まさに私の夢をかなえる為に現れたような下僕です。

だからこそ邪魔などさせませんわよ、お兄様。



私達が生まれた頃は3人であの屋敷で平和に過ごしておりました。

天邪鬼な兄とおとなしい妹。

3人だけのあの時間は確かに楽しい一時でしたが、私は時が経つにつれて物足りなくなってしまいました。

私は闇の力の知識を基に作られた存在。

だからその力を思うようにつかえないのが物足りないのだと気付いていましたが、気持ちに蓋を閉めておりました。

兄は闇の精霊としての力を時たま使い力の調整を取ってバランスを取ってましたが、私には同じようにしても物足りませんでした。

かといって私が思い通りに力を使ったら3人での平和の時間が終わってしまう。

それは嫌だと思っていましたのに・・・。

きっかけは些細な事。

気晴らしに外に出かけたら運悪く盗賊に出会ってしまいました。

私は力を使って盗賊達を懲らしめましたわ。

遠慮なく思う存分使って少しはスッキリしましたのにやはり物足りなさが残りました。

やはりここは本来の持ち主が叶わなかった願いを叶えないと私は物足りなさを感じたままだと気付きたくなかった思いに気付いてしまいましたの。

私達の元になった人、つまり生みの親とでもいうべきでしょうか。

その人は自分の知識を使って全てを魅了し、破壊することを願ってた人です。

だからその知識を引き継いだ私はその思いを引き継いでこそだと私は決意しましたの。

そして力で全てを手に入れることを想像するだけで楽しくなっていきます。

私はもう思うままに力を使いまくれると思っただけで世界が輝いて見えましたわ。


それから私は屋敷を出て願いを叶えるために旅を始めましたわ。

妹からは毎日声が届いたけど無視しました。

しばらく時が流れて兄が探しているのに気づいたけども人間に成りすましていた私に兄は気づくことはありませんでした。

私は人に紛れ自分の為に動いてくれる下僕を集め、来るべきに備えて着々と進めました。



そうして長い時をかけて下僕しもべも育て、準備を進めていってようやく目途が立った時に完璧に事を終える為には兄と妹の力を吸収することを決めましたわ。

まずは妹が1人の時を狙って屋敷に戻りましたら、妹は私が戻ったことが嬉しかったのか嬉しそうに飛びついてきましたわ。

何の警戒もしない妹に思わず笑いが出てしまったわ。

妹の力を奪うために抱き着いた妹を躊躇いもなく傷つけました。

妹は驚愕の顔で私を見つめてきましたけども私は笑顔で妹を見つめ返しましたわ。

あともう少しと言うところで兄の邪魔が入ってしまったのが残念でした。

それでも連れてきた下僕しもべと共に兄を追い詰めたけども重傷を負わせただけで妹と共に逃げられてしまいました。

探したけども兄も妹も見つけることはできませんでした。

結局兄と妹から満足に力を奪い取ることが出来なかったのが残念でたまりませんでしたが、兄の怪我から数十年は動けないと考えて力が足りなくてもそのあいだに実行しようと準備を進めましたのに。


いざ実行に移せば、学院では魅了が効かない男が1人にそれにつきまとう小娘が1人。

どちらかを落とせば楽勝と思ったのに予定外の出来事で魅了までばれてしまうなんて。

王子を操って乗っ取り作戦も不可能に・・・、

おまけに呪矢の効果は予想外の結果になりましたのも腹立たしい。


でもまだ機会はありますわ。

王城にある宝玉を全て奪い取ってさらに城内にある隠された魔方陣を使えば楽にすすめられますもの。

他の国もそうですが、各国のお城は精霊がいた名残の結晶の城と言っても間違いではありません。


ただ、気になる事は1つだけ。

ようやく時が来たというのに兄は予想以上の回復の速さ・・・。

妹の気配は感じないけどもきっといるのでしょう。

それとも兄が予想以上に早かったのは既に妹を取り込んでしまったのでしょうか。

謎は残りますが、こうなれば強引に行くに限ります。

物足りなさはなくすために私はここまで来たのですから。


「必ず私はこの国を手に入れて見せますわ」


後世にかつての魔女の再来。

いえそれ以上と言わせて見せますわ。

必ず世界をわが手に・・・。



翌日、計画通りに私は派手に正面から侵入をし、私が派手に攻撃している間に下僕達に宝玉の奪取と魔法陣の解放をまかせました。


あーこれできっと充実した日々が私を待っていますわ。


派手に侵入する私に攻撃を仕掛けてくる騎士の男達を倒しながら私は勝利に向けて高らかに笑うのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ