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01.わたしが願う事

5話目までは短編の内容に追加と変更された内容となってます。

短編と名称が変わってたり設定が若干異なってたりする箇所があります。


11/6:誤字修正

大好きな物語がありました。

主人公の第二王子が留学中に国が乗っ取られ、王子が国を取り戻し平和な国をつくる物語です。

国を奪還するために仲間を集めたり、恋に落ちたり、裏切りにあったり、冒険をしたりと常にはらはらどきどきして時には恰好の良さにくらくらしてと読書仲間と王子を応援していました。

でも、私がこの物語で気になった人は主人公の王子ではなく、物語の序盤で自ら命を絶ってしまう人です。

心が離れてしまった仲間といつかはまた昔のように戻りたいと願ってたのにその仲間達から責められてしまい失意のまま命を絶ってしまうクールな心優しい人。

この人は過去の回想シーンではかなり登場シーンがあり、知れば知るほど私は彼に憧れ、その度に彼が生きてたらよかったのにと思っていました。



そして今、どういう訳か私はこの物語にそっくりな世界に男爵家の次女、アリア・ヴィーゼとして生きています。

転生というものでしょうか、物語の事を思い出したのは7歳の時に木登りから落ちた時です。

しかも木から落ちた私を助けて起こしてくれたのが、例の少年を幼くした感じの子だったのでいろいろ混乱してそのまま気絶してしまいました。

お転婆で滅多に病気もしない私がそのまま熱まで出してしまい、起きた後には心配された後に両親や兄姉弟全てに怒られました。

弟からも怒られたのが未だに納得いかないところです。

記憶と言っても物語以外の事はほとんど曖昧なので思い出したといっても私自体は何も変わることもなく、私のお転婆は続きお説教の日々は続きましたが・・・。


彼の人、レイヴィン・シュテルン様は公爵家の長男で私の兄と仲が良く、お見舞いにも来て下さいました。

我が男爵家の初代はもともとシュテルン公爵家に護衛として仕えていまして、その剣の腕を見込まれて爵位を頂き、その後も領地で剣術を教える事に力を入れ、王家承認の元、護衛官育成学校を経営しております。

この学校は平民でも貴族でも入れますが、ある程度の実力がないと入れません。

この国では騎士と言えば王家を筆頭に各領地に仕えますが、護衛官は個人に仕えます。

護衛官は平民でもなれますが、より上位の貴族達は騎士達に護衛の仕事をさせる事も少なくありません。

護衛官学校は実力があれば何歳からでも入ることが出来、卒業も腕次第なので人によってばらばらです。

その為、王立学院に通う迄の間、護衛官育成学校で剣の腕を磨く貴族の方も多いです。

そしてこの学校が運営できるのもシュテルン公爵家のおかげと言っても過言ではありません。

なので未だに我が男爵家はシュテルン公爵家と繋がりがあるのです。

我が家ではまず、シュテルン家をお守りすることを教え込まれます。

兄はレイヴィン様を弟はレイヴィン様の弟君のセドリック様の護衛が決まっています。

公爵家には令嬢はいらっしゃらないので姉と私は公爵家に行くことはほとんどありませんが、剣術を習いにレイヴィン様達が来ることはあるので兄が家にいなくても会う機会は多いです。

そして私は会えば会うほどこの人には笑顔で生きてて欲しいと強く思うのです。


物語ではクールと書かれてましたが、単に無口で無表情な感じの人です。

レイヴィン様から話すことはあまりありませんでしたが、私の日常にある何気無い話をちゃんと聞いてくださり、時折やさしい顔もしてくださいました。

その顔が心を許した人にしかしないと兄から聞いた時はとても嬉しくて仕方ありませんでした。

この世界を生きる私にとってもレイヴィン様は憧れの人です。


物語の中では名前すらでてこなかった私です。

レイヴィン様を助けるってことで今後の展開は大きく変わり、私にも予想はつかなくなるでしょう。

それでも私達にとっては今が現実です。

例え自己満足と言われようとレイヴィン様には幸せにいてほしい。

それが私、アリア・ヴィーゼの願いです。

例え死ぬ運命を変えられないとしても自分から死ぬことがないように願うばかりです。



私が願うことはただ1つ。

レイヴィン様が諦めずに生きて欲しい。

ただ、それだけなのです。


感想などいただけるとありがたいです。

よろしくお願いします。

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