2話 そのころ彼は
<翔真side>
気が付いた時には、まるで本に出てくる魔法陣の中に立っていた。わけがわからない。たしか、今日は晶と帰っている途中だったはず。そのとき僕はいきなり晶に肩を掴まれ、そのまま訳の分からない触手のような物の盾にされて触手の中に引きずり込まれたはず。……うん。なんか腹が立ってきた。次、晶に会うことがあったら一発ぐらい殴ってもいいよね。
「どこだろう?ここ」
周りを見てみると、どうやらここは何かの祭壇の上のようだ。とりあえず、下をのぞいてみると階段をを下りた先には、緊張した面持ちで自分と同じ年齢くらいのなんというか変わった格好の女の子がいた。とりあえず、階段下りてここがどこかだけ聞かないと。そう決めて階段を下りた。そして、彼女に話しかけた。
「あの…ここはどこですか?」
「えっ!っは、こ、ここはアム、違ったアミュ王国の神殿です。ゆ、勇者様」
緊張しすぎて、気づいていなかったようだ。
「えっと、ここは日本じゃないの?」
「えっと?ニホンですか?申し訳ありませんがの世界にニホンという国はありませんよ」
「へ?」
僕は、自分でも驚くような素っ頓狂な声を出してしまった。
「あのですね。あなた様はこの世界を守るために召喚された勇者様です。どうか私たちの世界をお救いください」
そういいながら彼女は、僕に頼み込んだ。言葉が通じてよかったけど話が通じない……。とりあえず、今僕の身に何が起きているのか聞かなきゃ。
「いえ…あのですね、召喚されたといわれても何が何だか分からないのですが」
そう言われて
「あ、そ、そうですよね。それなら、ここがどこかということと、今後のことについてお話しさせてください。こちらへ」
そういって、神殿を出てすぐ近くの中世のお城のような大きな城に連れてこられ、とある部屋の中の椅子に座る。そして、まだ緊張しているのか話し出せそうななかったのでこちらから話かける。
「あの、お名前ってなんですか?」
「し、失礼いたしました。私はアミュ王国第一王女エルカ・ハアミュと申します。エルカとおよびください」
「分かりましたエルカさん。僕の名前は如月翔真。翔真が名前で如月が名字だよ。翔真って呼んでください。」
「ではショウマ様と」
初めてさまづけで呼ばれて何だかくすぐったくなった僕は、恥ずかしくなって話題を変える。
「あのここって地球ですか?」
「いいえ。ここはアルノというところです」
どうやら異世界に来たらしい。
「それなら、勇者とはなんですか?」
「それは、まずこの世界の現状についてお話しさせてください。この世界には、魔物という我々人間に害をなす存在がいます。その魔物が知性を持った種を魔族、そしてそれらの頂点に君臨する魔王存在しています。私たちは、400年という長い年月を世代を変えながら戦い続けてきたのですが…」
「それで」
「それで、200年前ほどから戦力が落ちっていって、異世界の能力のあるものを呼び出して力を貸してもらうために勇者を呼び出しました。それによって魔王は倒されました。しかし、新しい魔王が誕生してしまいました。なので力を貸してください」
そういって、頭を下げてまで頼み込んだ。
「分かったよ。僕でよければ力を貸すよ。ただね、元の世界には帰れるの?」
僕は至極単純な質問をした。すると彼女は、申し訳なさそうな表情を作り
「それはもうしわけないのですが、元の世界に返せるかわかりません」
なんだって!それは困る。ファンタジーの世界で生きるのは構わないんだが、僕を盾にした晶に一発殴れないじゃないか。はぁ…。
久々の投稿です。グダグダですが。気にしないでください。
主人公よりも何故書きやすいんだろう?