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最近のわたしは部活内でうまくいっていない。


わたしは皆より体力も技力もなかった。


だからだろうか。部活の時にわたしは常に独り。


わたしがとくに何をした訳でも、皆にとくに何かされた訳でもない。


トレーニングの時に、わたしが走っているときだけ応援してもらえなかったり、置いてけぼりにされたりしてきた。



無視は当たり前だった。



わたしは自分の存在価値を失いつつ、あった。


言ってみれば、いじめになるかもしれない。けれど考えを変えれば、わたしの被害妄想だと、思えるかもしれない。わたしの精神力がないから、って思えるかもしれない。



そんなわたしの唯一の励みは、えりちゃんと話せること、笠町君のプレーを観てることだった。



部活が終わり、今日も、えりちゃんと帰ろうと思っていたら階段でえりちゃんを見つけた。


「えりちゃ……」


「えりはさあ、あいつのことどう思ってんの?」


えりちゃんは、わたし以外の一年のバスケ部員と一緒だった。


「あいつって…?」


「千里だよ、千里」


「えりはうちらと友達だもんね?」


「…う、うん」


「じゃあ、千里とは…?」


「…あ、あんな子、友達じゃないよ」


……う、うそだよね…?


「ホントに?」


「うん、ほんとだよ」


…………う、そ……えりちゃん…?


「そうだよな!行こ!えり!」


わたしはその場から立ち上がれなかった。


わたしは……わたしは、えりちゃんは友達だと思ってた。




…けど、それは違ったんだね……




次の日からえりちゃんとわたしからは、会話がなくなっていた。


目すら合わせてくれなかった。



部活内で、ペアを組むときわたしは、決まってひとり。


「えり、ナイッシュー!」


えりちゃんはわたしとは人種が違った。えりちゃんは皆から好かれる人気者。バスケも一番うまかった。





わたしは、バスケが嫌いになった。





部活も段々サボるようになった。


怖かった。


行ってもひとりぼっち。


シュートが入らないから、先輩に怒られる。優しい先輩で居るのは、どうやらわたし以外の部員にだけのようだ。



逃げてはいけない、そう思った。



だからわたしは久しぶりの部活に行った。



「もうすぐ合宿だから気を引き締めておけよ!」


顧問の先生の大きな声が聴こえる。


その脇で一年生と二年生の会話が聴こえてくる。


「うちら一年、仲良くないんでどうすればいいですか?」


「合宿に行けば皆仲良くなれるよ!うちらがそうだったから」


その一言でわたしは合宿に行く決心をした。



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