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夢からサメても(短編)完結

掲載日:2026/10/28



「貴方達のレベルに見合う依頼が2つあるわよ」


そう言って声をかけてきたのはギルドの受付嬢だ


見せてもらうと港の魔物退治と森のダンジョン討伐の依頼だ


長期間の遠征になるダンジョンより個別の魔物退治のほうが簡潔明瞭だ

しかも港湾漁業協会のほうが払いが良い


俺が依頼書を受け取ろうと手を伸ばしたその瞬間、横から素早くかっさらわれてしまった


「ほぅほぅ、こりゃ良い案件だね?こっちはアタイたちに任せなよ?アンタたちはダンジョンに潜ってちまちまやってるのがお似合いさ〈風の冒険者〉どの!」


そう言って茶化してきたのは何かにつけて絡んでくる女だけのパーティー〈鮮血の乙女〉のソフィーだ

いつも上から目線で態度のでかいイヤな女だ



俺は仕方なく残された森のダンジョン討伐の依頼書を受け取る


「良いの?ジェフリー、言わしておいて」


「かまうもんか、相手にしてらんないよ」


あいつらに関わっていては気分が悪くなるだけだ



3日後、俺たちはダンジョンの最下層にまで潜っていた

人を喰らう迷宮だが生まれたばかりの迷宮はレベルの低いモンスターばかり


厄介なのは森の中で何年も見つからずに巨大化してしまったような古い迷宮だ

それらに比べれば此処の迷宮は比較的クリアしやすいものだ


だんだんと階層を下に潜って来て、ようやくダンジョンそのもののボスモンスターが現れた


今までの階層ボスよりひと回りもふた回りも巨大な〈大木の巨人〉だ


屋敷ほどの巨大な身体から繰り出される攻撃は一発でも食らうとアウトだ


4人で取り囲み次々と攻撃を加えてじわじわと相手の魔力を消費させていく


もうそろそろヤツのHPもほとんど残っていない


俺たちは最後のラッシュを繰り出した


ドワーフの重い攻撃!

獣人の素早い攻撃!

魔法使いが火の魔法を放つ!

後衛の俺が疾風のスキルを発動させる!


火に包まれた〈大木の巨人〉は燃える枝腕をぶんぶん振り回し、周りに火の粉を散らせた


「やったね、ジェフリー!ダンジョンボス討伐だ!」


「油断するな、まだ倒れちゃいない!」


ドワーフがとどめのハンマーを打ち下ろした瞬間


〈大木の巨人〉は最後のスキルを放って燃え尽きた


〈空間転移〉!?


俺はヤツの最後のあがきをまともに食らってしまい、ダンジョンから弾き出されてしまった…





ジャポーーーン!


俺は突然、海の中に投げ出されてしまった!


がはッ!?


俺は慌てて風のスキルを使って身体の周りに空気の層を作って呼吸する


暗い海の中に何かが漂ってくる



人間の上半身だ!?


女が目を見開いたまま絶命していた!


あいつは確か〈鮮血の乙女〉の魔法使いだ!


この近くにソフィーたちのパーティーが港の魔物を討伐しているのか!?



血の匂いを嗅ぎ付けて小者の魔獣たちがやって来る


俺は水の中で空気の泡を無数に作り出し、魔獣たちがひるんだ隙に〈かまいたちの風刃〉を繰り出し、海の藻屑にしてやる


海上に浮上するとここは荒々しい湾の外海だった


こんなに遠くまで飛ばされてしまったのか


何とか泳いで絶壁の岩場までたどり着くと、大岩の陰でぶるぶる震えている人影が見えた


ソフィーだ


全身噛み跡だらけで鎧も剥ぎ取られていた


俺は自分のマントを彼女の肩にかけてやった


「大丈夫か、ソフィー?お前のとこの魔法使いの亡骸を見たぜ、残念だったな

 他の仲間は…?」


青ざめたソフィーはぶんぶんと首を横に振ってうずくまってしまった

どうやら〈鮮血の乙女〉のパーティーはソフィーを残して全滅らしい



岩場から海を眺めていると巨大な背ビレが悠々と横切っていく姿を目にした


「あ、アイツだよッ!」


ソフィーが指さすその先には船よりも大きなサメの魔獣だった


取り逃がしたソフィーにトドメを刺しにやって来たのだ


俺は回復ポーションをソフィーに投げた


「それを使って加勢してくれ!」


俺はいちばんグレードの高い全回復のポーションを渡して、海に飛び込んだ



海の中から見るサメの大きさは信じられないほどだった


船より大きいどころではない、これはほとんどドラゴンと変わらない


〈鮮血の乙女〉たちのレベルがかなうような魔獣じゃない、ギルドに文句を言ってやらなければ



こちらに敵意があると認識したサメはすぐに攻撃してきた


素早くヤツの攻撃をかわすと、もと居た場所の磯の岩礁をバキバキと噛み砕いてしまった


魔法使いの女もきっとコイツに噛みちぎられたのだろう

魔法の詠唱を唱える時間もなかっただろう



俺は足下に空気を溜め込んで風のスキルを利用して水流ジェットでサメの周りをぐるぐると旋廻してやり、逃げ場を無くしてやった







泡の囲いでサメの魔獣は逃げられない!



俺は〈暴風雷鳴〉のスキルを発動する


本来は地上で使うものだが手段を選んでられない



魔獣の周りにぐるぐると渦が出来、サメの身体が風圧に耐えきれずバキバキと音を立てていく


サメの魔獣も最後まで抵抗し、絶命の瞬間なにやらスキルを発動させていた


あたりを見回しても何ら変化は無さそうだ

失敗したのか?



「気を付けてジェフリー!そいつのスキルは〈ジョブ変更〉よッ!」


岩場からソフィーが叫ぶ


「な、何ッ!?早く言えよッ!」



何とかサメの魔獣を討伐したものの、俺は身体の底から力が無くなっていくのを感じていた



「ほらよ、魔獣が残したスキル結晶だ

 これをギルドに出したら討伐の証になるだろ」


俺は宝石のように輝く結晶をソフィーに渡した


「何言ってんのよ、倒したのはアンタじゃない」


「もう俺は冒険者じゃなくなったらしい、討伐生活はもう終わりだ、引退するよ」


何年もかけて積み重ねてきたレベルや装備だったが、冒険者のジョブではなくなった以上すべてが使えなくなってしまっただろう


「……わたしもただの村人レベル1にされてしまったわ、アンタこれからどうするつもり?」


ソフィーにそう言われてもまだ今は何も考えられなかった


翌日、馬車を乗り継ぎなんとかふたりで町のギルドまで戻ってきた


俺の〈風の冒険者〉の仲間たちも戻ってきていた


ダンジョン討伐と海の魔獣討伐のふたつのミッションはそれなりの報酬が出たのは幸いだ


俺のパーティーは解散、ソフィーのパーティーも全滅してしまった



俺とソフィーは腐れ縁もあって冒険者たちのための宿屋を立ち上げた


ギルド仲間のよしみもあって意外と繁盛してしまった



明日の朝食の下ごしらえも終わったし、あとは寝るだけだ


「そっちは終わった?ジェフリー」


厨房まで覗きにきたソフィーの顔はもうシワが増えてしまっているが、今でもあの頃のような元気なまま変わらない


俺は立ち上がってソフィーの腰に腕をまわす


「……もう、ジェフリーったら!厨房でスルつもり?こんな明るい場所はイヤよ、もうおばあさんの裸なんて見たくないでしょ」


俺はソフィーを台所に手をつかせ、後ろから貫いた


馴染みのある筈のソフィーの肉壺だが、いつもよりキツく締めてきた…








なんて快楽だ

背筋までぞくぞくしてくる


「ソフィー、いつもより凄いよッ?」


俺が背中ごしに声をかけると、振り向いたソフィーは長年連れ添った年老いたソフィーではなく若々しい少女のようなあの冒険者のときの頃のソフィーの姿だった!



「ちょ、ちょっとジェフリー!目を覚まして!」


「ソフィー???」



夢ではない

現実だ

ソフィーが若返っている!?


俺はソフィーの尻を掴んでいた自分の両手を見比べてみた

年老いたシワシワのゴツい指だったはずが、細く筋肉質な指に変わっていて張りがあった


自分も若返った!?


だが立ちバックで後ろからソフィーを犯し続けているのは現実だ


俺はたまらずそのまま精を放ってしまった……



「…はァはァ、どうなってるんだッ!?

 俺はお前と宿屋の厨房に居たはずなのに…」


「や、宿屋ぁ?アンタ何の夢見てたのよッ!?

 あいつのスキルにやられてたのよッ!

 あいつのスキル〈記憶改ざん〉のせいよ!」


「記憶改ざん?? ジョブ変更じゃなく??」


「当たり前じゃないッ!そんな神さまみたいなこと魔獣が出来るわけないじゃんッ!!

 あーあ、こんなにナカに出しちゃってッ!

 ひょっとして溜まってた?

 責任とってよねッ!」


そうか、俺は魔獣のスキルで架空の世界観を見させられていたのか!?


「なるほどな、そういうことかッ!

 あぁ、責任とってもいいぜ?

 お前との暮らしはまんざらでもなかったからなッ!むしろ楽しい時間だったぜ?

 それには……、まずはアイツを倒してからだッ!」



傷だらけのソフィーも立ち上がった


「アンタからもらった回復ポーションのおかげで私の体力も戻ったわ、ふたりでトドメを刺しましょう!」


「ああ、終わったら続きをスルぜ?

 冒険者のお前とシタ記憶はまだ無ぇからな!」


「じゃあ早いとこ片付けちゃってッ!

 私も1回じゃ足らないのッ!」



ふたりはニヤリと笑って海へ飛び込んでいった







おしまい






※※※あとがき※※※


2025.06.11.




ここからはあとがきです


最期まで読んでいただき、ありがとうございます



サメ短編集のいよいよ10弾が完成しました!



自分の中では「あーあ、新しいアイデアも出てこないし、短編は9弾までかなぁ」と思っていたのですが、


早朝の4時に暑くて寝苦しくなり、

トイレに行ったあと、寝汗を引かせるために扇風機の前で涼んでいたら、何となくファンタジーダンジョンものを書き出してみたくなって、


そのままうまくまとまってしまいました(笑)



2ページ目の海の中でのバトルシーンまでは勢いで書き上げたのですが、


「これじゃあ、ただのシャークアタックものだなぁ〜」とこのまま放置する雰囲気でした



そのまま寝つけずに起きてて、

コーヒー飲んだり、パンを食べたりしていくうちに何だかムラムラしてしまって、



彼女さんもロフトベッドで眠っていることだし、ちょっとえっちな動画でも見てみよー!と思ってダラダラしていたら


そのままえっちなシーンを書きたくなって、

3ページ目は厨房での立ちバックのシーンになってしまいました(笑)



このまま脱サラ小説で終わらせるわけにもいかないので、〈ジョブ変更〉スキルからの

〈記憶改ざん〉スキル発動につなげてみました



もともと書き始めたときには〈記憶改ざん〉スキルというものを考えていて、


戦闘中に主人公が洗脳されて、女戦士を襲う流れを考えていました


結果的にはあいだに〈ジョブ変更〉スキルを考えたので


少し遠回りして、アイデアを差し戻した感じに落ち着きました



ラストも「別に最期まで書く必要ないかな?」と思って「俺たちの戦いはまだまだ続く!」という感じでスピーディーに終わらせてみました



個人的には無駄な登場人物も少なくて、最低限のキャラ数でまとめられたので良かった


全体的にも、ダンジョン〜海バトル〜宿屋〜ラストという風にシーンもコロコロ変えられたので楽しんで書けました



さて、読んでくれた方はいかがでしたでしょうか?


おそらくサメ短編集はこの第10弾で一旦幕引きさせようと思っていますので、

大量の拍手、

大量のエモ、

大量のレビュー、

お待ちしております


(笑)





夢からサメても【4ページ短編】第10弾

完結


[ID]38716

[作者]アサイラム†ムーン


[概要]ダンジョンに潜った冒険者の不思議な戦いとは?


[ジャンル]ミステリー・ホラー

[ページ数]6

[PV数]1,697

[しおりの数]0

[作品公開日]2025-06-11

[NEW最終更新日]2025-06-11 08:15

[拍手]313


[ランキング]


総合5217位 (過去最高 940位)

カテゴリ132位 (過去最高 17位)


[作品説明]

すぐに読み終えちゃう4ページの短編です



読み切りサメ短編集の第10弾!!


今回は初のファンタジーものです!!



むーんサメ短編集


1、ふかひれ

2、秋さめ前線

3、はるさめ

4、やぶさめ

5、見おサメ

6、仕事おサメ

7、サメ狩り

8、ねこざめ

9、さめがみ

10、夢からサメても



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