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第1話 転移
ピピピピ、ピピピピ。
「んあ」
質が高いわけでもない睡眠から目覚めた体はやけに重い。
半ば強引に上体を起こしてスマホのアラームを切る。
眠い目をこすりながら、スマホの時刻を確認する。
「はあ、もう8時か」
現在僕は、大学二年である。
名前は橘 薫。ややコミュ障で飽き性、そして打たれ弱い。特に友達もいない。
それが僕だ。特に趣味もなく平々凡々な毎日を過ごしている。
中高生の頃にはやれVRMMOだの、やれ異世界転生だのファンタジー小説に熱中していたが最近はめっきり読まなくなってしまった。
読むのは有名どころの漫画くらいだ。
久しぶりに読んでみようかな。
PCの電源をつけ、朝食の準備をする。
パンを焼く間にすこしネットで小説投稿サイトを覗いてみる。
ふーんこんなにあるのか。
僕はどちらかというと書籍を読むことが多かったため、この感じは新鮮だった。
ズラーと並ぶやけに長いタイトルたち。
それを僕は流し見しながらスクロールしていく。
そんな中、一つ目を引くものがあった。
『転移者は何を為すのか』
何に惹かれたのかと聞かれるとうまく答えられないが。
読んでみよう。
そう思ってクリックした。
しかし、そこには何もなかった。
題名がぽつんと書かれているだけだった。
あれ、おかしいな。
そう思った瞬間、意識は飛んでしまっていた。




