表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
焔の龍刃  作者: 青頼花
第四章【聖と闇の舞踏】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/81

最終話〈夕都と朝火〉

 夕都と朝火。

 二人が放つ力は蒼い焔の刃となり、世界に異変をもたらせた。

 それは、一部の精霊人を実体化させ、また、輪廻の渦に巻き込まれた数多の魂を救い出す事となる。


 夕都は朝火に凭れながら、涙を流した。


「夕都、何を泣く?」

「俺はあまりにも身勝手だ。これでお前は、俺の為に理不尽な転生を繰り返さずに済む。喜ばしい事なのに……俺は、お前と離れたくない……」


 光の渦の中、朝火の優しい眼差しが夕都を包み込む。

 ふいに抱きしめられて、熱く告げられた。


「俺は、俺の意志で、お前の盾となり刃となると決意した。だから、必ず来世もその先も傍に在る」

「あ、朝火」

「帰ろう」

「……ああ」


 夕都は朝火と額を擦り合わせて、頬を緩める。朝火の唇も綻んで、笑いあった。


 アントーニオとマッテオ、アールシュは姿を消し、二人はミーレスによりルーナや、貴一達と合流し、無事に日本へと帰国する事が叶った。



「ただいまあ〜」

「キュウン」

「こんゆう!」

「夕飯できてるぞ」

「サンキュー!」


 夕都は秋葉原にて、朝火と愛犬と暮らしながら、龍主としての責務を果たす忙しい毎日を過ごしていた。

 そして、明日は中国に父親を迎えに行く日である。


 夕都はソファに腰を下ろすと、貴一からかかってきた電話に応答しつつ、膝にのるこんゆうの相手をした。


『だいぶ落ちつきました。明日は茉乃さんと一緒にお見送りします』

「ありがとう。とにかく落ち着いて良かった」


 通話を終えると、朝火が隣に座ってきた。こんゆうが尻尾を振って、朝火の頬を舐める。

 夕都は軽く明日の予定を朝火と話して、窓から差し込む夕日に目を向けた。


「俺、これから、繋がりのある奴らをまとめなきゃいけないけど、できるかな」

「お前にしかできないし、俺も神無殻も全力で支える」

「うん。まずは国内からだけど、頼むぞ朝火」

「ああ」


 夕都は、うすく微笑む朝火を見つめて口角を上げる。


 古から繋がる魂――うろ覚えではあるが、幾度も生を共にした。

 その瞳は、想いだけで奇跡を起こせるのだと、信じさせてくれる。


 夕都は手を伸ばし、朝火の掌を握りしめた。握り返す朝火の掌はやけに熱くて、夕都は頬に一筋の涙を流したのだった。




〈焔の龍刃・完〉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ