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焔の龍刃  作者: 青頼花
第四章【聖と闇の舞踏】

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第16.5話〈導きの光〉

「待ちくたびれたぞマッテオ」


 アントーニオが丘の上に現れた。

 白い霧のような合間から両手を広げている金髪の男は、目を蘭々と輝かせて光につつまれていた。

 奴の目的はマッテオの堕落。

 少なくとも、夕都はそのように認識している。

 ふと、霧の向こうに無数の影が見えた。

 白や黒、赤の民族衣装を着た老若男女が取り囲んでいたのだ。

 彼らはカトリック、ヒンドゥーの信徒であろう。

 各々の思惑で集まったようだ。

 皆一様に距離を取り、様子を見守っている。

 夕都は朝火と一緒に、アントーニオの後方にたたずみ、マッテオをねめつけた。

 静寂はマッテオが翼をはためかせる音で破られ、霧が晴れていく。

 宙に浮かぶ教会を背に、ミカエルの化身が光をおびて舞う。

 やがて地上の教会が共鳴を始め、一筋の光が皆をつなぐ。

 夕都は己の力と、流れるレイラインの力を繋げて、マッテオの力の制御を試みた。


 朝火が唇をかみしめて切っ先を振り上げる。夕都はその背中に片手を押しあてて、力をそそいだ。

 ほどなくして、朝火は目を見開いて刀を振りかざすと、切っ先から一筋の閃光が走る。光はマッテオに勢いよくぶつかるが、奴は微動だにしない。

 夕都は、手を二度打ち鳴らして、まわりのレイラインの力を己に集め始めた。


 どこからともなく、鈴のような音が鳴り響く。

 夕都のスサノオの力、龍脈の力と、レイラインの力が呼応しているのだ。


 脳内に多種多様な言語で語りかける人々の声がする。

 皆、一様にマッテオを止めろと叫んでいるのは理解できた。


 ――わかってる!


「朝火!」

「夕都!」


 二人の心に呼応するように、二振りの刀はしっかりと手に握られた。

 はばたくマッテオは苦渋と怒りに満ちた目を見開く。

 二人は切っ先を擦り合わせ、光の渦を巻き起こす。清らかな無音と空間が一瞬ひろがり、閃光が放たれた。


 声にならない叫びが、聖域を包み込んでいく。




「お、おお……」

「く……ルーナさま」


 意識を取り戻したアールシュは、うめくミーレス声をききながら、光あふれる世界に歓喜した。


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