新スーパーライダー登場
正義の値段
子供たちの悲鳴が響く。「助けてぇ!」
「悪い子はお仕置きだぞ」
機械のような怪人クザが、子供たちに迫る。俺は物陰から飛び出した。
「待てぇい!俺はブドウの男、ぶどうマンだ!」
クザは俺にビームを放ってきた。空手チョップではねのけようとしたが、ビームは俺のすぐそばで炸裂し、爆発音が響いた。
「ふざけるな、ぶどうマン!」
クザは再びビームを放つ。とっさに身をひるがえしたが、左腕に被弾した。激痛が走る。クザはさらに追い打ちをかけ、俺は追い詰められていく。もう駄目だ。子供たちの悲鳴が、耳に突き刺さる。
「正義に強いも弱いもない、悪を許さない心があれば…」
その時、背後から声が聞こえた。スーパーライダーだ。彼は一瞬でクザに駆け寄り、渾身のライダーキックを放つ。クザは吹き飛ばされ、静かに横たわった。
「ぶどうマン、大丈夫か?」
差し伸べられた手に、俺は呆然とした。次の瞬間、会場は歓声に包まれた。
「うわあ!スーパーライダーだ!」「ぶどうマン、頑張れー!」
子供たちの声援が響く。だが、俺は違和感を覚えた。
「このあとは、ぶどうマンとスーパーライダーの握手&サイン会です!」
イベント業者の声が会場に響き、俺は子供たちと握手し、サインを書いた。圧倒的にスーパーライダーの方が人気だった。
「今日は本当にありがとうございました」
業者に声をかけられ、嬉しかった。「日当1万円です」彼は俺にお金を渡した。
「スーパーライダーさんは100万振り込んでおきますね」
スーパーライダーがニヤリと笑う。俺はその言葉に凍り付いた。
「あれ?そういえば、この前スーパーライダーさん、死んでたような……」
俺の言葉に、彼はかすかに笑ったように見えた。以前の彼とは雰囲気が違う。
「ああ、俺はスーパーライダー2号だよ。中身が変わったのさ」
彼は仮面を外した。そこにいたのは、見知らぬ男の顔だった。
「安心しな。俺は前の人よりもはるかに強いんだぞ」
彼は親指をグッと上げた。
今日の悪役であるクザにも声をかけた。「クザさん、今日はお疲れ様でした。明日からは本当の敵同士ですけど」クザは静かに頷いた。
別れ際、スーパーライダーが俺に声をかけた。
「**雲男が出た。報酬は一億。**君に助けてもらいたい」
俺は一瞬で現場へ駆けつけた。
空が曇り、雲男が現れる。
「よし、やるぞ。こいつも一億だ」
スーパーライダーはそう言って雲男に向かって走り出した。俺は戸惑いながらも後を追う。しかし、以前の彼よりもはるかに弱いスーパーライダーは、あっという間にピンチに陥った。
「ぶどうマン先輩、助けて!」
仕方ない。俺は一瞬で雲男を倒した。弱くなったスーパーライダーにげんなりしたが、それでも思う。スーパーライダーって、やっぱりカッコいいな。
そして、助けを求める彼に駆け寄った。
「ゴッ」
しばらくして、警察官が声をかけてきた。
「スーパーライダーさん、いつもありがとうございます」
その瞬間、俺は静かに答えた。
「では、私は1億もらっていくぞ」
そう言い残し、俺は去っていった。その足元には、脱げ落ちたぶどうマンのスーツが、静かに横たわっていた。
「私は生まれ変わった。新スーパーライダーだ。」