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第15話 新たな美少女転校生

「百々瀬モモです!皆よろしくね!因みにそこにいる星名瑠花さんの従姉妹です!」


「えー、では百々瀬は従姉妹と席近い方が良いだろう。

 じゃあ、少し後ろの方の席だけ弄るぞ」


「な……何で……」


 蒼介は唖然とする。

 クラスメイト達は新たな転校生の出現に沸き立つ。

 堪らずルカにヒソヒソ声で話しかける。


「お前、あいつ来ること知ってたか?」


「来ること……とは……転校生としてクラスメイトになること?

 それならば昨日、倉本那月から説明を受けていた」


「言えよ!先に教えておいてくれよ!」


 ヒソヒソ顔を近づけて話をしている蒼介とルカの元へモモがニッコニコでやって来て、ルカの前の席に座った。体ごと振り向きながら満面の笑みで元気よく挨拶をしてくる。


「これからよろしくね!」


 どうしてこうなった!?どうしてこうなった……


「俺ら……でも、アレじゃん。そんな仲良くする的な関係性でも無い……」


 蒼介は小さな声で抗議する。

 クラスメイト達は全員チラチラとこちらを見て、ヒソヒソと近くの座席の人と、新メンバーについて囁き合う。

 そんな浮き足だった騒めきを、倉本先生の無慈悲な宣言が一刀両断する。


「よし、席の移動は終わったな。今日は一限から抜打ちで小テストやるぞ。

 60点以下は放課後居残りだから、心して掛かるように」


「「「「ええーーーー!!!!」」」」


 悲鳴が上がったが、モモの悲鳴がダントツで大きかった。蒼介はしばらく耳がキンキンしてしまった。

 この宇宙人音波攻撃までするのかよ……?


 抜打ちテストはそんなに難しくも無かったので、蒼介は満点とはいかずとも、居残りは免れそうだ。

 結果は放課後までには分かるらしいが、新しい宇宙人の方は既に結果は分かってそうだ。


「うう……」


 机に突っ伏して呻いている。

 宇宙人には小テストが効くのか?ならば日本軍はミサイルにテスト用紙を詰め込んでUFOに打ち込みまくるべきだな。

 ルカの方はいつも通りのお澄まし顔で、出来てるんだか出来てないんだかは表情からは窺い知れなかった。


 テスト終了後、回収した回答用紙を手に持ちながら、倉本先生が近づいて来た。


「青木、星名、あと百々瀬、少し話があるから、昼休み職員室に来い」


「はい」「はい」「えー……」


 最後の不満そうなのはモモの声だ。


 先生が去ると、クラスメイト達がワサワサと集まってモモに話しかける。


「来て早々テストなんて災難だったね!」「百々瀬さんもアメリカから来たの?日本語上手だよね!ハーフだったりする?」「髪の色も目の色もキレイだね!星名さんに似てる!」「アメリカの高校とはやっぱり雰囲気違う?」


 女子達がまたこぞってモモを質問攻めにする。それに対して、モモは明るく可愛く如才なく答えていく。

 ……宇宙人だからって日本語下手っぴとは限らないんだな。

 ルカのたどたどしさは何なんだとは思うが、まあ、宇宙人にも色々いるんだろう。

 多様性多様性。


 しかし、ルカは同郷のモモのことどう思ってるんだろうな……。

 一応殺し合い?みたいな事をした訳だし。でも、防衛省の方もモモの事は把握してる訳だし、だから転校生として潜入して来てる訳だし……うーん、考えるのは面倒くさい!

 昼休みに倉本先生に聞けばいいや。 

 

 モモと話しかけているクラスメイト達を眺めながら、蒼介は頬杖をついて欠伸する。平和な街が宇宙人に侵略されつつあるのに、皆呑気なもんだ。

 

 

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