第2話 始まり
数時間前、徹は夢を見ていた。その夢はどこか懐かしく悲しい夢だった。
「じゃあどうすんだよ!このまま徹を見捨てるってのか?!」
「そんなことは本当はしたくない!だけどそうするしか徹は生きていけないのよ。あなたがあんなことしなかったらこんなことはなんなかったのよ!」
(母さんと親父?確か俺がまだガキの時で寝てた時すごい怒声だったから起きたんだよな。二人は近所からとても仲がいい夫婦と評判は良かったんだよな。でもなんであんな喧嘩してたんだろう。)
「だってしょうがないじゃないか!あの人があんな惨いことを開催するといったから止めざる負えなかったんだ。」
「あんなことって?」
「それは・・・」
じりりりりりりり・・・
「なんだ。夢か・・・」
「おい!徹!起きろ!」
目が覚めてよく見たら目の前に春斗がいた。
「なんで春斗がいんだよ」
「そんなことはどうでもいい!よく見て見ろ!」
徹は体を起こし窓を見るとそこはいつもの部屋ではなく大きな町の上にいた。
「なんだよ・・・ここ」
周りをみると瑠偉や谷岡、知らない人たちが大勢寝ていた。
「もしかしてここサバイバルゲームの会場か?」
「そうみたいだな」
二人で様子を見ていたら上から見知らぬ人物が現れた。
「おーみんな集まっているようだねぇよかったよかった。さぁみんな起きて起きてもう朝だよー」
すごい能天気で妙に鼻に付く声だった。
寝ている人全員起き始め男が話し始めた。
「ここにいるみんなはサバイバルゲームに参加する資格のある人たちだよーよかったねー。」
その話を実際に聞いて歓喜するものや怯えている者たちがいた。よく見てみると参加者は男のほかに女も何人か目に入った。女の半数が怯えていたがその中の1人はとても勇ましい姿の女がいた。
「あの女の人めっちゃ可愛くない?俺声かけてみようかな?!」
この状況でも瑠偉は変わらず、はしゃいでいた。
「おい!やめろ!今どんな状況かわかっているのか?」
春斗の注意も聞かず瑠偉は女の方に駆け寄って行った。
「君かわいいね?良かったら連絡先聞いていい?」
女は瑠偉の顔を見て一瞬驚いていたがそのまま話した。
「お前なんか興味ない。とっとと失せるか死ね。」
「そんなひどいこと言わないでよー。」
瑠偉は悲しそうに戻ってきた。
二人は失笑しながら男の話を聞いた。
「招待状にも書いてあったけど君たちはこの町で1か月サバイバルをしてもらうよー。だけどみんなこんな町で暮らせるかって心配だよね?だけど大丈夫だよーこの町をよく見てみなー。」
と言い部屋中のライトがついた。
「まじかよ・・・ここって」
「青塚町だ。」
町を見ると3人が住んでいる青塚町だった。どうやら周りの反応を見ると全員青塚町の住民みたいだ。
「ルールは簡単。君たちにはこの第2の青塚町で1か月住んでもらうよー。だけどお金がないよねーだから君たち1人1人に10万円あげるねー。」
そう言って顔も見えない職員から10万円が支給された。
「この10万円でこの町に住めばいいのかじじぃ?簡単じゃねーか!」
谷岡が叫ぶと男は話を続けた。
「そうだよねー簡単だねーだからこの町に何人か兵士を置かせてもらうよー。」
「兵士?どうゆうことだ?」
春斗が呟くと男の横に何体かの兵士が現れた。それはロボット兵士だった。
「まじかよ!ロボットじゃん!」
「このロボットたちは君たちの顔や生態データを入れてるから見つけた瞬間にどっちかが壊れるまで追っかけ続けるよー楽しいね。」
そういうとある男が叫んだ。
「ふざけんな!俺はやらねぇ!帰らせてくれ!」
そういうとロボット兵が下に落ちてきてその男の喉を掻っ切り脳天を切り周りに血が飛び散った。
「キャーー!」
周りがパニックになった。その瞬間に男が叫んだ
「黙れ!ゴミども!お前らはこの先未来がないやつらなんだからとっととサバイバルに参加すればいいんだよ!」
「・・・おっと取り乱してしまってね。ごめんね。さぁルールの説明に戻るね。その10万円でサバイバルしてもらうんだけど何に使ってもいいよー町の中にはコンビ二とかあるからそこで使うのもよしそのほかに使うのもよし基本自由だよー。あとはロボット兵を破壊すると賞金として10万円もらえるよー。さらに倒していくと倍になっていくけどその分後から来るロボット兵は強力になってくるから気を付けてねー。」
「ロボット兵はどうやって倒せばいいんだよー」
誰かが質問をした。
「それはねー町の中に武器屋があるからそこから武器を手にしてねー。その他にはお金が必要だから人を殺して奪うのもありだし、私はギャンブルが好きだからパチンコなどで増やすのもありだよねー。」
あたりがざわざわし始めた。チームを組む者たちが現れたようだ。
「よし。じゃあ3人で30万だからこの30万で武器を買おう。ロボット兵は倒せなくても護身用で何か買わないと死んじゃうからな。」
春斗が提案すると2人は賛成した。
「じゃあお金はどう増やす?俺ギャンブルしたことないから分かんないよ。」
瑠偉が言うと徹は言った。
「ギャンブルは任せろ。よく中学の時パチンコの打ち子として金を稼いでいたから。」
「おい!ギャンブルは18からだろ!まぁそんなことも言ってらんないからな。お金に関しては徹に任せた。」
「最後にみんなのポケットの中にここでしか使えないスマホが入っているからねーチームとか組んでるんだったらそれを使いなー。充電するときはお金を使うからよく考えて使うんだよー。あと参加者全員分の連絡先が入っているから同盟とか組むんだったら使ってみなー」
「じゃあそろそろ始めるよー。じゃあ始め!1か月頑張ってねー。」
そう男が言うと後ろから階段が現れた。
「ついに始まったか。よし3人で力を合わせて頑張るぞ!」
円陣を組み気合を入れて3人は走り出した。
ここから1か月の命を懸けたサバイバルが始まった。