表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

彼女のいる街①

「この街はー」


「よく知ってるだろ?」


 ゲーセンで遊び尽くした俺たちは、明日消える予定の街に泊まりにきた。


 よく知ってるも何も、知りすぎている。知りすぎて、二度と訪れないようにしていた街である。なぜなら、


「まずい。もしここで元カノに出会ってしまったら、ストーカーとして通報される可能性がある」


「だろうな。でもまあ、いいだろ?明後日にはない街だ」


 ああ、そうか、


「当然元カノもー」 


「明日で、消える」


 じゃあ会えるのか。会ってしまうのか、会っていいのか。人生において、唯一真剣に付き合って、本気でぶつかったからこそ、別れてしまった女の子に。もう二度と会えないと誓った、女の子に。その子が住んでる、この街で。


「まあとりあえず今日の宿に泊まろうぜ。今日の宿は旅館風だ」


「いつもすまないね」


 お代は全部、悪魔に出してもらっていた。


「いいよ。経費で落ちるし。同じ部屋に泊まって良いか?分けるのめんどくさいし」


 悪魔は宙に浮かんだ、液晶画面みたいなのを操作する。黒い手袋をはめた指は細長い。


「いいよ。僕は夜更かしするタイプじゃないけど。ぱっぱと寝て明日に備えるタイプ。それでも良ければ」


 明日は元カノに会うっぽいし。


「じゃあそうしよう」


 その日は宿の料理と温泉を満喫し、疲れを癒した僕らは、とっとと寝た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ