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新しい生活
「あの夢」のことが気になってしようがなかったが、いつまでも延々と引っ張り続けるのも嫌だったのでそれについては取り敢えず棚に上げておくことにした。
一先ず、私はまだぼやける頭を覚ましながら朝食をとった。
今日は国立学園の入園式である。
「あの夢」を見た後では、国立学園など取るに足らないものであることは今のところ明確であった。
こうは言ったものの別に興味がないというわけではない。
予め制服が配られたが、デザインがとてもいい。気品にあふれている。
今のところこの学園に対しては好印象だ。
入園式の会場、私は別に緊張や他の入園生のような希望に満ち溢れて輝いている眼で延々に正面舞台とにらめっこする素振りも見せず、ただ重く、深く指定席に座った。
入園式など私にとっては無くても構わない行事だ。
先輩の紹介とか、学園のことなんぞ自慢話にしかならないのだから。
―その日の事はもうよくおぼえていなかった。 ただ、式中はずっと「あの夢」が頭から離れなかっ
た。