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第八十九話 他のダンジョンの情報

僕はスッキリしたのでガイブン人形に魔法を無数に当て破壊した。

あの時はこっそりとした一撃だったので、今回は更にスッキリした!


……


僕がガイブン人形を倒すと、他に敵は現れる様子もなく静かな時間が五分ほどあった。


その後ようやく百階のこのボス部屋が徐々に狭まってきた。一瞬焦ったが悪い感じがしなかったから、そのままどうなるか見ていた。


部屋がどんどん小さくなり二十畳ほどの大きさになると、目の前にはテーブルと三脚の椅子が現れた。


更に一脚の椅子の上が光輝き……光が収まると、ソフィアのような妖精がちょこんと椅子に乗っていた。



「やあダンジョン攻略おめでとう! ぼくっちはダンジョンコアだよ! ぼくっちのこの姿は可愛いでしょ!」


……

……


何か軽い……ダンジョンコアはこんな感じなのか?



「さてぼくっちが可愛すぎて声が出ないようだから、ぼくっちから話をするよーー」


……


「君達はこの百階のボスを倒したよ! だからぼくっちが出来る範囲で何かをあげるよ! ーー何が良い? 伝説級の武器でも、どんな病気を治す薬でも、寿命を伸ばすでも良いよ! ただ世界を破滅するとかは無理だよ!」



……

……


何かを……いきなりそんな事を言われてもな。相手が何か良いものを選んでくれるのではないんだね。


「……急に言われたけど、ちょっと相談させて」と僕がダンジョンコアに言うと笑顔で頷いてくれたので、ここからしばし相談タイムだ。



「我はヤマトを呼んでほしい!」


おっとーーいきなり良い意見だクロウ!


「それは私も賛成ね!」

「私もですね。」

「って、僕もだよ! クロウ良いよーー良い意見だよ! ねえダンジョンコアは聞こえていた? ヤマトを呼べる?」



「ヤマト…………、…………ん、君達は異世界人か…………そこから……龍か!……ぼくっちの魔力だけで……」


ダンジョンコアが笑いながら悩んでいるようだ。頭もフル回転しているのか、笑顔で目がキョロキョロして独り言を言っている……


……


「んーーぼくっちだけだと無理だねーー。だけど、君達が手伝ってくれたらもしかしたら……そこのクロウとソフィア! 君達はちょっとこっちに来て!」



クロウとソフィアは素直にダンジョンコアの所に移動した。そして僕達に聞こえないように何かを相談している。


……

……


あーでもないこーでもないと聞こえる……


……

……


「あっ、もう少し相談しないといけないから、ラウールとサクラはぼくっちが食べ物を準備しておくから、ゆっくりしていて!」ダンジョンコアにそう言われた。



「……そうなんだってサクラ……僕達は話に参加できないみたいだし、ダンジョンコアが用意した食べ物も美味しそうだし、休もっか」



「そうね……何か寂しいけど、私達に聞かれたくないようだしね。……邪魔をしないで端にでも寄っていようか……」



僕達は端に移動し食事をした。

それでも相談は終わらず、ダンジョンコアは布団まで準備してくれたので、寝た!



……

……



朝だろう時間に起きると、僕達にも何も感じさせないように準備が終わっていたようだ。

部屋がまた大きくなり、中央には魔方陣があり、魔力とは違う力がすでに充填されているようだった。



「おはようラウール、サクラ! もう準備は終わったよ! ぼくっちのダンジョンに満ちた魔力と、クロウからはあの力と、ソフィアからはその力を注いでもらっているからーー後は君達は二人が魔力を込めたら良いよ!」



あのとか、そのとかは気になるが……もう呼べるのか?



「ねえソフィア? あっちの神様は許可をくれたの?」



「ええ。それは私とクロウと最後にダンジョンコアが頑張ってくれました。これはラウールとサクラには教えない方が良いと思いますから、一生内緒ですけれども」



内緒か……気になるけども僕達のためにやってるんだろうしな。



「わかったよ。ありがとうダンジョンコアもね」



「どういたしましてーーと言うか、君達のダンジョン攻略の報酬だから気にしないでよ。その代わり、本当なら一人に一つの報酬だったけど、これだけの事をしたんだから皆で一つだよ」



「もちろんそれで構わないよ! はじめから一つだと思ってたしね! だけど……攻略したらダンジョンから報酬がでるのって、ダンジョンにはどんな得があるの?」



「んーー言える範囲?……少しだけだけ教えようか!」



……



「ダンジョンってこの世界の余剰な力を閉じ込めているんだよ……それが魔物になったり、お宝になったりとぼくっちが調整しているんだ!」



へーー



「でもこのダンジョンは一度も攻略されていなかった。だからダンジョンから魔物が溢れるところだったんだよ!」



おい! そこは重要だぞ。



「でもダンジョン以外に力が貯まりすぎるよりはましなんだよ! 外ではここまで調整できないからね」



ふむ、そうなのか?

あっ! すべてお宝にしたら?



「フフフ、ラウール! その顔はすべてお宝にしたらいいんじゃないかって思ったでしょ! でも無理だよ! 力の種類が違うから」



おっと、顔つきで判断したんだよね?

心を読んでないよね。



「まーーそんな感じで色々あるけど、魔物を倒すと自然に返る力と、倒した魔物の周囲にいる人が力を取り込んでくれるでしょ。だからここまで進んで来た人は、魔力が世界に溢れるのを防いでいるのと一緒なんだよ!……これがあまり何もしない神が、自分が楽をするために創った仕組みなんだよ、ダンジョンというものはね」



へーーこの世界の神はそこまで徹底しているんだね。ある意味自分がいなくてもどうにでもなる会社にした、仕事ができる社長みたいだね。



「それくらいかな言えるのはーーって、他の所にもダンジョンはあるから攻略してね。他もそろそろ溢れるかもしれないからね!…………さ、召喚召喚!」



最後にさらっと危ないことを……

魔物が溢れたらヤバイでしょ!




……でも今は僕も……召喚! かな。




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